最強と言われてたのに蓋を開けたら超難度不遇職

鎌霧

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18章

467話 試した後の行動

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 自分のリソースを使わず、なおかつスキルの発現を狙って戦闘をする為に闘技場通いを始めるのだが今の所成果なし。メカクレの奴がどのくらい戦闘をこなして魔法矢覚えたのか先に聞いておけばよかった気がする。最近何でもかんでも後悔ばっかりしてるわ。

「計画性もなくやるのって中々だよなあ……」

 でもまあ、オンラインゲームって大きい目標やストーリークエストが無いと基本手持無沙汰と言うか、自分であれこれしなきゃならんから、普通っちゃ普通か。もうちょっと運営の用意したストーリーってのも楽しんでやるかなあ……だとしても、私自身が強くなる方が今の所楽しいから、何とも言えん。

「まー、今は目の前に集中するべきなんだけど」

 びゅんと目の前を掠めていく斬撃を尻尾を使ってのスウェイで避け、レバー部分を指に引っ掛けてくるりと回して装填。こっちの射撃が飛んでくるタイミングで向こうは向こうで盾を構えるので、その隙にファイアエンチャントを使って火属性を入れてからの射撃。発射するまでは特に何ともなく、相手の盾に当たると共にごうっと炎が上がる。何度か使ってきてようやくこのエンチャントの効果を含めてメカクレの奴が何で魔法矢を使えるようになったかが分かった気がする。

「火属性を付与するのは良いとして、何処で判定が出るか気になってたけど、ヒットした瞬間で確定かあ……付与した回数じゃなくて、付与して攻撃を当てた回数がポイントかね」

 そのまま続けて2発追撃、銃撃で押し込んでからバックステップで距離を取って一息入れてから装填して使った分を入れていく。闘技場でのガンナーの対処法ってのも知られてるので、飛ぶ斬撃で反撃される。これ、何度か食らったけど物理判定なうえ、結構威力が高いからガンナーの貧弱防御力だときついんだよな。とりあえず2発込めてから銃受け、威力と言うよりも勢いがあるので、更に後ろに吹き飛ばされ、体が宙を浮く。威力もあるし、勢いもあるからまともに受けるといつもこうだ。
 着地もいつもの様に尻尾で一旦勢いを殺して、着地。もう1発装填してからエンチャントを掛け直してまた射撃。レバーアクションだと連射系のスキルが使えないから地力勝負。

「剣持ちは遠近強いのずるくねえかな」

 2回3回と、飛んでくる斬撃を避け、受けてからまた一息。やっぱりこういうぎりぎりの戦いをやっている時が楽しい。その上で相手に勝利できれば完璧なんだけどさ。
 それにしたって距離を取ったら飛ぶ斬撃、近づいたら近づいたでそっちのスキルと立ち回りもあるから、まー相手にしにくい。って言うか、相手にしやすい職って殆どいない気がする。そもそもこのゲームって対人中心にしたゲームじゃなくて、PvEがメインだから職同士で戦った時のバランスが悪いってのは当たり前の話なんだけどさ。

「対モンスター向けの強力なスキルが使えるんだから、バランスもクソもないわな」

 じゃこんとレバーを起こすと共に薬莢が飛び、距離を取った所で連射、装填、付与をしながらさっきと同じような立ち回りを繰り返す。




 ってのを20戦ほどやったのだが、魔法弾のスキルが出てくる気配が無いので、犬野郎のクランハウスでため息一つ。犬野郎もメカクレの奴も今は最深マップに行って元気に雑魚とボス戦をやっているらしい。私としては既に犬野郎との約束は済ませたのでいつでも脱退して良いと言われているのだが、メカクレに教えてもらっている間は抜ける事が出来ないのでまだ在籍中。

「もうちょっと実りのあるゲームしないとなあ、仕事の後でやる時間も限られてるってのに」

 ご自由にどうぞのティーセットで自分でお茶を入れて啜りつつ、メモ帳を開いてやりたい事とやれてない事のリストを作り、考え中。先の見えるアタッチメントだったり特殊弾頭の開発を進めた方が色々できそうな気がする。この間、犬野郎が繰り出してきた逆手持ちの特殊攻撃の漫画アニメを思い出して、付与関係無しに魔法弾を撃てる案も考えたけど、そういうファンタジー感のある素材ってあんましないのよね。

「金入ったし新しい銃考えるかなあ……レバーアクションは悪くないけどやっぱ装填隙がでかいし」

 このチェストブレイク、アサルトライフルって観点で見るとアサルトライフルの始祖って感じだから、ここからクリップ式、マガジン式に移り変わっていくのを考えると……。

「やっぱ良い金額吹っ飛ぶんだよなあ」

 がっしゃがっしゃとレバーを動かしながら考え事。
 装備揃えて犬野郎の話を聞いて、新しい素材や珍しい素材を集めにあちこちマップをうろつくのもいいかもしれん。その間にメカクレの奴から聞いた情報をガンナー用に良い感じに変換して……ってのを考えると結構いいかも。

「……よし、装備揃えていくか」

 いつまでもこんな所でだらだらやっててもしゃーないしな。
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