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18章
469話 久々のダンジョンアタック
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「どけおらぁ!」
「おー、怖い怖い……」
目の前の海鮮系に対して銃身を握った状態でのバットスイング。
思い切りストック部分が海鮮系にヒットして、そのまま洞窟壁面に「びだぁん!」と音を立ててぶつかっていく。
「ったく、此処までがきつすぎだっての……」
粘液を振って飛ばして銃を肩に担いで一息。海産物系のモンスターって何でこうもぬるぬるするかな。もうちょっと火山が絡んでくるから硬めの敵が来るかなと思ったんだけど、そんな事はなかった。どちらかと言えば深海生物チックに変貌していくとは全くもって予想していなかった。ただただグロイ造形の海鮮系が増えるのは私としてはひたすら苦痛。
「まだこれで先があるんですから、我慢するしかないですよ」
「ああもう、さっさと素材取ってこんな生臭い所抜けたいってのぉ!」
そんな叫びをあげていれば新しいモンスターがわらわらと湧いてくるので新調したARのマガジンを入れ替え、細巻煙草を咥えて火を……つけるにも湿気てる。ああ、くそ、ここに来るまでこんなんばっかだよ!
此処に来るのはノルマのボス討伐を済ませた後に、犬野郎が付き合うと言ってきたのでそのまま一緒になって南側のエリアに進軍の強行軍。以前潜ったダンジョンは南2-3だったが、今回の海底火山は南5-1になる。って言うか久々にエリア攻略みたいな事をしてきたけど、南の海部分って基本的に水中かダンジョンにしかモンスターが出てこない上に襲って来ないので道中はひたすら苦痛な海上移動だった。なんだったらエリアが進むごとに波の強さが上がっていって、ひたすら荒波に揉まれる酔う環境に放り込まれるとは思わなかった。
して、そんな荒波に揉まれに揉まれてようやく海底火山ってダンジョンがある島に辿り着いて、ダンジョンアタックを開始したらしたで一般的な海鮮系モンスターよりもグロいわきもいわ強いわの3段構えモンスターが待ち構えている。ついでに言えばダンジョンのギミックも入り込んだ海水でびしょぬれになるわ、火山の地熱で熱い箇所があるわ、環境的なダメージがかなり多いときた。
「こんな所にまで来て成果無しだと運営が嫌いになるわ」
「そこまでですか……?そもそも出てくるかどうかも分からないのに来たじゃないですか」
「わかってるっての」
減ったHPとエンチャントと装填で使いまくっているMPをポーションで回復しつつ空瓶を投げ捨てつつ、片手でのAR掃射で飛び散る魚肉を見ながら侵攻を続ける。ダンジョン攻略に関しては犬野郎が前、私が後ろなので、とにかくケツを蹴り上げて無理くりにでも強行突撃が出来るってのがいい所。
「此処のダンジョンってうちのクランでも完全攻略してないんですよね」
「情報クランの連中と連携してるんじゃないの?」
「してますけど、ここって手間と時間が掛かってるんですよ、道中もあんなんでしたし」
「あの荒波をよくもまあ、あのボートで突破出来たわ……」
手漕ぎの2~3人乗りボートで来れるもんだわ、ほんと。
「で、時間が掛かるのは道中がきついからそうだけど、手間って何よ」
「それはですね……おっと」
射撃と前進を続けている最中、犬野郎が急に立ち止まり私の事を抱えこむと共に盾を構える。一瞬何をやってんだ、と思った途端に壁面から溶岩が噴き出してくるので、それを盾で防ぎながら収まるのを待つ事に。
「これ?」
「そうですね、直撃すると私でもやばいんですよ、これ」
「まだ2階にも行ってないのにこんなんあるんかい」
じわじわと熱さが伝わる中、押しのけるようにして私を抱えたままバックステップ。この高熱を耐えられる盾を持ってるってのもすげーな、こいつ。
してバックステップで一旦距離を取って、溶岩が噴出してた所から少し離れて一息。辺りは高熱にさらされるわ、水蒸気で湿気るわ、冷えるのに時間が掛かるのでルート限定されるわ、確かに言われた通り、手間が掛かるわ。
「こういう地形トラップの出現がランダムで、ルート変化もあるので手間なんですよね」
「何で来る前に言わないかな?」
「行くぞ!船出せ!案内しろ!ってまくしたてたのは誰ですか」
そりゃー、私だわ。
「そりゃそーだけどさあ……」
へいへいすいませんねと言いつつ、インベントリからグレネードを出して道を塞いだ溶岩部分に投げ込むと共に犬野郎を盾にして爆破。辺りに溶岩を飛び散らせつつ、道開けさせるとさっさとそこを通る。湿気っていても高温の所に突っ込めば爆発するもんだな。
「こんな調子で前に進むんですか」
「だってこうでもしないと海鮮が迫って来るじゃないの」
吹っ飛ばして溶岩が元に戻る間に通り過ぎ、その道が塞がると共に、追いかけて来ていた海鮮がそのまま溶岩に突っ込んで行って焼かれていく。焼き魚の臭いってあんまり好きじゃないんだよね。何て言うかどうしても生臭いって言うか、あの独特な感じよ。
「幾ら無限沸きだからって一直線に突っ込んでくるのこーわっ」
「動いてるものに突っ込んでくる感じですね……光物に突っ込んでくるダツもいますし、まあ」
「そいつは深海にはいねーだろ」
今の所、水陸両用と言った感じに高速で這う、歩行する気持ち悪い移動方法の奴しかいないので問題ないが、これが飛んでくるってなると話が変わってくるんだが?マップ的にも洞窟だし、深い水溜まりのような所から飛び出てくるってのはあったが、壁面から流石に壁を貫通して飛んでくるのは現状ではいない。溶岩が噴き出してきたのはモンスターじゃないからノーカン。
「あー、でもこういうめんどくさい所に良い素材がある可能性は高いからなあ」
「一応2階の終わりくらいまでは進行しましたけど、物珍しい物はありませんでしたよ」
「結局深い所まで行くのは確定だって」
「いつも、こんなに行き当たりばったりなんですか?」
「そーだよ?」
マガジンをかしゃんと音を立てて入れ替えてから先の方を眺める。
もっと変な海鮮系がやってくると思うとちょっとげんなりするけどな。
「おー、怖い怖い……」
目の前の海鮮系に対して銃身を握った状態でのバットスイング。
思い切りストック部分が海鮮系にヒットして、そのまま洞窟壁面に「びだぁん!」と音を立ててぶつかっていく。
「ったく、此処までがきつすぎだっての……」
粘液を振って飛ばして銃を肩に担いで一息。海産物系のモンスターって何でこうもぬるぬるするかな。もうちょっと火山が絡んでくるから硬めの敵が来るかなと思ったんだけど、そんな事はなかった。どちらかと言えば深海生物チックに変貌していくとは全くもって予想していなかった。ただただグロイ造形の海鮮系が増えるのは私としてはひたすら苦痛。
「まだこれで先があるんですから、我慢するしかないですよ」
「ああもう、さっさと素材取ってこんな生臭い所抜けたいってのぉ!」
そんな叫びをあげていれば新しいモンスターがわらわらと湧いてくるので新調したARのマガジンを入れ替え、細巻煙草を咥えて火を……つけるにも湿気てる。ああ、くそ、ここに来るまでこんなんばっかだよ!
此処に来るのはノルマのボス討伐を済ませた後に、犬野郎が付き合うと言ってきたのでそのまま一緒になって南側のエリアに進軍の強行軍。以前潜ったダンジョンは南2-3だったが、今回の海底火山は南5-1になる。って言うか久々にエリア攻略みたいな事をしてきたけど、南の海部分って基本的に水中かダンジョンにしかモンスターが出てこない上に襲って来ないので道中はひたすら苦痛な海上移動だった。なんだったらエリアが進むごとに波の強さが上がっていって、ひたすら荒波に揉まれる酔う環境に放り込まれるとは思わなかった。
して、そんな荒波に揉まれに揉まれてようやく海底火山ってダンジョンがある島に辿り着いて、ダンジョンアタックを開始したらしたで一般的な海鮮系モンスターよりもグロいわきもいわ強いわの3段構えモンスターが待ち構えている。ついでに言えばダンジョンのギミックも入り込んだ海水でびしょぬれになるわ、火山の地熱で熱い箇所があるわ、環境的なダメージがかなり多いときた。
「こんな所にまで来て成果無しだと運営が嫌いになるわ」
「そこまでですか……?そもそも出てくるかどうかも分からないのに来たじゃないですか」
「わかってるっての」
減ったHPとエンチャントと装填で使いまくっているMPをポーションで回復しつつ空瓶を投げ捨てつつ、片手でのAR掃射で飛び散る魚肉を見ながら侵攻を続ける。ダンジョン攻略に関しては犬野郎が前、私が後ろなので、とにかくケツを蹴り上げて無理くりにでも強行突撃が出来るってのがいい所。
「此処のダンジョンってうちのクランでも完全攻略してないんですよね」
「情報クランの連中と連携してるんじゃないの?」
「してますけど、ここって手間と時間が掛かってるんですよ、道中もあんなんでしたし」
「あの荒波をよくもまあ、あのボートで突破出来たわ……」
手漕ぎの2~3人乗りボートで来れるもんだわ、ほんと。
「で、時間が掛かるのは道中がきついからそうだけど、手間って何よ」
「それはですね……おっと」
射撃と前進を続けている最中、犬野郎が急に立ち止まり私の事を抱えこむと共に盾を構える。一瞬何をやってんだ、と思った途端に壁面から溶岩が噴き出してくるので、それを盾で防ぎながら収まるのを待つ事に。
「これ?」
「そうですね、直撃すると私でもやばいんですよ、これ」
「まだ2階にも行ってないのにこんなんあるんかい」
じわじわと熱さが伝わる中、押しのけるようにして私を抱えたままバックステップ。この高熱を耐えられる盾を持ってるってのもすげーな、こいつ。
してバックステップで一旦距離を取って、溶岩が噴出してた所から少し離れて一息。辺りは高熱にさらされるわ、水蒸気で湿気るわ、冷えるのに時間が掛かるのでルート限定されるわ、確かに言われた通り、手間が掛かるわ。
「こういう地形トラップの出現がランダムで、ルート変化もあるので手間なんですよね」
「何で来る前に言わないかな?」
「行くぞ!船出せ!案内しろ!ってまくしたてたのは誰ですか」
そりゃー、私だわ。
「そりゃそーだけどさあ……」
へいへいすいませんねと言いつつ、インベントリからグレネードを出して道を塞いだ溶岩部分に投げ込むと共に犬野郎を盾にして爆破。辺りに溶岩を飛び散らせつつ、道開けさせるとさっさとそこを通る。湿気っていても高温の所に突っ込めば爆発するもんだな。
「こんな調子で前に進むんですか」
「だってこうでもしないと海鮮が迫って来るじゃないの」
吹っ飛ばして溶岩が元に戻る間に通り過ぎ、その道が塞がると共に、追いかけて来ていた海鮮がそのまま溶岩に突っ込んで行って焼かれていく。焼き魚の臭いってあんまり好きじゃないんだよね。何て言うかどうしても生臭いって言うか、あの独特な感じよ。
「幾ら無限沸きだからって一直線に突っ込んでくるのこーわっ」
「動いてるものに突っ込んでくる感じですね……光物に突っ込んでくるダツもいますし、まあ」
「そいつは深海にはいねーだろ」
今の所、水陸両用と言った感じに高速で這う、歩行する気持ち悪い移動方法の奴しかいないので問題ないが、これが飛んでくるってなると話が変わってくるんだが?マップ的にも洞窟だし、深い水溜まりのような所から飛び出てくるってのはあったが、壁面から流石に壁を貫通して飛んでくるのは現状ではいない。溶岩が噴き出してきたのはモンスターじゃないからノーカン。
「あー、でもこういうめんどくさい所に良い素材がある可能性は高いからなあ」
「一応2階の終わりくらいまでは進行しましたけど、物珍しい物はありませんでしたよ」
「結局深い所まで行くのは確定だって」
「いつも、こんなに行き当たりばったりなんですか?」
「そーだよ?」
マガジンをかしゃんと音を立てて入れ替えてから先の方を眺める。
もっと変な海鮮系がやってくると思うとちょっとげんなりするけどな。
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