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18章
471話 2F突破
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このダンジョン、ゲーム開始3ヵ月近く経っているのに本気で面倒くさくて放置されている理由がとても分かる。ダンジョン構造って基本的にはピラミッド状になっているから下に行けば行くほど広がるわけだが、1階から2階に行くだけで広さがえぐくなる。ついでに言ったら最下層がどれくらいなのかも現状では不明、ギミックも此処から先はどういう物か不明。
大体攻略されていないダンジョンやボスってギミックだったり構造が面倒くさい、後回しで良いというのは散々っぱら聞かされたのだが、それがよくわかる。
何だかんだで先に進み、ようやくと言う感じに2Fの中間地点辺りに到達したらしい。ちなみにここが犬野郎のクランたちの最高地点で、此処から先はマップも無いわ、ダンジョンギミックもよくわからないとの事。そしてなによりもモンスターの量と質が上がっているのも難点だったりする。
「これがローグライク系のゲームじゃなくて本当に助かったわ」
「それはなんで」
「海面から反撃出来ない状態でひたすら攻撃してくるって事ないでしょ」
ざぱんと音を立てて出てきた魚人を犬野郎が抑え、私が攻撃。テンプレとしか言えないこの前衛と後衛をしっかり分けての戦いも慣れたもんだな。うーむ、これは傍から見たらいい相棒を持ったなんて思われるんだろうな。こいつと……?いやー、ないない。合わないわ。ただのビジネスパートナーだから。
「そんな敵がいるんですか」
「あんた、リアルじゃ案外若いでしょ」
「おや、わかります?」
私が結構古いゲームやらアニメ、漫画の話をしても通じない時が多いからそうなんだろうって感じ。ゲームをしているからってそういう事に詳しい奴が多いって訳じゃないって事だな、当たり前だけど。
「ネタが通じる相手だと、もーちょと楽しいのになあ」
「あんまり古いネタばっかりだと、老害って思われますよ」
軽口を、と思っている所に、後ろから攻撃が来るので咄嗟に銃受けし、一度堪えてから蹴り飛ばして距離を取ったらすぐ射撃。そういえばARでオートマチックだと、単発、3点、フルオートの切り替えが出来るって初めて知ったわ。SMGもフルオートだったけど、あれはあれでばら撒くタイプの銃ってのを考えると、やっぱりここの運営って銃器のコンセプトをしっかり持ってる良い運営。前にクソとか言ったような覚えあるけど、手のひらなんてドリルの様に返しまくりよ。
「ああいえばこう言って……可愛げのない奴」
3点バーストでの射撃を繰り出して距離を取った魚人を撃ち抜いて倒していると、犬野郎と背中が当たる。結構がんがん攻められてるのか、前に出れない状態になっているみたいだ。
「きつい?」
「いえ、この程度は許容範囲です」
そういうや否やドンと大きく音を立てて魚人を吹っ飛ばしてから、前に食らった逆手持ちのスキルを使って一刀両断。改めて見ても滅茶苦茶高火力なスキルじゃねーか。
「防御力も攻撃力も高いってずる過ぎじゃね」
「私としてはアカメさんの方がずるいと思いますよ?」
そんな事も無いと毎回言っているはずなんだけどなあ。このゲームにおけるガンナーって攻撃力と固定ダメージってあくまでも銃器に依存しているから幾らステータスを上げた所で使える装備が増えるだけで、高レベル……のはずの私も、初期銃を使えばLv1のガンナーと変わりない。後はもう、立ち回りよ、立ち回り。
「同じ銃を持っても使い手次第だって、FPSやTPSやったことないの?」
「ありますけど、銃の優劣は存在してるのでは」
「昔、色んな銃が使えるのに、アタッチメントはキル数でアンロックするって言う結構鬼畜な仕様があったゲームがあってさあ」
それを縛りプレイで1個ずつしか使わないって事をしてたけど、全然負ける事がなかったから、本当に立ち回りって大事なんだけどなあ。
そんな事をぽろっと話しつつ前に出ろと、背中をぶつけて促してから、押して前に進ませる。こっちはこっちで後ろからちょいちょい出てくる魚人共の足を狙い射撃するわけだが、こういう時は単発に切り替えて細かく刻んで攻撃できるようにして足止めメインに。
「こんな調子で2Fの攻略出来るんかね」
撃って足止めしたうえで距離を取ったらマガジンを外して銃弾を詰め直す。マガジン式の面倒な所は中途半端に撃ってリロードしたらマガジン内に残弾が残ってるから、詰め直さないといけないってのと、そのままマガジン外して捨てるわけにもいかない。1発を笑うやつは1発に泣くってもんよ。
「広いだけで1Fと変わりないですし、節約で進んだら大丈夫では?」
「結構な銃弾持ってきたけど、この調子だと3F辺りで私がガス欠するかなあ」
魚人を蹴散らし、海鮮類を突破した所でグレネードを一発放り、ファイアで丸ごと着火。爆発が起こって爆発を起こしている間にさらに前進。そういえば、がっちん漁法なんてあったし、水中で爆破出来たら魚人共浮かせること出来るかな。
「ダンジョン攻略だってのにあれこれ考えるのは悪い癖だわ」
「何も考えずに行くのもいいですよ?」
「それはなー」
脳死戦闘するにはやることが多いんだよ、ガンナーは。
大体攻略されていないダンジョンやボスってギミックだったり構造が面倒くさい、後回しで良いというのは散々っぱら聞かされたのだが、それがよくわかる。
何だかんだで先に進み、ようやくと言う感じに2Fの中間地点辺りに到達したらしい。ちなみにここが犬野郎のクランたちの最高地点で、此処から先はマップも無いわ、ダンジョンギミックもよくわからないとの事。そしてなによりもモンスターの量と質が上がっているのも難点だったりする。
「これがローグライク系のゲームじゃなくて本当に助かったわ」
「それはなんで」
「海面から反撃出来ない状態でひたすら攻撃してくるって事ないでしょ」
ざぱんと音を立てて出てきた魚人を犬野郎が抑え、私が攻撃。テンプレとしか言えないこの前衛と後衛をしっかり分けての戦いも慣れたもんだな。うーむ、これは傍から見たらいい相棒を持ったなんて思われるんだろうな。こいつと……?いやー、ないない。合わないわ。ただのビジネスパートナーだから。
「そんな敵がいるんですか」
「あんた、リアルじゃ案外若いでしょ」
「おや、わかります?」
私が結構古いゲームやらアニメ、漫画の話をしても通じない時が多いからそうなんだろうって感じ。ゲームをしているからってそういう事に詳しい奴が多いって訳じゃないって事だな、当たり前だけど。
「ネタが通じる相手だと、もーちょと楽しいのになあ」
「あんまり古いネタばっかりだと、老害って思われますよ」
軽口を、と思っている所に、後ろから攻撃が来るので咄嗟に銃受けし、一度堪えてから蹴り飛ばして距離を取ったらすぐ射撃。そういえばARでオートマチックだと、単発、3点、フルオートの切り替えが出来るって初めて知ったわ。SMGもフルオートだったけど、あれはあれでばら撒くタイプの銃ってのを考えると、やっぱりここの運営って銃器のコンセプトをしっかり持ってる良い運営。前にクソとか言ったような覚えあるけど、手のひらなんてドリルの様に返しまくりよ。
「ああいえばこう言って……可愛げのない奴」
3点バーストでの射撃を繰り出して距離を取った魚人を撃ち抜いて倒していると、犬野郎と背中が当たる。結構がんがん攻められてるのか、前に出れない状態になっているみたいだ。
「きつい?」
「いえ、この程度は許容範囲です」
そういうや否やドンと大きく音を立てて魚人を吹っ飛ばしてから、前に食らった逆手持ちのスキルを使って一刀両断。改めて見ても滅茶苦茶高火力なスキルじゃねーか。
「防御力も攻撃力も高いってずる過ぎじゃね」
「私としてはアカメさんの方がずるいと思いますよ?」
そんな事も無いと毎回言っているはずなんだけどなあ。このゲームにおけるガンナーって攻撃力と固定ダメージってあくまでも銃器に依存しているから幾らステータスを上げた所で使える装備が増えるだけで、高レベル……のはずの私も、初期銃を使えばLv1のガンナーと変わりない。後はもう、立ち回りよ、立ち回り。
「同じ銃を持っても使い手次第だって、FPSやTPSやったことないの?」
「ありますけど、銃の優劣は存在してるのでは」
「昔、色んな銃が使えるのに、アタッチメントはキル数でアンロックするって言う結構鬼畜な仕様があったゲームがあってさあ」
それを縛りプレイで1個ずつしか使わないって事をしてたけど、全然負ける事がなかったから、本当に立ち回りって大事なんだけどなあ。
そんな事をぽろっと話しつつ前に出ろと、背中をぶつけて促してから、押して前に進ませる。こっちはこっちで後ろからちょいちょい出てくる魚人共の足を狙い射撃するわけだが、こういう時は単発に切り替えて細かく刻んで攻撃できるようにして足止めメインに。
「こんな調子で2Fの攻略出来るんかね」
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