538 / 625
19章
505話 強敵
しおりを挟む
立ち上がりはゆっくりと、距離とタイミングを計りながら牽制射撃を繰り出しながら様子見。遠距離攻撃が強い……のは双方違いないので、飛んできた射撃攻撃はそれぞれ、こっちはガンシールドで、向こうは体をよじったり大きい拳銃の方で受け流す。
「どう見るっす?」
「忌憚なく言えばアカメが不利じゃ」
「その心はなんですかな!」
「覚えて練習していたとは言え、向こうのほうが練度は高いじゃろう、それに此処に合わせて殆ど動いてないのも、気になる」
「勝てるかな」
「どうだろう」
後ろのギャラリーは気楽でいいな。
そもそも向こうのほうが接近戦に特化しているから私のほうが不利ってのはよく分かってる。だからこそそこを突いて前に出なきゃならん。どこまでリスクを取って前に出れるか。これがあいつとマイカを相手にしているときに分かった事なのだが、問題はそこに飛び込むタイミングよ。
「どっちも2丁拳銃だし、弾切れはしないでしょ」
「この弾切れしなくなった環境を作ったの誰だと思ってるんだ」
てめえが使ってるガンベルトもマガジンも銃弾も全部が全部私が四苦八苦して作ってきた奴だろーに。あー、そう考えたら私ってガンナー職の貢献がえげつねえな……いや、私以外の奴もあれこれ作ってるんだろうな。私だけがガンナーやってるわけ……いや、一時期サブ職でいいって言われて絶滅してたか。
「つーか、ガンナー増えすぎなんだよ」
「それはボスのせいもあるでしょ」
中距離での撃ち合いから、急に連射をかましてくるのでステップとガンシールドで防ぎ、こっちも反撃。と思っていたら一気に距離を詰めてくるので体勢を整え、真正面で捉える。まあ突っ込んでくる相手に対しての基本行動。流石にマイカみたいに極振り……ってのは難しいから、私でも捉えられる速度なのは良い。だとしても無策に突っ込んでくる訳がないのでしっかり射撃を入れてこっちに攻撃をしながら近づいてくる。
「しっかりした立ち回りだな」
「スパルタが多いからだよ!」
半身になり、ガンシールドで射撃を防いでいればかなり懐に潜り込まれる。ただ、これに関してはどっちから先に行くかって話でしかないので、問題はない。結局のところ足の速い相手に遠距離攻撃を繰り出したところであまり意味がないし、元から接近戦をする相手に対してこっちも接近戦する気だから問題なし。
連射からの接近、そして至近距離で撃たれる……瞬間にこっちから相手の銃に対して拳銃のグリップ下部をぶつけて射線をずらす。明らかにこの攻撃で先手を取ろうと考えていたももえから舌打ちが聞こえる。これくらいはしてくるってわかるだろうに。
そこから射撃……ではなく、格闘攻撃の応酬が始まる。と言っても相手の銃口をこっちに向けさせないように攻守が入れ替わりながらの近接戦闘。
「マジでガンカタ覚えてるじゃん!」
「努力家でね」
「まー、あんだけボコられりゃ!」
あのスパルタ修行は確かにえらい数をボコられまくったが、それだけじゃないんだけどな。とりあえず先にどっちが銃弾を当てるか、そういう勝負になる。
「それでも、こっちの方が熟練してんの!」
「こういう時こそ落ち着いて行動せえ」
拳銃同士のかち合いから蹴りを含めた格闘術で攻めてくるのだが、それを拒否するように軽く引いて射撃を合わせて立ち位置を計りながらこっちの間合いで戦うのを強要させる。この戦いは、どっちが自分のペースに引き込めるかがポイントよ。私としてはあまり格闘戦に引き込まず、接近戦から中距離で射撃戦をメインにした立ち回りで最後に仕留める、そんな流れで行きたい。が、そういうのを押し付けられるレベル差かって言われると難しい。
「もー、ちゃんと付き合ってよ!」
「してるだろうに」
とはいえ、距離が開いたら向こうも射撃をしてくるので、その分のリスクはこっちも取っている。ガンカタばっかりのアホ……ではなく、しっかりと中距離の撃ち合いも出来るのは、私の煙草を撃ちぬいた時点で出来ることが分かっている。ガンカタ使っての接近戦なら向こうのほうが有利なので、中距離と短時間の接近戦ならイーブンじゃないな、こっちが有利を取れる。
「位置取り考えての立ち回りは頭使うから疲れるわ」
攻撃に出るところを間違えるのが一番やばい。それぞれ射撃攻撃を上手い事、直撃されないようにしているからどこかで均衡が崩れれば一気に流れが変わっていく。しかしいつまでたってもこんな不毛な撃ち合いをしても決着はつかないわけで。
「もぉー……!」
よしよし、だいぶイラついてる。いや、ブラフか?どっちにしろ慎重に立ち回るのは変わらない。油断も慢心もしない。確実に分かっていることは一つよ。
「私もほかの連中も認めるくらいに、強敵だって事だな」
装填する隙も図らないといけないのはちょっと大変だが。
「どう見るっす?」
「忌憚なく言えばアカメが不利じゃ」
「その心はなんですかな!」
「覚えて練習していたとは言え、向こうのほうが練度は高いじゃろう、それに此処に合わせて殆ど動いてないのも、気になる」
「勝てるかな」
「どうだろう」
後ろのギャラリーは気楽でいいな。
そもそも向こうのほうが接近戦に特化しているから私のほうが不利ってのはよく分かってる。だからこそそこを突いて前に出なきゃならん。どこまでリスクを取って前に出れるか。これがあいつとマイカを相手にしているときに分かった事なのだが、問題はそこに飛び込むタイミングよ。
「どっちも2丁拳銃だし、弾切れはしないでしょ」
「この弾切れしなくなった環境を作ったの誰だと思ってるんだ」
てめえが使ってるガンベルトもマガジンも銃弾も全部が全部私が四苦八苦して作ってきた奴だろーに。あー、そう考えたら私ってガンナー職の貢献がえげつねえな……いや、私以外の奴もあれこれ作ってるんだろうな。私だけがガンナーやってるわけ……いや、一時期サブ職でいいって言われて絶滅してたか。
「つーか、ガンナー増えすぎなんだよ」
「それはボスのせいもあるでしょ」
中距離での撃ち合いから、急に連射をかましてくるのでステップとガンシールドで防ぎ、こっちも反撃。と思っていたら一気に距離を詰めてくるので体勢を整え、真正面で捉える。まあ突っ込んでくる相手に対しての基本行動。流石にマイカみたいに極振り……ってのは難しいから、私でも捉えられる速度なのは良い。だとしても無策に突っ込んでくる訳がないのでしっかり射撃を入れてこっちに攻撃をしながら近づいてくる。
「しっかりした立ち回りだな」
「スパルタが多いからだよ!」
半身になり、ガンシールドで射撃を防いでいればかなり懐に潜り込まれる。ただ、これに関してはどっちから先に行くかって話でしかないので、問題はない。結局のところ足の速い相手に遠距離攻撃を繰り出したところであまり意味がないし、元から接近戦をする相手に対してこっちも接近戦する気だから問題なし。
連射からの接近、そして至近距離で撃たれる……瞬間にこっちから相手の銃に対して拳銃のグリップ下部をぶつけて射線をずらす。明らかにこの攻撃で先手を取ろうと考えていたももえから舌打ちが聞こえる。これくらいはしてくるってわかるだろうに。
そこから射撃……ではなく、格闘攻撃の応酬が始まる。と言っても相手の銃口をこっちに向けさせないように攻守が入れ替わりながらの近接戦闘。
「マジでガンカタ覚えてるじゃん!」
「努力家でね」
「まー、あんだけボコられりゃ!」
あのスパルタ修行は確かにえらい数をボコられまくったが、それだけじゃないんだけどな。とりあえず先にどっちが銃弾を当てるか、そういう勝負になる。
「それでも、こっちの方が熟練してんの!」
「こういう時こそ落ち着いて行動せえ」
拳銃同士のかち合いから蹴りを含めた格闘術で攻めてくるのだが、それを拒否するように軽く引いて射撃を合わせて立ち位置を計りながらこっちの間合いで戦うのを強要させる。この戦いは、どっちが自分のペースに引き込めるかがポイントよ。私としてはあまり格闘戦に引き込まず、接近戦から中距離で射撃戦をメインにした立ち回りで最後に仕留める、そんな流れで行きたい。が、そういうのを押し付けられるレベル差かって言われると難しい。
「もー、ちゃんと付き合ってよ!」
「してるだろうに」
とはいえ、距離が開いたら向こうも射撃をしてくるので、その分のリスクはこっちも取っている。ガンカタばっかりのアホ……ではなく、しっかりと中距離の撃ち合いも出来るのは、私の煙草を撃ちぬいた時点で出来ることが分かっている。ガンカタ使っての接近戦なら向こうのほうが有利なので、中距離と短時間の接近戦ならイーブンじゃないな、こっちが有利を取れる。
「位置取り考えての立ち回りは頭使うから疲れるわ」
攻撃に出るところを間違えるのが一番やばい。それぞれ射撃攻撃を上手い事、直撃されないようにしているからどこかで均衡が崩れれば一気に流れが変わっていく。しかしいつまでたってもこんな不毛な撃ち合いをしても決着はつかないわけで。
「もぉー……!」
よしよし、だいぶイラついてる。いや、ブラフか?どっちにしろ慎重に立ち回るのは変わらない。油断も慢心もしない。確実に分かっていることは一つよ。
「私もほかの連中も認めるくらいに、強敵だって事だな」
装填する隙も図らないといけないのはちょっと大変だが。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
───────
自筆です。
アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
もふもふと味わうVRグルメ冒険記 〜遅れて始めたけど、料理だけは最前線でした〜
きっこ
ファンタジー
五感完全再現のフルダイブVRMMO《リアルコード・アース》。
遅れてゲームを始めた童顔ちびっ子キャラの主人公・蓮は、戦うことより“料理”を選んだ。
作るたびに懐いてくるもふもふ、微笑むNPC、ほっこりする食卓――
今日も炊事場でクッキーを焼けば、なぜか神様にまで目をつけられて!?
ただ料理しているだけなのに、気づけば伝説級。
癒しと美味しさが詰まった、もふもふ×グルメなスローゲームライフ、ここに開幕!
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
ゲーム内転移ー俺だけログアウト可能!?ゲームと現実がごちゃ混ぜになった世界で成り上がる!ー
びーぜろ
ファンタジー
ブラック企業『アメイジング・コーポレーション㈱』で働く経理部員、高橋翔23歳。
理不尽に会社をクビになってしまった翔だが、慎ましい生活を送れば一年位なら何とかなるかと、以前よりハマっていたフルダイブ型VRMMO『Different World』にダイブした。
今日は待ちに待った大規模イベント情報解禁日。その日から高橋翔の世界が一変する。
ゲーム世界と現実を好きに行き来出来る主人公が織り成す『ハイパーざまぁ!ストーリー。』
計画的に?無自覚に?怒涛の『ざまぁw!』がここに有る!
この物語はフィクションです。
※ノベルピア様にて3話先行配信しておりましたが、昨日、突然ログインできなくなってしまったため、ノベルピア様での配信を中止しております。
病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
オネエ伯爵、幼女を拾う。~実はこの子、逃げてきた聖女らしい~
雪丸
ファンタジー
アタシ、アドルディ・レッドフォード伯爵。
突然だけど今の状況を説明するわ。幼女を拾ったの。
多分年齢は6~8歳くらいの子。屋敷の前にボロ雑巾が落ちてると思ったらびっくり!人だったの。
死んでる?と思ってその辺りに落ちている木で突いたら、息をしていたから屋敷に運んで手当てをしたのよ。
「道端で倒れていた私を助け、手当を施したその所業。賞賛に値します。(盛大なキャラ作り中)」
んま~~~尊大だし図々しいし可愛くないわ~~~!!
でも聖女様だから変な扱いもできないわ~~~!!
これからアタシ、どうなっちゃうのかしら…。
な、ラブコメ&ファンタジーです。恋の進展はスローペースです。
小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。(敬称略)
本物の聖女じゃないと追放されたので、隣国で竜の巫女をします。私は聖女の上位存在、神巫だったようですがそちらは大丈夫ですか?
今川幸乃
ファンタジー
ネクスタ王国の聖女だったシンシアは突然、バルク王子に「お前は本物の聖女じゃない」と言われ追放されてしまう。
バルクはアリエラという聖女の加護を受けた女を聖女にしたが、シンシアの加護である神巫(かんなぎ)は聖女の上位存在であった。
追放されたシンシアはたまたま隣国エルドラン王国で竜の巫女を探していたハリス王子にその力を見抜かれ、巫女候補として招かれる。そこでシンシアは神巫の力は神や竜など人外の存在の意志をほぼ全て理解するという恐るべきものだということを知るのだった。
シンシアがいなくなったバルクはアリエラとやりたい放題するが、すぐに神の怒りに触れてしまう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる