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19章
531話 似た者同士の狂者
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「クソ、てこずらせやがって」
ガシャっとマガジンを落として新しいのに入れ替えつつ、ポリゴン状に消えるアオメを見てから煙草を咥えて火を付ける。ステータス、スキル、立ち回り全て噛み合ったおかげで苦戦することもなく……とは、行かなかった。
錆びついたのか劣化したのかは分からないが、とにかく発射不良のおかげもあってその隙を付いて射撃格闘を入れることが出来たのが勝因。それでも接近戦対策をしていないわけじゃないので、そこで多少てこずって、そこそこきつかったって言う話。
「肝心のガウェインは、やらしくずっと見てやがって」
「心外ですね、お楽しみの邪魔をしなかった、と言うだけですよ」
紳士的なのか、挑発的なのか、どっちでも良いわけだけど。
「楽しみにしてたんですよ、こういう大きい舞台で、最終決戦をあなたとやるのを」
まー、なんだかんだでぶつかる機会も多かったし、こういう事があるってのもわかるだが、それにしてもそんなに求めるってどうなんだ?
「事あるごとに目立ち、成績を残して……ずっとあなたに負けてきた、それが一番」
「一番?」
「私の中で一番許せない事なのですよ」
そう言うとアイテムメニューを開いてぽちぽちと何かをしているので、それを見ながら煙草を吹かして一服する。こういう時に不意打ちをかましたりするのは無粋で空気の読めない奴よ。しかもさっきは向こうがやってきたんだからそれを返すってだけの話。
「今まで苦労してやってきことを、ぽっとでの人に覆されるなんて屈辱的なのでしょう」
「そういうもんだろ、ゲームって」
「いいや、これは私のプライドの話です」
言おうとしている事はよくわかる。私だって後から来た奴にでかい顔されて上に行かれたらあまりいい気分ではない。が、狙い撃ちされてやれた場合に限る。イベントなりでトップになるのは実力もそうだけど、運やら状況にもよる。
「いつもいい所で着て、良い感じに消えていくあなたが……最高に憎たらしいんですよ」
アイテムメニューを消し、自分の防具を何個か外すと、剣盾、オーソドックスな鎧一つの姿に。いるものフルプレートじゃないのが何となく嫌な予感もする。
「私はまー、どこ行っても憎たらしく思われるらしいし?」
煙草を吹かし、ぷあっと紫煙を燻らせながら自分の装備を確認する。ガンベルトにマガジンを入れ直し、ばら銃弾も差し込む。その上で邪魔になるであろう上着を脱ぎ、いつもの加圧シャツにパンツスーツは下だけ履いた状態になって軽装化。
「そしてようやくどういう人なのかを理解しました、勝つためには手段も方法も使えるもの全てを使って、妥協しない、そういう人だと」
「ようやくわかったのか」
「だから自分もそういう事をしようかと」
とんとん軽くジャンプして具合を確かめているガウェインの奴を見てからゆっくり立ち上がって、残った煙草を吸い切ってからぷっと吐き捨てる。
「それじゃあ、やるか」
「ええ、思う存分」
2人見合った状態で構え、呼吸を整えて、タイミングを計る。
さっきアイツが弄ってたの、ステータスを振り直してVit極をやめているはず。私の速度に対抗するのと、装備できるぎりぎりのステータスにしているってのを考えれば……いい勝負ってか私が不利だな。
そう思っていると、盾を前にしたオーソドックスな動きでこっちに突っ込んでくるのでこちらも駆け出して射撃で出鼻を挫く様にする。当たり前だが盾の使い方が上手いので直撃することもなく、しっかり防いだ状態で一気に間合いに。
「しっ……!」
いつも通り、横一閃を振るってくるのを銃で受け、金属音を鳴らした後に、振ってきた勢いを抑えてから反撃射撃。と行きたかったが、斬り返しの速度が上がっているのでさっきと同じように銃で受けてを3度程繰り返す。
「回転上がってるな」
Str的な差もあるし、そもそも銃で受けるのってあんまりよろしくない。3度目を受けた時に持っていた銃を弾かれ飛ばされるので、すぐさまガンシールドと拳銃のスタイルに切り替える。
剣戟のラッシュ、ステータスを振り直すだけで此処まで回転が良くなるなら最初からこうしていろと思うが、主義じゃないだろう。私だってそうだし。ガンシールドで剣を受け、斬り返しの瞬間を狙い、地面に射撃。跳弾で下からの射撃を無理な体勢で盾で受けてくれるので、そのままこっちの攻勢に。
「そういう手は好きじゃないですね」
「殴ればいいだけのお前とちげーんだよ」
銃弾を受け、拳銃での打撃を防いでくる間に射撃を入れてを返し合いながら強めの一撃をぶつけあい、鍔迫り合い。
「ほんと、やりにくいわ」
「こっちのセリフです、よ!」
一旦お互い距離を取って駆け出して、それぞれの攻撃を繰り出す。その瞬間剣と銃が上に弾き飛ぶ。
して、咄嗟にお互い武器を取ってからまた距離を取り仕切り直す。
「おっも……!」
咄嗟に取った武器、って言うかガウェインの剣。ショートソードで使い勝手は良い感じなんだろうけど、私の手には馴染まない。
「こんな扱いにくい武器を……」
向こうは向こうで私の銃を持って馴染まないような手つきでこっちを狙ってくる。もうちょっとこいつとの殴り合いは続きそうだな。
ガシャっとマガジンを落として新しいのに入れ替えつつ、ポリゴン状に消えるアオメを見てから煙草を咥えて火を付ける。ステータス、スキル、立ち回り全て噛み合ったおかげで苦戦することもなく……とは、行かなかった。
錆びついたのか劣化したのかは分からないが、とにかく発射不良のおかげもあってその隙を付いて射撃格闘を入れることが出来たのが勝因。それでも接近戦対策をしていないわけじゃないので、そこで多少てこずって、そこそこきつかったって言う話。
「肝心のガウェインは、やらしくずっと見てやがって」
「心外ですね、お楽しみの邪魔をしなかった、と言うだけですよ」
紳士的なのか、挑発的なのか、どっちでも良いわけだけど。
「楽しみにしてたんですよ、こういう大きい舞台で、最終決戦をあなたとやるのを」
まー、なんだかんだでぶつかる機会も多かったし、こういう事があるってのもわかるだが、それにしてもそんなに求めるってどうなんだ?
「事あるごとに目立ち、成績を残して……ずっとあなたに負けてきた、それが一番」
「一番?」
「私の中で一番許せない事なのですよ」
そう言うとアイテムメニューを開いてぽちぽちと何かをしているので、それを見ながら煙草を吹かして一服する。こういう時に不意打ちをかましたりするのは無粋で空気の読めない奴よ。しかもさっきは向こうがやってきたんだからそれを返すってだけの話。
「今まで苦労してやってきことを、ぽっとでの人に覆されるなんて屈辱的なのでしょう」
「そういうもんだろ、ゲームって」
「いいや、これは私のプライドの話です」
言おうとしている事はよくわかる。私だって後から来た奴にでかい顔されて上に行かれたらあまりいい気分ではない。が、狙い撃ちされてやれた場合に限る。イベントなりでトップになるのは実力もそうだけど、運やら状況にもよる。
「いつもいい所で着て、良い感じに消えていくあなたが……最高に憎たらしいんですよ」
アイテムメニューを消し、自分の防具を何個か外すと、剣盾、オーソドックスな鎧一つの姿に。いるものフルプレートじゃないのが何となく嫌な予感もする。
「私はまー、どこ行っても憎たらしく思われるらしいし?」
煙草を吹かし、ぷあっと紫煙を燻らせながら自分の装備を確認する。ガンベルトにマガジンを入れ直し、ばら銃弾も差し込む。その上で邪魔になるであろう上着を脱ぎ、いつもの加圧シャツにパンツスーツは下だけ履いた状態になって軽装化。
「そしてようやくどういう人なのかを理解しました、勝つためには手段も方法も使えるもの全てを使って、妥協しない、そういう人だと」
「ようやくわかったのか」
「だから自分もそういう事をしようかと」
とんとん軽くジャンプして具合を確かめているガウェインの奴を見てからゆっくり立ち上がって、残った煙草を吸い切ってからぷっと吐き捨てる。
「それじゃあ、やるか」
「ええ、思う存分」
2人見合った状態で構え、呼吸を整えて、タイミングを計る。
さっきアイツが弄ってたの、ステータスを振り直してVit極をやめているはず。私の速度に対抗するのと、装備できるぎりぎりのステータスにしているってのを考えれば……いい勝負ってか私が不利だな。
そう思っていると、盾を前にしたオーソドックスな動きでこっちに突っ込んでくるのでこちらも駆け出して射撃で出鼻を挫く様にする。当たり前だが盾の使い方が上手いので直撃することもなく、しっかり防いだ状態で一気に間合いに。
「しっ……!」
いつも通り、横一閃を振るってくるのを銃で受け、金属音を鳴らした後に、振ってきた勢いを抑えてから反撃射撃。と行きたかったが、斬り返しの速度が上がっているのでさっきと同じように銃で受けてを3度程繰り返す。
「回転上がってるな」
Str的な差もあるし、そもそも銃で受けるのってあんまりよろしくない。3度目を受けた時に持っていた銃を弾かれ飛ばされるので、すぐさまガンシールドと拳銃のスタイルに切り替える。
剣戟のラッシュ、ステータスを振り直すだけで此処まで回転が良くなるなら最初からこうしていろと思うが、主義じゃないだろう。私だってそうだし。ガンシールドで剣を受け、斬り返しの瞬間を狙い、地面に射撃。跳弾で下からの射撃を無理な体勢で盾で受けてくれるので、そのままこっちの攻勢に。
「そういう手は好きじゃないですね」
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銃弾を受け、拳銃での打撃を防いでくる間に射撃を入れてを返し合いながら強めの一撃をぶつけあい、鍔迫り合い。
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「こっちのセリフです、よ!」
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