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9 ノア視点
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伯爵家を継ぐために結ばれた婚約だった。しかし、俺はソフィア嬢を見て雷に打たれたような衝撃を感じた。一目で恋に落ちたんだ。
アルマ様に手を引かれたソフィアは恥ずかしそうにしながらも、大きな瞳でこちらを見る姿に俺は囚われた。アルマ様は傾国の美女と謳われる程の綺麗な人だった。
ソフィア嬢もとても可愛くて将来美人となるだろうことは幼い俺でもわかった。
ソフィア嬢と会う事が出来る週一度のお茶会は毎回楽しくて、もっと会いたいと父にせがんだほどだ。
アルマ様が亡くなると、すぐにミリアはハンナと共に伯爵家にやってきた。ミリアは人懐っこくて可愛いが、教養は全くなかった。勉強している様子も見られない。
伯爵家の養女となってからすぐに母親に連れられて舞踏会へ参加したそうだが、親娘共に評判は悪く、母親の方はすっかり公の場に出ることは無くなった。
しかし、ミリアは全く気にしていなかった。むしろ着飾った貴族たちを見て自分も仲間に加わったのだと大喜びだった。煌びやかな世界に心を奪われていて厳しい世界だということに全く気づいていない。
ミリアは舞踏会の余波のせいか学院へ入学してから令嬢たちとは行動を共にせず、子息達と一緒にいる姿を見かけるようになった。
令嬢や令息の婚約者達はミリアに直接注意をしていたようだが、一向に気にしないミリアに嫌悪し、なんとかしてもらおうと令嬢達はソフィアに注意するように詰め寄る姿もあった。
ソフィアは度々ミリアを注意していた。普通は注意されれば、注意を聞き従うか、反発してソフィアに近づく事はしないと思うのだが、ミリアはソフィアに近づくばかりだった。
芯が強いのか何も考えていないだけなのか。
そして俺とソフィアとのお茶会にも必ず参加してくる。注意をしても気にも止めていない。潤んだ目で俺を見る姿は小犬のようだ。
ソフィアとのお茶会に無理矢理参加するようになったミリアは、何かと俺に話しかけてくる。ソフィアの義妹だし、邪険にはできないと思った。
日が経つうちにソフィアを好きな自分がいるのに俺に全身で好意を向けてくるミリアを少しずつだが可愛いと思い始めている自分にも気づいた。
そんなある日、ソフィアにプレゼントを渡そうと持っていたのだが、ミリアは目敏く見つけ、ミリアは喜んで開けてしまった。
目を輝かせて喜ぶ姿を見て俺は何も言えなくなった。その後もソフィアにプレゼントを渡そうとするが、ミリアが泣いたり、頬を膨らませて怒ったりして渡す機会がない。
ソフィアはミリアの行動に嫌気がさしたようで早々に退席してしまう事が増えていき、上手くいかない。
そんな事が続くと段々にソフィアと俺の距離が開いていくような気はしていた。
けれど、学院を卒業後すぐに俺達は結婚するのだからと特段気にする事はなく、婚約者のいないミリアの話し相手となり、学院や伯爵家でミリアと会う事が増えていく。
ミリアがソフィアと一緒に街へ出かけるから一緒に行こうと誘いが来た。
ソフィアと街へ出かけられる喜びに俺はもちろんすぐに返事をした。
翌日、俺はソフィアに確認を取りに急いで魔法科へ向かった。中庭で久々に二人きりの昼食で嬉しくてドキドキしていたんだ。
「義妹の名を呼ぶほど、仲が良いのですね。妬けてしまいますね。ノア様の婚約者は、私、なのに。仲の良い二人の間に入るように私が行ってどうしろと言うの? このまま二人の仲を取り持って欲しいとでも?」
「あ、いやっ、違うんだ。ミリアから三人で行こうと誘ってきたんだ」
「私を通さずに連絡を取り合うほどの仲の良さ……。私は必要ですか?」
ソフィア嬢に言われて俺はハッとした。
ずっと彼女を傷つけていたんだ。何も言わないソフィア嬢に俺は甘えていた。
「……ソフィア嬢、すまない」
「何の謝罪かは分かりませんが。でも……言うとすれば、もう、いいのです。ノア様にとっての私はそれだけの存在でしか無いのでしょう」
何もかも諦めたような、俺を避けているようなソフィア嬢の様子を見て胸が苦しくなった。
「そんなっ、そんなことはない!」
俺はソフィア嬢しかいないんだ。
「いつも婚約者をそっちのけで義妹に贈り物をし、お茶を飲み、語り合っているわ。
今度は私に義妹との逢い引きの手伝いをさせようとしているのね。……二人して私を馬鹿にしているのかしら。私は、もう、構いません。どうぞ、ミリアと好きなだけ過ごせばいいわ」
そう言い残し、目も合わせる事なくソフィア嬢は去っていった。
その後、ソフィア嬢の事を考えミリアと街へ行く事を取りやめにしたが、ミリアからソフィアにプレゼントを買いたいと父に相談した所、俺と一緒に行くようにと言われた、と魔法郵便で手紙が来た。
仕方がないと街へ一緒に出かける事になったが、出かけてみると、ただのデートではないか。俺は憤りを感じ、途中でミリアを屋敷へ帰した。
が、既に遅かった。
外堀はいつの間にか埋められており、婚約者がミリアとなった。
ミリアなんか放っておいてもっとソフィアとの二人の時間を大事にしておけばよかったんだ。
俺は結婚するからと胡坐をかきすぎていた。ソフィアを傷つけることばかりしていた。
後悔しかない。
アルマ様に手を引かれたソフィアは恥ずかしそうにしながらも、大きな瞳でこちらを見る姿に俺は囚われた。アルマ様は傾国の美女と謳われる程の綺麗な人だった。
ソフィア嬢もとても可愛くて将来美人となるだろうことは幼い俺でもわかった。
ソフィア嬢と会う事が出来る週一度のお茶会は毎回楽しくて、もっと会いたいと父にせがんだほどだ。
アルマ様が亡くなると、すぐにミリアはハンナと共に伯爵家にやってきた。ミリアは人懐っこくて可愛いが、教養は全くなかった。勉強している様子も見られない。
伯爵家の養女となってからすぐに母親に連れられて舞踏会へ参加したそうだが、親娘共に評判は悪く、母親の方はすっかり公の場に出ることは無くなった。
しかし、ミリアは全く気にしていなかった。むしろ着飾った貴族たちを見て自分も仲間に加わったのだと大喜びだった。煌びやかな世界に心を奪われていて厳しい世界だということに全く気づいていない。
ミリアは舞踏会の余波のせいか学院へ入学してから令嬢たちとは行動を共にせず、子息達と一緒にいる姿を見かけるようになった。
令嬢や令息の婚約者達はミリアに直接注意をしていたようだが、一向に気にしないミリアに嫌悪し、なんとかしてもらおうと令嬢達はソフィアに注意するように詰め寄る姿もあった。
ソフィアは度々ミリアを注意していた。普通は注意されれば、注意を聞き従うか、反発してソフィアに近づく事はしないと思うのだが、ミリアはソフィアに近づくばかりだった。
芯が強いのか何も考えていないだけなのか。
そして俺とソフィアとのお茶会にも必ず参加してくる。注意をしても気にも止めていない。潤んだ目で俺を見る姿は小犬のようだ。
ソフィアとのお茶会に無理矢理参加するようになったミリアは、何かと俺に話しかけてくる。ソフィアの義妹だし、邪険にはできないと思った。
日が経つうちにソフィアを好きな自分がいるのに俺に全身で好意を向けてくるミリアを少しずつだが可愛いと思い始めている自分にも気づいた。
そんなある日、ソフィアにプレゼントを渡そうと持っていたのだが、ミリアは目敏く見つけ、ミリアは喜んで開けてしまった。
目を輝かせて喜ぶ姿を見て俺は何も言えなくなった。その後もソフィアにプレゼントを渡そうとするが、ミリアが泣いたり、頬を膨らませて怒ったりして渡す機会がない。
ソフィアはミリアの行動に嫌気がさしたようで早々に退席してしまう事が増えていき、上手くいかない。
そんな事が続くと段々にソフィアと俺の距離が開いていくような気はしていた。
けれど、学院を卒業後すぐに俺達は結婚するのだからと特段気にする事はなく、婚約者のいないミリアの話し相手となり、学院や伯爵家でミリアと会う事が増えていく。
ミリアがソフィアと一緒に街へ出かけるから一緒に行こうと誘いが来た。
ソフィアと街へ出かけられる喜びに俺はもちろんすぐに返事をした。
翌日、俺はソフィアに確認を取りに急いで魔法科へ向かった。中庭で久々に二人きりの昼食で嬉しくてドキドキしていたんだ。
「義妹の名を呼ぶほど、仲が良いのですね。妬けてしまいますね。ノア様の婚約者は、私、なのに。仲の良い二人の間に入るように私が行ってどうしろと言うの? このまま二人の仲を取り持って欲しいとでも?」
「あ、いやっ、違うんだ。ミリアから三人で行こうと誘ってきたんだ」
「私を通さずに連絡を取り合うほどの仲の良さ……。私は必要ですか?」
ソフィア嬢に言われて俺はハッとした。
ずっと彼女を傷つけていたんだ。何も言わないソフィア嬢に俺は甘えていた。
「……ソフィア嬢、すまない」
「何の謝罪かは分かりませんが。でも……言うとすれば、もう、いいのです。ノア様にとっての私はそれだけの存在でしか無いのでしょう」
何もかも諦めたような、俺を避けているようなソフィア嬢の様子を見て胸が苦しくなった。
「そんなっ、そんなことはない!」
俺はソフィア嬢しかいないんだ。
「いつも婚約者をそっちのけで義妹に贈り物をし、お茶を飲み、語り合っているわ。
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そう言い残し、目も合わせる事なくソフィア嬢は去っていった。
その後、ソフィア嬢の事を考えミリアと街へ行く事を取りやめにしたが、ミリアからソフィアにプレゼントを買いたいと父に相談した所、俺と一緒に行くようにと言われた、と魔法郵便で手紙が来た。
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後悔しかない。
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