魔法使いとして頑張りますわ!

まるねこ

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 さて、本日は二年生最後の試験。

 今回は家の事だったり、婚約者の事だったり、引っ越しもあり、勉強不足が否めないけれど、何とか書けた。

 この試験後から本格的に魔法の実技に入り、魔獣の討伐もある。どんな魔法を覚えて使うのかしら。実技が楽しみだわ。


 新しい邸に帰ってからも欠かさず夕食まで勉強をし、夕食は家族の誰かと一緒に食事を取る。

 養女となってからお兄様たちと対面した時はお互いにぎこちない感じだったけれど、お兄様たちは昔と変わらず私に優しく接してくれたの。

 魔法使いは数が少ないためとても忙しい。王宮にずっと泊まり込みだったお兄様たちは私を気にしてくれているようで仕事が終わると邸に帰宅するようになった。

 お兄様たちが早めに邸に戻る時には必ずサロンでお茶をして魔法談議になり、私はつい楽しくて色々な質問をしてしまうの。

 話す内容が面白くてノートを持ち込んでしまう時もある。

 そんな私をお兄様たちは優しく笑いながらも見守ってくれていて、気恥ずかしくもあるけれど嬉しいわ。



 そして試験の三日後には結果が発表された。

「今回の試験は難しかったわ。モニカ様、リナ様、試験は如何でしたか?」
「全然駄目でした。親になんと言われるやら」
「リナ様も? 私も難しくて今回は順位を落としそう。そうそう! 試験後から本格的に魔法の実技が入るって聞きました? 私、今から楽しくて仕方がないの」

「モニカ様、それは楽しみね。ソフィア様は邸の庭で練習するの?」
「魔法は夜、本を読むのにライトを使う程度なんです。幼い頃に伯爵邸で魔法の練習をしたのですが、魔力を上手く扱えずに危うく邸を燃やしかけたの。それ以降はライト以外使っていないかな。今はお父様達と一緒なら邸で練習しようかしら」
「ふふっ。ソフィア様も失敗するのね」

 私達は早くも試験の事を忘れて、魔法実技の話をしながら試験の結果発表を見に行った。


 職員室前に張り出された結果を見てホッと一息を吐いた。

 私なんとか一位を死守できたわ。モニカ様も五位。リナ様も七位と三人とも良い成績を残せた。三人で喜び合っていると、後ろの方で声が聞こえてきた。

 ……嫌な予感しかない。

「ノア様! 見て! 私百二十位になりましたわ!」

 モニカ様とリナ様と目が合い、頷き合うと無言のまま、踵を返し教室へ向かう。みんなミリアに関わりたくないのだ。

 潮が引くように去っていく人波に紛れ……込めなかった。

「お姉様! お姉様ったら!!!」

 チッ。危うく舌打ちしそうになったわ。仕方がない、モニカ様達に先に戻るように伝えて、私は立ち止まり、振り返る。

「何度言えば分かるの? ミリア・グリーン伯爵令嬢様。もう貴女の姉ではありません。花畑の妖精は相変わらずね」
「私、お姉様が居なくなって心配しているんですからっ! 今ならお父様も許してくれるし、早く帰ってきて!」

「……本当に頭に花畑が広がっているのね。一つ忠告しておくわ。グリーン伯爵令嬢様、礼儀は大切です。無い頭でよく考えなさいね。では、失礼」

 ミリアは何か騒いでいるけれど、無視でいいだろう。いくら父がミリアを大事にしていても彼女が伯爵家の信頼を失墜させていくのなら父は伯爵家を存続させるために動く。

 残念ながら今のミリアでは伯爵夫人は務まらないと考えられるわね。

 父方の親戚には確か魔法が使えて優秀な次男がいた。
 彼を養子として迎えることになるだろう。
 そうすると、ミリアはどうなるかしら。
 まぁ、私にはもう関係ないことよね。

 クラスへ戻るとやはり、二人はミリアの事で私を心配していた。

 さて、ミリアの事はさっさと忘れた方がいい。

 今日は急いで帰宅し、お父様に報告をしなければ、ね。



「お父様。ソフィア、ただいま戻りました」

 執事が扉を開け、私は執務室に入った。初めて入るお父様の執務室は図書室を連想してしまうほど沢山の本があり、見ているだけで興奮が止まらないわ。いけない、報告が先ね。

「ソフィア、おかえり。どうしたんだ? 何か良いことでもあったのか?」

 カインお父様は執務の手を止めて頬笑んでいる。

「お父様。今日、学院の試験結果が出ました。魔法科で一位をとりました。総合もギリギリですが、一位を取れました」
「なんて素晴らしい娘なんだ。我が家の自慢だ!!」

 父は笑顔で抱きしめて褒めてくれた。私はまた嬉しくて涙が出てしまった。だってこんなに褒められたのは母が亡くなってから本当に無かったもの。

「あの、お父様、お願いがあるのです」
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