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25 オリヴェタン先代 ゼーロン視点
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『ゼーロン殿、話があるので王宮へ今すぐ来てほしい』
クリフォード王からの魔法郵便が送られてきた。
……どうせ今回も厄介事なのだろう。
せっかく孫のソフィアを可愛がる時間を持てたというのに邪魔しおって。私は不満に思いながら王宮のクリフォード王の元へと急いだ。
クリフォード王とはなんだかんだと長い付き合いだ。
彼と知り合って既に七十数年になる。私は幼い頃に友達兼側近として長年仕えてきた。侯爵という地位には息子も孫もでき、次代に引き継ぐため隠居をしてもう数年になるだろうか。
最近のクリフォード王は諫める者がおらず、度々暴走する姿がみられる。
いつか首を取られる日もそう遠くないかもしれんな。
一線を退いた今でもクリフォード王からは仕事を頼まれることがあるのだが、問題ばかり持ち込んでくる。
今回はどんな厄介事を頼まれるのだろうか?
私は王宮へとすぐに向かった。
「ゼーロン様、どうぞこちらへ」
従者に案内され、クリフォードの執務室へと入っていく。
「ゼーロン、待っていた」
「クリフォード、どうしたんだ?」
不満そうに答えると、クリフォード王は顔色を変えることなく話をしようとしている。
「少し厄介事なんだが……」
「なら他を当たる方がいいな。俺は孫を可愛がる時間が減って苛立っているんだぞ?」
「ククッ。養女に迎えたソフィア嬢はアルマ嬢にそっくりだな。だが、ソフィア嬢にも関係する話なんだ。断るはずはないよな?」
ソフィアに関わること?
どういうことだ。
私はソフィアの名が出たことに驚き、机に手を突いた。
「そうムキになるなよ。もうすぐロダン・ハネス公爵もここに来る。まあ、そこに座ってお茶でも飲もう」
クリフォード王はそう言いながら執事にお茶を淹れるように指示している。
しばらくすると、ロダンがやってきた。
「陛下、お呼びでしょうか? おや、ゼーロン殿も。私たちが呼ばれたのはソフィアに何かあったのですか?」
ロダンは私がいることに嫌な予感を覚えたようで眉を顰めている。
「ハネス公爵、待っていた。鋭いな。まあ、まず話をするからゼーロンの隣に座ってくれ」
「で、話は何だ?」
「二人を呼び出した理由なんだが、ソフィアの実父、グリーン伯爵についてだ。先ほど彼から魔法薬を飲まされていたようだと報告があった。ゼーロンには魔法薬の調査とグリーン伯爵の治療に当たってほしいのだ。夫人が平民だったころに薬を入手したのではないかと疑っている」
「魔法薬? どういうことだ?」
「グリーン伯爵が養女に迎えた平民の娘が先日ソフィア嬢の髪を切ったのは知っているだろう?
伯爵は養女に何故そんなことをしたのかと叱り、後継者から外し、他へ嫁がせると言った時、養女は破れかぶれなのか母が何かを伯爵にしたのだと話をしたみたいだぞ」
「何か? 薬か? もしかして……」
よくわからないという顔をしていたロダンもここにきて薬という言葉とその種類が推測できたようだ。
きっと惚れ薬と言われている類の魔法薬なのだろう。だが、本物の魔法薬はとても強力でグリーン伯爵が飲んでいたのならハンナと離縁なんてとても考えにはならない。
ハンナ以外を目に入れないし、仕事も放置してずっとハンナの側に居るはずだ。
だが、ハンナが伯爵夫人になってもそこまで執着しているようには見えなかった。
ということは、薬自体を薄めたような物か、模倣品なのかもしれない。
「考えていることで合っているだろうな」
「だが、魔法薬なんてほぼこの国以外の周辺の国々でも長年禁止されているし、製造方法は各国の王族か、それに準ずる者しか知識はないはずだぞ?」
「それが、少し前なんだが、隣国で紛争が起こっていただろう? どうやらその時に宝物庫が襲撃された。襲撃自体は阻止できたが、一部持ち去られた物があったらしいんだ」
「それが魔法薬だったということか?」
「その可能性は否定できない。問い合わせているところだ」
ロダンは怒り心頭だ。
それもそうだろう。溺愛する娘は病気で亡くなったとはいえ、平民女のために蔑ろにされ、ソフィアも決して良い環境ではなかったのだ。俺だって許すことなど出来ない。
「クリフォード王、ハンナを許すことは出来ない。ミリア共々すぐに捕まえて牢に送ってくれ」
ロダンは怒りを現わし、死刑にしろと言うが、クリフォードはニヤリと笑い口を開いた。
「まあ待て。捕まえてしまえば死刑しかない。良い方法があるぞ?」
クリフォード王のことだ、普段から後ろ暗い処理はお手の物なのだろう。
クリフォード王からの魔法郵便が送られてきた。
……どうせ今回も厄介事なのだろう。
せっかく孫のソフィアを可愛がる時間を持てたというのに邪魔しおって。私は不満に思いながら王宮のクリフォード王の元へと急いだ。
クリフォード王とはなんだかんだと長い付き合いだ。
彼と知り合って既に七十数年になる。私は幼い頃に友達兼側近として長年仕えてきた。侯爵という地位には息子も孫もでき、次代に引き継ぐため隠居をしてもう数年になるだろうか。
最近のクリフォード王は諫める者がおらず、度々暴走する姿がみられる。
いつか首を取られる日もそう遠くないかもしれんな。
一線を退いた今でもクリフォード王からは仕事を頼まれることがあるのだが、問題ばかり持ち込んでくる。
今回はどんな厄介事を頼まれるのだろうか?
私は王宮へとすぐに向かった。
「ゼーロン様、どうぞこちらへ」
従者に案内され、クリフォードの執務室へと入っていく。
「ゼーロン、待っていた」
「クリフォード、どうしたんだ?」
不満そうに答えると、クリフォード王は顔色を変えることなく話をしようとしている。
「少し厄介事なんだが……」
「なら他を当たる方がいいな。俺は孫を可愛がる時間が減って苛立っているんだぞ?」
「ククッ。養女に迎えたソフィア嬢はアルマ嬢にそっくりだな。だが、ソフィア嬢にも関係する話なんだ。断るはずはないよな?」
ソフィアに関わること?
どういうことだ。
私はソフィアの名が出たことに驚き、机に手を突いた。
「そうムキになるなよ。もうすぐロダン・ハネス公爵もここに来る。まあ、そこに座ってお茶でも飲もう」
クリフォード王はそう言いながら執事にお茶を淹れるように指示している。
しばらくすると、ロダンがやってきた。
「陛下、お呼びでしょうか? おや、ゼーロン殿も。私たちが呼ばれたのはソフィアに何かあったのですか?」
ロダンは私がいることに嫌な予感を覚えたようで眉を顰めている。
「ハネス公爵、待っていた。鋭いな。まあ、まず話をするからゼーロンの隣に座ってくれ」
「で、話は何だ?」
「二人を呼び出した理由なんだが、ソフィアの実父、グリーン伯爵についてだ。先ほど彼から魔法薬を飲まされていたようだと報告があった。ゼーロンには魔法薬の調査とグリーン伯爵の治療に当たってほしいのだ。夫人が平民だったころに薬を入手したのではないかと疑っている」
「魔法薬? どういうことだ?」
「グリーン伯爵が養女に迎えた平民の娘が先日ソフィア嬢の髪を切ったのは知っているだろう?
伯爵は養女に何故そんなことをしたのかと叱り、後継者から外し、他へ嫁がせると言った時、養女は破れかぶれなのか母が何かを伯爵にしたのだと話をしたみたいだぞ」
「何か? 薬か? もしかして……」
よくわからないという顔をしていたロダンもここにきて薬という言葉とその種類が推測できたようだ。
きっと惚れ薬と言われている類の魔法薬なのだろう。だが、本物の魔法薬はとても強力でグリーン伯爵が飲んでいたのならハンナと離縁なんてとても考えにはならない。
ハンナ以外を目に入れないし、仕事も放置してずっとハンナの側に居るはずだ。
だが、ハンナが伯爵夫人になってもそこまで執着しているようには見えなかった。
ということは、薬自体を薄めたような物か、模倣品なのかもしれない。
「考えていることで合っているだろうな」
「だが、魔法薬なんてほぼこの国以外の周辺の国々でも長年禁止されているし、製造方法は各国の王族か、それに準ずる者しか知識はないはずだぞ?」
「それが、少し前なんだが、隣国で紛争が起こっていただろう? どうやらその時に宝物庫が襲撃された。襲撃自体は阻止できたが、一部持ち去られた物があったらしいんだ」
「それが魔法薬だったということか?」
「その可能性は否定できない。問い合わせているところだ」
ロダンは怒り心頭だ。
それもそうだろう。溺愛する娘は病気で亡くなったとはいえ、平民女のために蔑ろにされ、ソフィアも決して良い環境ではなかったのだ。俺だって許すことなど出来ない。
「クリフォード王、ハンナを許すことは出来ない。ミリア共々すぐに捕まえて牢に送ってくれ」
ロダンは怒りを現わし、死刑にしろと言うが、クリフォードはニヤリと笑い口を開いた。
「まあ待て。捕まえてしまえば死刑しかない。良い方法があるぞ?」
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