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「だが、国の命令やソフィアの持つ魔力の状況により、ソフィアは夫が増える可能性も否定できない。その場合、テオが選ばれる可能性も高い。ソフィア、そのことは念頭に置いていてほしい」
「重婚、ということですか?」
「本来なら王族のみ多数の婚姻が認められているのだが、貴族の魔力を支える魔法使いである我が家は血族を絶やさないための措置だというのを知っているだろう? 特殊な魔法や技能を持つ一族は皆、そうなっている。中には兄妹婚の一族もいるからね」
国は魔力持ちを減らさないようにするための政策を取っている。
この世界に魔物が発生する以上、魔力を持たない騎士だけでは強い魔物を討伐しきれず人類が大幅に減少してしまう可能性があるからだ。
確か魔力持ちの貴族は子供を三人以上儲けることが推奨されていたはずだ。
オリヴェタン侯爵家は私を含めて親戚が多いのもそのためだ。先祖返りした豊富な魔力を持つ私は産む機械として国から命令されるのは目に見えている。
実父はそうならないために幼少期から婚約者を決めて私を守ってくれていたのだと思う。
カインお父様も私のために動いてくれている。
重婚に拒否感はあるけれど、この家に養女として来たからには仕方がないことだとも言える。重婚しないためには三人以上産むことが必要なのだ。
「ソフィアはとりあえず、無事に卒業する事が当面の目標だな。憧れていた王宮勤めも二百年はする予定なのか? ほんの数年出産で休んでも、一流の魔法使いとして長年が活躍出来そうだな」
「もうっ、おじい様。私、二百年も働きたく無いです。でも、祖先達は三百歳でも元気だったそうですから私はどうなるのでしょうね」
「それと、ソフィアは原始魔法が使えるのなら後でわしの部屋に来てくれ。レオンと始祖研究をしているんだ」
「分かりました。おじい様達の研究に是非とも協力させて下さい」
ダンジョン反省会が原始魔法のことになってしまったけれど、濃い家族会議だった。まさかレオンお兄様と婚約するとは思わなかった。
レオンお兄様もテオお兄様も格好良くて、頭も魔法使いとしての実力もあって御令嬢に大人気だ。
学生の私でも王宮魔法使いの活躍は耳にしているし、令嬢達の噂話も聞こえてくる。私も早くお兄様達のような魔法使いになれるように頑張らねば。
サロンでのお茶会が解散となってから、私は肩にラファルを乗せたままおじい様のお部屋に向かった。
「おじい様、ソフィアが参りました」
「入っておくれ」
おじい様の研究室にはいると見た事もない器具と本が沢山あった。なんだか見ているだけでワクワクしてしまう。
部屋の中央に置かれたソファに座るとラファルは走っておばあ様の膝に乗り、甘えている。ラファルの可愛いさにおばあ様もやられたに違いない。
後からレオンお兄様もお部屋に来た。
「ソフィア。この間、カイン達にお菓子を作って届けたそうだな。それを食べたカイン達は魔力が回復したと聞いた。
私やカインはソフィアと遠いながらも血が繋がっているから魔力の交換は出来ると聞いているな? 問題は魔力の質が違う他の魔法使い達も同様の事が起こったという話だ。
これはまだ気づいたという段階だ。突然魔力が必要になった時にソフィアが邸に居るとは限らんからこの魔石に魔力を込めて欲しい。
今日は魔力が底を突いただろうから明日以降にでも頼む」
「分かりました」
そう言って五個の魔石を受け取り、思い出したことをおじい様に話す。
「おじい様、他人に魔石を使って魔力を渡すという話しですが、学院の討伐の時に魔石を魔法使いは魔法を入れて渡すというものがあったのを覚えていますか?」
「ああ、ゴブリンの魔石をダンジョンに狩りに行ったときに言っていたな」
「ええ、あれで一つは身体強化の魔法を入れて渡し、もう一人には私の純粋な魔力が入ったものを渡しました」
「そうなのか? その魔石は問題なく機能していたのか?」
「……多分ですが。ルイ・オーカー様は問題なく使っていたと思います」
「そうか。あとでルイ君に聞いてみるか」
魔法剣を教えたのはお兄様なのでルイ様に直接見せてもらっても問題なさそうな気がする。
「レオン。お前はさっき、ソフィアが使った癒やしの魔法で癒された使用人達の聞き取りを頼むぞ」
「わかりました」
「そういえば、レオンお兄様。もうすぐ学院の卒業パーティーがあるのですが、パートナーはどうすれば良いですか?」
「そうだね。ソフィアの卒業パーティーは大事にしないとね。私か、テオがエスコートするように仕事を調整しておくからソフィアは心配しなくていい」
「はい」
学院は例年卒業式を終えた後、卒業生と保護者だけで開催される卒業パーティが開かれている。
卒業したら殆どの貴族令嬢たちは婚姻する。平民は王宮や貴族に就職する人も多く、学生のような振舞いができるのもこれで最後ということもあり、みんなが着飾り、パートナーと共に卒業を祝うのだ。
私にとっても王宮魔法使いとして働くことが決まっているため、友人達とゆっくりお茶をする日はもうないと思う。
それに新たな婚約者のお披露目の場ともなるため、卒業パーティはとても楽しみと思うと同時に緊張もあるわ。
さて、魔石も預かって部屋に戻るとサラが興奮気味に話してきた。
サラの話では部屋の外にいた使用人達が光ったと思ったら、皆が口を揃えて長年の腰の痛みや肩の痛み、手荒れが消えたと言っていたみたい。
凄い効果なのね。ふふっ。本当に聖女と名乗れるかもしれないわね。
さて、明日からは学院ね。
卒業まで残り僅かだし、楽しまないとね。
「重婚、ということですか?」
「本来なら王族のみ多数の婚姻が認められているのだが、貴族の魔力を支える魔法使いである我が家は血族を絶やさないための措置だというのを知っているだろう? 特殊な魔法や技能を持つ一族は皆、そうなっている。中には兄妹婚の一族もいるからね」
国は魔力持ちを減らさないようにするための政策を取っている。
この世界に魔物が発生する以上、魔力を持たない騎士だけでは強い魔物を討伐しきれず人類が大幅に減少してしまう可能性があるからだ。
確か魔力持ちの貴族は子供を三人以上儲けることが推奨されていたはずだ。
オリヴェタン侯爵家は私を含めて親戚が多いのもそのためだ。先祖返りした豊富な魔力を持つ私は産む機械として国から命令されるのは目に見えている。
実父はそうならないために幼少期から婚約者を決めて私を守ってくれていたのだと思う。
カインお父様も私のために動いてくれている。
重婚に拒否感はあるけれど、この家に養女として来たからには仕方がないことだとも言える。重婚しないためには三人以上産むことが必要なのだ。
「ソフィアはとりあえず、無事に卒業する事が当面の目標だな。憧れていた王宮勤めも二百年はする予定なのか? ほんの数年出産で休んでも、一流の魔法使いとして長年が活躍出来そうだな」
「もうっ、おじい様。私、二百年も働きたく無いです。でも、祖先達は三百歳でも元気だったそうですから私はどうなるのでしょうね」
「それと、ソフィアは原始魔法が使えるのなら後でわしの部屋に来てくれ。レオンと始祖研究をしているんだ」
「分かりました。おじい様達の研究に是非とも協力させて下さい」
ダンジョン反省会が原始魔法のことになってしまったけれど、濃い家族会議だった。まさかレオンお兄様と婚約するとは思わなかった。
レオンお兄様もテオお兄様も格好良くて、頭も魔法使いとしての実力もあって御令嬢に大人気だ。
学生の私でも王宮魔法使いの活躍は耳にしているし、令嬢達の噂話も聞こえてくる。私も早くお兄様達のような魔法使いになれるように頑張らねば。
サロンでのお茶会が解散となってから、私は肩にラファルを乗せたままおじい様のお部屋に向かった。
「おじい様、ソフィアが参りました」
「入っておくれ」
おじい様の研究室にはいると見た事もない器具と本が沢山あった。なんだか見ているだけでワクワクしてしまう。
部屋の中央に置かれたソファに座るとラファルは走っておばあ様の膝に乗り、甘えている。ラファルの可愛いさにおばあ様もやられたに違いない。
後からレオンお兄様もお部屋に来た。
「ソフィア。この間、カイン達にお菓子を作って届けたそうだな。それを食べたカイン達は魔力が回復したと聞いた。
私やカインはソフィアと遠いながらも血が繋がっているから魔力の交換は出来ると聞いているな? 問題は魔力の質が違う他の魔法使い達も同様の事が起こったという話だ。
これはまだ気づいたという段階だ。突然魔力が必要になった時にソフィアが邸に居るとは限らんからこの魔石に魔力を込めて欲しい。
今日は魔力が底を突いただろうから明日以降にでも頼む」
「分かりました」
そう言って五個の魔石を受け取り、思い出したことをおじい様に話す。
「おじい様、他人に魔石を使って魔力を渡すという話しですが、学院の討伐の時に魔石を魔法使いは魔法を入れて渡すというものがあったのを覚えていますか?」
「ああ、ゴブリンの魔石をダンジョンに狩りに行ったときに言っていたな」
「ええ、あれで一つは身体強化の魔法を入れて渡し、もう一人には私の純粋な魔力が入ったものを渡しました」
「そうなのか? その魔石は問題なく機能していたのか?」
「……多分ですが。ルイ・オーカー様は問題なく使っていたと思います」
「そうか。あとでルイ君に聞いてみるか」
魔法剣を教えたのはお兄様なのでルイ様に直接見せてもらっても問題なさそうな気がする。
「レオン。お前はさっき、ソフィアが使った癒やしの魔法で癒された使用人達の聞き取りを頼むぞ」
「わかりました」
「そういえば、レオンお兄様。もうすぐ学院の卒業パーティーがあるのですが、パートナーはどうすれば良いですか?」
「そうだね。ソフィアの卒業パーティーは大事にしないとね。私か、テオがエスコートするように仕事を調整しておくからソフィアは心配しなくていい」
「はい」
学院は例年卒業式を終えた後、卒業生と保護者だけで開催される卒業パーティが開かれている。
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私にとっても王宮魔法使いとして働くことが決まっているため、友人達とゆっくりお茶をする日はもうないと思う。
それに新たな婚約者のお披露目の場ともなるため、卒業パーティはとても楽しみと思うと同時に緊張もあるわ。
さて、魔石も預かって部屋に戻るとサラが興奮気味に話してきた。
サラの話では部屋の外にいた使用人達が光ったと思ったら、皆が口を揃えて長年の腰の痛みや肩の痛み、手荒れが消えたと言っていたみたい。
凄い効果なのね。ふふっ。本当に聖女と名乗れるかもしれないわね。
さて、明日からは学院ね。
卒業まで残り僅かだし、楽しまないとね。
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