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「サラ、少しだけでいいからレオンお兄様と二人になりたいから外へ」
「かしこまりました」
「ソフィア、大丈夫か?」
私は不安で身体が震えそうになるのを抑え、レオンお兄様に話そうと口を開いた。
「お兄様。お願いと言うのは、私に隷属反射の術式を脚の付け根に描いて下さい。魔道具では駄目な気がするのです。直接私に描けば私の魔力が使えますから」
「ソフィア、肌に直接描くなんて。そこまでしなくていいんじゃないか? 護衛もいるし、家族もそばにいる。大丈夫だと思うが」
「いえ、この先、いつ起こりうるかもしれないです。お兄様に描いて貰ったら、お兄様といつも一緒だと感じられますし」
「ソフィアの身体に傷をつけるのは駄目だ」
「お願いします。お兄様しか頼れないんです」
「どうしてそんなに頑なに……?魔力持ちの令嬢は確かに狙われやすいが、大丈夫だと思うが」
「レオンお兄様。私、原始魔法を使ってから少し身体に変化があったんです。大きな変化ではなかったので気づいたのもここ数日なのです」
レオンお兄様の顔が、婚約者から研究者の顔になった。
「身体に変化……?」
「感覚が鋭敏になるような、第六感が働くような感覚とでもいいましょうか……説明が凄く難しいですが」
「それは魔力の質に変化が有ったという事かな?」
「魔力の質には変化は無いと思いますが、その鋭敏になった感覚が『これから良くないことが起こるのではないか』と言っている気がして」
「……そうか」
「覚悟は決めています」
私は兄の手を解き、机の中から魔道具を引っ張り出してお兄様に渡すと、私はベッドに座り、片足を出す。
「いいか、ソフィア、この術式を脚に刻むと一生消えないからな?本当にいいのか?」
「はい。レオンお兄様。これは夫になるお兄様にしか頼めない事です」
「……分かった。そこまで覚悟をしているのなら俺も覚悟を決めよう」
お兄様は私の覚悟を知り、魔道具に魔力を込めて左内太腿の付け根に術式を描いていく。
皮膚に直接刻む形になるので相当な痛みがある。
「うっ」
「痛いか。もう少しだ」
術式がお兄様の魔力でゆっくりと脚に刻まれていく。
「描けた。ソフィア、大丈夫かい?」
お兄様がそっと抱きしめてくれる。
「レオンお兄様。ありがとう」
痛みで涙が出そうになるのを耐えていたが、抱きしめられたお兄様の腕も胸板も大きくて温かくて、思わず私もそっと抱きしめ返してしまった。
「……俺は試されているのだろうか」
「お兄様?」
レオンお兄様がそっと額にキスを落とす。
「ソフィア、よく頑張った」
「サラ、もう入って来ていいわ。お茶の用意をお願い」
サラはサッとお茶を準備してくれている間にお兄様と私はソファに座る。
「魔力の質の変化だったな」
レオンお兄様は考えるように呟いた。
「先ほども言ったと思うのですが、魔力の質に変化はないと思うのです」
「ソフィアの魔力はこの間、クッキーを食べたからある程度は分かる。試してごらん」
そう言ってレオンお兄様は私に手を差し出す。私は自分の魔力を全身に循環させた後、お兄様の手を取り、ゆっくりと魔力交換を行う。
あっ、これは不味い。
危険だわ……。
レオンお兄様の魔力はとても甘く、身体が痺れるような感覚になる。その感覚は甘美なものでもっと、もっとと際限なく全身で感じ、味わいたくなってくる。
これは話で聞いていた肌と肌が触れ合い、痺れるようになるっていう大人の感覚なの?
レオンお兄様を見ると、一瞬目を見開いたけれど、恍惚の表情となっていた。
私達は魔力が合いすぎるのかしら……。
これ以上続けると後戻りが出来なくなりそう。そっと魔力を流すのを止めると、色気たっぷりなお兄様が私を抱きしめ、キスをする。
そこで私はハッと我に返った。
何てこと!
ファーストキスだったのよ! 私。
ワナワナと震えていると、恍惚とした表情のままレオンお兄様が口を開いた。
「ソフィア、この間のクッキーを食べた時の感じとは違う感じがする。確かにこれを例えるのが難しい。
ソフィアの魔力が身体を循環しているおかげか、ソフィアの言う感覚が朧気ながら理解が出来そうだ。それにしても何て気持ちいいんだ。この感覚は危ない」
サラもレオンお兄様の様子を見て危ないと感じたようで『その辺にして下さい』と私を抱きしめているレオンお兄様を離しにかかり、仕方ないなぁと、レオンお兄様は渋々私から離れた。
「魔力交換でレオンお兄様以外の人達と私でもこの様な感覚になるかもしれません。私の魔力が循環している間はレオンお兄様も原始魔法が使えるのですか? そして今、私のファーストキスはレオンお兄様に奪われましたわ」
「ソフィアの初めてを貰ってしまったのか。大切にしよう。原始魔法はやってみないと分からないが、一つくらいは唱えれそうだ。
それと、ソフィアは私以外は魔力の交換はしないようにテオとも駄目だ。分かったね?」
「危険性は十分に理解しました。絶対しないです」
お兄様はそう言うと、私の魔力を循環させながら、おじい様の部屋で研究を進めるらしく、上機嫌で部屋から出て行った。
これから研究の度に魔力を交換すると考えると、かなり恥ずかしい。
あれは危険よ!
なるべくやらない方がいいわ。
そう思いながらお兄様の魔力を自分に循環させて自分の魔力へ変換していく。
多分、私の魔力交換はお兄様へ送るのはロスがないけれど、私がお兄様から貰う魔力は微々たる物だけど、ロスが出ている。
お兄様の方はロスが無いような感じだった。
不思議ね。
お兄様との魔力の受け渡しは甘美なもので全身の神経が研ぎ澄まされていく感覚でドキドキと心臓が煩いくらいになった。
でも、ね。
それとは別に私はファーストキスだったのよ!?
あぁ、私だってファーストキスを憧れて色んなシチュエーションを考えていたのに。あっさりすぎたわ。
私はしょんぼりしていると、サラは澄ました顔で仕方ないですよねー、って。
今日は色々あり過ぎた。
と、とりあえず、目的の物を描いてもらったのだから良しとしないと。
先ほどのことを考えながら私はお茶に口をつける。
あっ、ラファル!
ごめんっ、忘れていたわ。
「かしこまりました」
「ソフィア、大丈夫か?」
私は不安で身体が震えそうになるのを抑え、レオンお兄様に話そうと口を開いた。
「お兄様。お願いと言うのは、私に隷属反射の術式を脚の付け根に描いて下さい。魔道具では駄目な気がするのです。直接私に描けば私の魔力が使えますから」
「ソフィア、肌に直接描くなんて。そこまでしなくていいんじゃないか? 護衛もいるし、家族もそばにいる。大丈夫だと思うが」
「いえ、この先、いつ起こりうるかもしれないです。お兄様に描いて貰ったら、お兄様といつも一緒だと感じられますし」
「ソフィアの身体に傷をつけるのは駄目だ」
「お願いします。お兄様しか頼れないんです」
「どうしてそんなに頑なに……?魔力持ちの令嬢は確かに狙われやすいが、大丈夫だと思うが」
「レオンお兄様。私、原始魔法を使ってから少し身体に変化があったんです。大きな変化ではなかったので気づいたのもここ数日なのです」
レオンお兄様の顔が、婚約者から研究者の顔になった。
「身体に変化……?」
「感覚が鋭敏になるような、第六感が働くような感覚とでもいいましょうか……説明が凄く難しいですが」
「それは魔力の質に変化が有ったという事かな?」
「魔力の質には変化は無いと思いますが、その鋭敏になった感覚が『これから良くないことが起こるのではないか』と言っている気がして」
「……そうか」
「覚悟は決めています」
私は兄の手を解き、机の中から魔道具を引っ張り出してお兄様に渡すと、私はベッドに座り、片足を出す。
「いいか、ソフィア、この術式を脚に刻むと一生消えないからな?本当にいいのか?」
「はい。レオンお兄様。これは夫になるお兄様にしか頼めない事です」
「……分かった。そこまで覚悟をしているのなら俺も覚悟を決めよう」
お兄様は私の覚悟を知り、魔道具に魔力を込めて左内太腿の付け根に術式を描いていく。
皮膚に直接刻む形になるので相当な痛みがある。
「うっ」
「痛いか。もう少しだ」
術式がお兄様の魔力でゆっくりと脚に刻まれていく。
「描けた。ソフィア、大丈夫かい?」
お兄様がそっと抱きしめてくれる。
「レオンお兄様。ありがとう」
痛みで涙が出そうになるのを耐えていたが、抱きしめられたお兄様の腕も胸板も大きくて温かくて、思わず私もそっと抱きしめ返してしまった。
「……俺は試されているのだろうか」
「お兄様?」
レオンお兄様がそっと額にキスを落とす。
「ソフィア、よく頑張った」
「サラ、もう入って来ていいわ。お茶の用意をお願い」
サラはサッとお茶を準備してくれている間にお兄様と私はソファに座る。
「魔力の質の変化だったな」
レオンお兄様は考えるように呟いた。
「先ほども言ったと思うのですが、魔力の質に変化はないと思うのです」
「ソフィアの魔力はこの間、クッキーを食べたからある程度は分かる。試してごらん」
そう言ってレオンお兄様は私に手を差し出す。私は自分の魔力を全身に循環させた後、お兄様の手を取り、ゆっくりと魔力交換を行う。
あっ、これは不味い。
危険だわ……。
レオンお兄様の魔力はとても甘く、身体が痺れるような感覚になる。その感覚は甘美なものでもっと、もっとと際限なく全身で感じ、味わいたくなってくる。
これは話で聞いていた肌と肌が触れ合い、痺れるようになるっていう大人の感覚なの?
レオンお兄様を見ると、一瞬目を見開いたけれど、恍惚の表情となっていた。
私達は魔力が合いすぎるのかしら……。
これ以上続けると後戻りが出来なくなりそう。そっと魔力を流すのを止めると、色気たっぷりなお兄様が私を抱きしめ、キスをする。
そこで私はハッと我に返った。
何てこと!
ファーストキスだったのよ! 私。
ワナワナと震えていると、恍惚とした表情のままレオンお兄様が口を開いた。
「ソフィア、この間のクッキーを食べた時の感じとは違う感じがする。確かにこれを例えるのが難しい。
ソフィアの魔力が身体を循環しているおかげか、ソフィアの言う感覚が朧気ながら理解が出来そうだ。それにしても何て気持ちいいんだ。この感覚は危ない」
サラもレオンお兄様の様子を見て危ないと感じたようで『その辺にして下さい』と私を抱きしめているレオンお兄様を離しにかかり、仕方ないなぁと、レオンお兄様は渋々私から離れた。
「魔力交換でレオンお兄様以外の人達と私でもこの様な感覚になるかもしれません。私の魔力が循環している間はレオンお兄様も原始魔法が使えるのですか? そして今、私のファーストキスはレオンお兄様に奪われましたわ」
「ソフィアの初めてを貰ってしまったのか。大切にしよう。原始魔法はやってみないと分からないが、一つくらいは唱えれそうだ。
それと、ソフィアは私以外は魔力の交換はしないようにテオとも駄目だ。分かったね?」
「危険性は十分に理解しました。絶対しないです」
お兄様はそう言うと、私の魔力を循環させながら、おじい様の部屋で研究を進めるらしく、上機嫌で部屋から出て行った。
これから研究の度に魔力を交換すると考えると、かなり恥ずかしい。
あれは危険よ!
なるべくやらない方がいいわ。
そう思いながらお兄様の魔力を自分に循環させて自分の魔力へ変換していく。
多分、私の魔力交換はお兄様へ送るのはロスがないけれど、私がお兄様から貰う魔力は微々たる物だけど、ロスが出ている。
お兄様の方はロスが無いような感じだった。
不思議ね。
お兄様との魔力の受け渡しは甘美なもので全身の神経が研ぎ澄まされていく感覚でドキドキと心臓が煩いくらいになった。
でも、ね。
それとは別に私はファーストキスだったのよ!?
あぁ、私だってファーストキスを憧れて色んなシチュエーションを考えていたのに。あっさりすぎたわ。
私はしょんぼりしていると、サラは澄ました顔で仕方ないですよねー、って。
今日は色々あり過ぎた。
と、とりあえず、目的の物を描いてもらったのだから良しとしないと。
先ほどのことを考えながら私はお茶に口をつける。
あっ、ラファル!
ごめんっ、忘れていたわ。
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