魔法使いとして頑張りますわ!

まるねこ

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 翌日は起きて宿で食事をした後、いつもの旅の服装に着替え、ラファルを小さくし、昨日討伐した魔物肉片をラファルのご飯としてあげたわ。

 ラファルは魔物肉で魔鳥が一番好きかもしれないわね。食いつきが違うわ。宿を出てからはお兄様達はずっと私に恋人繋ぎをしている。

 何故かしら?
 逃げようなんて考えていないのに。しかも歩きにくい。

「レオンお兄様、テオお兄様。歩きにくいです」
「俺達はソフィア不足なんだ。ソフィアと片時も離れたくない」

 レオンお兄様の言葉にテオお兄様も頷いている。よく分かりません。

「今日はお邸へ向かうのですか?」
「今日はツヴィエート国境を越えて一泊し、明日もコロール国境前で一泊してから国に入るよ。流石に魔法転移で邸まで直接帰るのは良くないからね」

 手続き上の問題なのかしら。

 その辺はよく分からないのでお兄様達に従うわ。レオンお兄様は、テオお兄様と私、ラファル全員が触れるようにくっ付くと瞬時にツヴィエート国境の検問所へ到着した。


 検問所は前に比べると難民はかなり減っていて手続きの列は殆ど無いようだ。私は難民の申請で出国したので、コロール国に戻ると検問所の兵士に話そうとした瞬間、兵士に腕を掴まれ、びっくりする。

「あんた、二ヶ月半位前に検問所に来ただろ? あんたのおかげで大勢が助かったんだ。お礼を言いたくてな!」

 兵士はどうやら私の事を覚えていたらしい。認識阻害魔法を掛け、目立たないようにフードを被っていたのに。これだから騎士や兵士は侮れないのよね。

「訳ありって話をしていたな。両隣で恋人繋ぎをしているイケメンの兄ちゃん達が原因か?」

 ぐぉぉぉ。そういうところは口に出さなくてもいいのに。

「彼女は俺達の妻だ。元の国に帰るだけだ」
「そうか。また何かあったら助けてくれよな。旦那も嫁さんに逃げられるなんて浮気か? 嫁さんを大事にしてやんなよ」

 兵士はそう気軽に言うと検問所をあっさり通してくれたわ。ニコニコ笑顔の兵士とは反対に、睨む私に目を合わせないお兄様達。妻ではないわ。


 検問所を通るとレオンお兄様はまた転移魔法を唱える。街の入り口へ移動した私達は本日の宿に向かう。宿では相変わらずお兄様達は一部屋しか取らない。解せぬ。

 またラファルと床で寝るんだから。

 それにしても朝から転移しただけなので、まだまだ日も高い。部屋で少しゆっくりしてからラファルのご飯確保と街の散策に出かける事にするわ。

「レオンお兄様、テオお兄様、私、逃げませんから少し離れて下さい」

 何処をどう間違えたらこんなに風になってしまうのかしら。何も言わなければ食事も介助しようとするし。

 どうしてこんなに過保護になってしまったの?

 まぁ、お兄様達の事より今はラファルよ。今日はラファルも狩りをしていないし、体力が余っていそうね。

「私、今からラファルの狩りに森まで行って参ります」
「僕も行くよ。ラファルの狩りを見てみたいしね」

 テオお兄様が荷物を解きながらも狩りの準備をしている。レオンお兄様は宿で荷物番をするみたい。

 テオお兄様とラファルで街外れの森にやってきた。ラファルを元の大きさに戻そうとして考える。この森に強い魔物はいるのかしら。辺りを見回しても魔鳥しか居なさそうなのよね。

 ラファルに上空から魔物がいるか見てもらうがいなさそう。仕方がないわね。ラファルを元のサイズまで戻し、ラファルは魔鳥を狩っていく。

 私はラファルの狩りを横目に魔力を均一に纏わせる練習をしようと魔力を出した時、テオお兄様が驚いていた。

「ソフィア、その魔力の使い方は以前とは全く違うんだな」
「ええ。お兄様。ヴィシュヌ様に教えていただきましたの。お兄様もやってみますか」
「やってみたいな。どうやるんだい?」

「私達が今使っている魔法は唱詠により体内から直接魔力を使用し、掌などの放出部から魔法が出ています。ですが私が今、練習している方法は、身体全体から魔力を出して魔力で身体を包みこむような練習をしています」

 テオお兄様はやってみようとするが、魔力を体外へ出すイメージを持っていてもかなり難しい様子。何度も何度もやっている。

「ソフィア、凄いね。ソフィアはどうやって体内の魔力を外に放出しているんだい?」

「テオお兄様、きっと幼い頃からお兄様は魔法を使っているのでそのやり方に慣れているのですわ。私は魔法を練習し始めて一年も経っていないため、魔力を出す方法は固定されていないのだと思いますわ。

 私は、そうですね。汗腺の一つ一つから汗が出るような、皮膚全てから魔力が滲み出すイメージなのでしょうか。上手く伝えられなくてごめんなさい。シェナさんから子供達が練習する魔法の本を頂いたので、宿に戻ったらお見せしますね」

 テオお兄様の目がキラキラに輝いている気がするわ。私はそう話すと練習に戻る。テオお兄様も練習をし始めたわ。

 私が説明するとテオお兄様は頷き、考えたことを呟きながら実践していく。何度目かで一瞬だったが、全身から魔力がぶわりと滲み出していた。

 やはりお兄様は私よりも魔力を扱うのが上手なのだと感心してしまう。

 ラファルはある程度の食事が終わったようで私の所に戻ってきた。私の足元に狩った魔物の魔石が転がる。

 可愛い。わざわざ取ってくれたのね。

 ラファルに清浄魔法を唱えてからまた小さなサイズへと戻す。
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