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「テオお兄様、ラファルの食事が終わりましたので私は街を散策しにいきます」
「ああ」
そう言いながらテオお兄様も練習を辞めて恋人繋ぎに戻る。これは標準なのかしら? ラファルを胸に抱き、私達は街に戻った。
既に日も高くなっており、街では人々が賑やかに活動している。私達は露店のある区画へ歩いていた。露店のある区画はとても賑やかで、店員の掛け声と共に甘い香りや肉の焼ける香りが辺りに広がっている。
私は迷う事なく、肉が串に刺さって焼かれている店の前に行き、
「串肉二本下さい」
お金を渡し串を買う。もちろんテオお兄様の分も。
「お兄様どうぞ」
テオお兄様に串を一本渡し、私は肉を頬張る。肉汁が溢れてとても美味しいわ。
「お兄様、美味しいですね」
テオお兄様を見ると、お兄様は私を見て驚いたように固まっているわ。
「お兄様?」
「ソフィアは露店で食べ歩きをするのは平気なのかい?」
「ええ。美味しいですもの」
モグモグしながら次の店へ。喉が渇いたわ。
「この街は露店が多くていいですね。すみません、このフルーツジュースを一杯下さい」
肉を食べ終わり、木のコップに入れられたジュースを飲み干す。フルーツジュースは甘い香りがしているが、程よい酸味もあり、のど越しもよくて何杯でも飲めてしまいそうなほど美味しかった。
確かに侯爵令嬢としてはお行儀は悪いわよね。今は平民の魔法使いなのだからこれでいいの。
そんな言い訳を考えながら食べ歩きをしている私にテオお兄様はぎゅうぎゅう抱きしめてきた。
「ソフィア! 可愛い」
!?
意味が分かりません。
何処に可愛いポイントがあったのかしら。
「お兄様、私は子供ではありませんわ。そうだ、少し寄りたい所があるのです」
「ごめんごめん。つい可愛くて」
お兄様は平謝りしながらまた手をつなぎ直した。私はずっと気になっていた調味料や香辛料を扱うお店へとやってきた。そうよ。魔鳥に味を付けて食べたいのよ。
小さな店舗ではあったけれど、数多くのスパイスが所狭しと並べられていて見ているだけで楽しい。
どんな味になるのかしら。店員さんに説明を聞きながら塩と胡椒、それと初心者でも出来るスープの素になるハーブや乾燥野菜のセットをいくつか購入したわ。
「ソフィア、香辛料を買ってどうするか聞いても?」
「テオお兄様。私、また旅に出ようと考えているので必要な物を買ったまでです」
目を輝かせながら香辛料を眺めている側でお兄様は愕然としている感じがするわ。
「私、ラファルと共に旅に出て沢山の事を学びましたの。物の価値や食事、自分の生き方について深く考えさせられましたわ。
私、何も知らずに過ごしていました。貴族令嬢として社会の規範にそって政略結婚をする。それは当たり前のことだと思っていました。
けれど、今の私の夢は一冒険者になり、世界中を旅する事ですわ」
「ソフィア、僕と結婚しよう」
「テオお兄様、私、昨日も言いました。レオンお兄様、もしくはテオお兄様と婚約し、結婚する予定でした。
ですが、レオンお兄様は婚姻自体白紙となり、お兄様達は王命である令嬢と婚約をしました。一度無くした物を再び認めるのは無理があるのではないでしょうか。
それに私に一言も言って下さらなかったことも憤慨しております。
オリヴェタン家にとっての私はその程度で、信用をおけぬ者なのでしょう。それに、もういいのです。私はお兄様達、オリヴェタン家を恨んでいる訳ではありません。
外の世界へ一度出てしまった私は貴族の世界に戻るより、外の世界へ出たいと思いましたの。ただそれだけですわ。ですが、国に帰れば、監視が付き、私の自由は無くなるのでしょう?」
テオお兄様は何かを口にしようとするけれど、その言葉を呑み込んでいる様子。
実際の問題として王命を覆す事は難しい。
そして婚約を白紙にされた私は行き遅れの令嬢となる。瑕疵のある私は魔力目当ての妾や歳の離れた貴族との婚姻も否定は出来ない。
レオンお兄様もテオお兄様もそれは分かっているはずなの。
それを踏まえた上でも私を探す理由は私のもつ豊富な魔力だ。国は捕まえておきたいのでしょうから。
悲しい現実ね。
そこに私の意思はないのだから。
さて、買い食いして、買い物もして、レオンお兄様のご飯も買い、宿に戻る。
「レオンお兄様、遅くなりました」
レオンお兄様は部屋でゴロリと寛いでいたわ。お昼用に買ったパンを渡す。
「随分と遅かったな。お腹がぺこぺこだ」
鞄から取り出した本をテオお兄様に渡すと暗い顔をしていたテオお兄様は機嫌を直して目を爛々と輝かせながらベッドに転がり、本を読み始める。
さて、私はロングクッションを出そうとラファルのポーチに手を掛けたその時、ふわりと体が浮き、ベッドへと移動した。
「ソフィア、今日はこっちのベッドで寝るんだよ。俺と一緒に」
「レオンお兄様!?」
お兄様はそう言うと、ベッドに腰を掛け、パンを食べ始める。
テオお兄様は何事も無かったかのようにベッドへ寝っ転がり、本を読みながら部屋全体に清浄魔法を唱える。
私もラファルも綺麗になったから良いのだけど、ラファルはベッドの枕元で昼寝をし始めたわ。
私は何をしようかしら。
そう考えていると、レオンお兄様の下に魔法郵便が届いた。レオンお兄様は郵便を読み終わると、真面目な顔をして座り直した。
それを横目で見ていたテオお兄様も本を読むのをやめてレオンお兄様に向かい合うように座り直す。
「レオ兄。なんて書いていたんだ?」
「あぁ、ソフィアも隣に座って。きちんと話すから」
私もレオンお兄様の隣に座る。
「ああ」
そう言いながらテオお兄様も練習を辞めて恋人繋ぎに戻る。これは標準なのかしら? ラファルを胸に抱き、私達は街に戻った。
既に日も高くなっており、街では人々が賑やかに活動している。私達は露店のある区画へ歩いていた。露店のある区画はとても賑やかで、店員の掛け声と共に甘い香りや肉の焼ける香りが辺りに広がっている。
私は迷う事なく、肉が串に刺さって焼かれている店の前に行き、
「串肉二本下さい」
お金を渡し串を買う。もちろんテオお兄様の分も。
「お兄様どうぞ」
テオお兄様に串を一本渡し、私は肉を頬張る。肉汁が溢れてとても美味しいわ。
「お兄様、美味しいですね」
テオお兄様を見ると、お兄様は私を見て驚いたように固まっているわ。
「お兄様?」
「ソフィアは露店で食べ歩きをするのは平気なのかい?」
「ええ。美味しいですもの」
モグモグしながら次の店へ。喉が渇いたわ。
「この街は露店が多くていいですね。すみません、このフルーツジュースを一杯下さい」
肉を食べ終わり、木のコップに入れられたジュースを飲み干す。フルーツジュースは甘い香りがしているが、程よい酸味もあり、のど越しもよくて何杯でも飲めてしまいそうなほど美味しかった。
確かに侯爵令嬢としてはお行儀は悪いわよね。今は平民の魔法使いなのだからこれでいいの。
そんな言い訳を考えながら食べ歩きをしている私にテオお兄様はぎゅうぎゅう抱きしめてきた。
「ソフィア! 可愛い」
!?
意味が分かりません。
何処に可愛いポイントがあったのかしら。
「お兄様、私は子供ではありませんわ。そうだ、少し寄りたい所があるのです」
「ごめんごめん。つい可愛くて」
お兄様は平謝りしながらまた手をつなぎ直した。私はずっと気になっていた調味料や香辛料を扱うお店へとやってきた。そうよ。魔鳥に味を付けて食べたいのよ。
小さな店舗ではあったけれど、数多くのスパイスが所狭しと並べられていて見ているだけで楽しい。
どんな味になるのかしら。店員さんに説明を聞きながら塩と胡椒、それと初心者でも出来るスープの素になるハーブや乾燥野菜のセットをいくつか購入したわ。
「ソフィア、香辛料を買ってどうするか聞いても?」
「テオお兄様。私、また旅に出ようと考えているので必要な物を買ったまでです」
目を輝かせながら香辛料を眺めている側でお兄様は愕然としている感じがするわ。
「私、ラファルと共に旅に出て沢山の事を学びましたの。物の価値や食事、自分の生き方について深く考えさせられましたわ。
私、何も知らずに過ごしていました。貴族令嬢として社会の規範にそって政略結婚をする。それは当たり前のことだと思っていました。
けれど、今の私の夢は一冒険者になり、世界中を旅する事ですわ」
「ソフィア、僕と結婚しよう」
「テオお兄様、私、昨日も言いました。レオンお兄様、もしくはテオお兄様と婚約し、結婚する予定でした。
ですが、レオンお兄様は婚姻自体白紙となり、お兄様達は王命である令嬢と婚約をしました。一度無くした物を再び認めるのは無理があるのではないでしょうか。
それに私に一言も言って下さらなかったことも憤慨しております。
オリヴェタン家にとっての私はその程度で、信用をおけぬ者なのでしょう。それに、もういいのです。私はお兄様達、オリヴェタン家を恨んでいる訳ではありません。
外の世界へ一度出てしまった私は貴族の世界に戻るより、外の世界へ出たいと思いましたの。ただそれだけですわ。ですが、国に帰れば、監視が付き、私の自由は無くなるのでしょう?」
テオお兄様は何かを口にしようとするけれど、その言葉を呑み込んでいる様子。
実際の問題として王命を覆す事は難しい。
そして婚約を白紙にされた私は行き遅れの令嬢となる。瑕疵のある私は魔力目当ての妾や歳の離れた貴族との婚姻も否定は出来ない。
レオンお兄様もテオお兄様もそれは分かっているはずなの。
それを踏まえた上でも私を探す理由は私のもつ豊富な魔力だ。国は捕まえておきたいのでしょうから。
悲しい現実ね。
そこに私の意思はないのだから。
さて、買い食いして、買い物もして、レオンお兄様のご飯も買い、宿に戻る。
「レオンお兄様、遅くなりました」
レオンお兄様は部屋でゴロリと寛いでいたわ。お昼用に買ったパンを渡す。
「随分と遅かったな。お腹がぺこぺこだ」
鞄から取り出した本をテオお兄様に渡すと暗い顔をしていたテオお兄様は機嫌を直して目を爛々と輝かせながらベッドに転がり、本を読み始める。
さて、私はロングクッションを出そうとラファルのポーチに手を掛けたその時、ふわりと体が浮き、ベッドへと移動した。
「ソフィア、今日はこっちのベッドで寝るんだよ。俺と一緒に」
「レオンお兄様!?」
お兄様はそう言うと、ベッドに腰を掛け、パンを食べ始める。
テオお兄様は何事も無かったかのようにベッドへ寝っ転がり、本を読みながら部屋全体に清浄魔法を唱える。
私もラファルも綺麗になったから良いのだけど、ラファルはベッドの枕元で昼寝をし始めたわ。
私は何をしようかしら。
そう考えていると、レオンお兄様の下に魔法郵便が届いた。レオンお兄様は郵便を読み終わると、真面目な顔をして座り直した。
それを横目で見ていたテオお兄様も本を読むのをやめてレオンお兄様に向かい合うように座り直す。
「レオ兄。なんて書いていたんだ?」
「あぁ、ソフィアも隣に座って。きちんと話すから」
私もレオンお兄様の隣に座る。
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