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私は一人先にテラスに出て夜風に当たっていると、
「ソフィア嬢。ここに居たのか」
ふと振り向くとそこに居たのは正装を着こなしたノア様が立っていた。
「久しぶりだな」
「そうですね。あの頃はミリアがいつもおりましたね」
「そうだな。男爵の取り潰しでミリアは母親と共に牢屋に送られたらしい」
「そうでしたか。仕方がありませんわ。常にあの子の頭の中はお花畑でしたから」
私はあの頃のノア様への苦い思いとなつかしさを感じ、微笑む。
本当に好きだった。
笑顔も、優しくエスコートする姿も全て自分だけのものになって欲しかった。
悲しんだり、嫉妬したり、苦しい日が続いたけれど不思議ね。今はもう懐かしく思えてくる。
「ソフィア嬢、相変わらず、美しいな」
「ふふっ。ノア様も相変わらず令嬢達が放って置けない程の美男子ですわ」
「ソフィア嬢、俺は「ソフィア、待たせたね」」
ノア様が何か口にしかけた時、ヴィシュヌ様が飲み物を持ってやってきた。
「ヴィシュヌ様、これはお酒です。果実水に替えてもらわないと」
「おや、ソフィアはお酒が苦手だったのか」
そう言うと、持っていたグラスに淡い光が灯った。
「これで果実水になった。我が女神、どうぞお召し上がりください」
「もうっ、ヴィシュヌ様。光らせただけでしょう? 替えに行きますよ」
「ばれてしまったか。じゃあ行こうか」
私はそこでノア様の存在に気づいて姿勢を正した。
「ノア様。今までありがとうございました。私、ノア様と初めて会った日からずっとノア様の事お慕いしておりました。
ノア様の側にいる事が嬉しくて毎日が綿菓子のようにふわふわと甘く毎日が幸せでした。
ですがミリアが妹となり、ミリアとノア様が仲睦まじくする姿をみて苦しくて仕方がなかったのです。
初恋は叶わないものですね。色々ありましたが、今は全てが懐かしく思えています。私、ノア様をこれからも応援しておりますわ」
私はノア様に礼を執り、ヴィシュヌ様のエスコートでホールに戻った。
ヴィシュヌが振り返り、ノアに冷たい視線と共に勝ち誇った笑みを浮かべた事をソフィアは気付いていなかった。
「お父様、帰る前に陛下へ魔法を使って良いか確認して貰って良いですか」
「良いよ。でもどうしたんだい」
「私、今日が本当に幸せで、幼い頃からの夢が叶ったのです。本当に嬉しくて、嬉しくて。少しだけ、皆様にその気持ちをお裾分けしたいと思いましたの」
『分かった』とお父様はすぐに確認を取ってくれた。
ちょうどダンスの休憩時間となり、踊っていた人達は休憩するようにダンスホールを離れていく。
それと代わるように私はヴィシュヌ様と二人、誰も踊っていないダンスホールの中央へ立った。
「陛下、並びにお集まりの皆様。本日の舞踏会、お招きいただきありがとうございました。私、幼い頃からのキラキラと宝石箱のように輝く王宮の舞踏会で婚約者と踊る事が夢で、本当に嬉しく思っています。
そろそろ下がらせてきただきますが、私の幸せな気持ちを少しでもお分けできたらと思い、ホールの中央に立ちました。少しの間ですが、魔法と共にダンスをお楽しみ下さい」
私はそう言って魔法を唱える。
『人々に安らぎと祝福の夢をオネイロス、パナケイア』
私を起点として頭上に夜空が広がり、星を思わせる光が煌めく。その光は流れ星のように一つ、また一つと降り、会場の人にポツリと触れるとふわりと優しく光り、癒しを与える。
ワッと会場が盛り上がりを見せた。
「ソフィア、凄いじゃないか。私も負けていられないな」
ヴィシュヌ様はそういうと、手のひらにフッと息を吹きかけた。
息は金色の粉のように光り、そこから沢山の小さな妖精がふわりと舞い始める。
「ヴィシュヌ様、あの妖精は?」
「あれは音楽に合わせて歌ってくれるんだ。妖精の歌声を聞くことは滅多にないだろう?」
「私も聞いてみたかったわ」
「今度、ソフィアのためだけに歌ってもらおう」
「嬉しいです」
「さあ、行こうか」
「はい」
幻想的な空間を作り出し、この魔法を込めた魔石を中央に残してそっと会場を後にする。
「お父様。上手く行きましたわ。我ながら上出来だと思います」
「初めて見る魔法だったけれど、幻想的で素晴らしかったよ。私も鼻が高い」
舞踏会は思っていたよりもずっと、ずっと、素敵だった。
私は馬車の中から夜の空を見上げながらヴィシュヌ様と躍ったことを思い出し、夢見心地で邸に帰った。
ヴィシュヌ様は色々と準備があると言って街に戻っていった。私とラファルとお風呂に入る。
「とても素晴らしい舞踏会だったわ」
クルル……。
甘えてくるラファルの頭を撫で少し大きめのサイズにすると、ラファルはベッドに入り寄り添うように寝てくれるなんて可愛い子。お休みなさい。
ソフィアの帰った後、夜通し行われた舞踏会は大盛況で王宮に問い合わせが殺到したようだと後日、サモロンの報告によって知る事となる。
「ソフィア嬢。ここに居たのか」
ふと振り向くとそこに居たのは正装を着こなしたノア様が立っていた。
「久しぶりだな」
「そうですね。あの頃はミリアがいつもおりましたね」
「そうだな。男爵の取り潰しでミリアは母親と共に牢屋に送られたらしい」
「そうでしたか。仕方がありませんわ。常にあの子の頭の中はお花畑でしたから」
私はあの頃のノア様への苦い思いとなつかしさを感じ、微笑む。
本当に好きだった。
笑顔も、優しくエスコートする姿も全て自分だけのものになって欲しかった。
悲しんだり、嫉妬したり、苦しい日が続いたけれど不思議ね。今はもう懐かしく思えてくる。
「ソフィア嬢、相変わらず、美しいな」
「ふふっ。ノア様も相変わらず令嬢達が放って置けない程の美男子ですわ」
「ソフィア嬢、俺は「ソフィア、待たせたね」」
ノア様が何か口にしかけた時、ヴィシュヌ様が飲み物を持ってやってきた。
「ヴィシュヌ様、これはお酒です。果実水に替えてもらわないと」
「おや、ソフィアはお酒が苦手だったのか」
そう言うと、持っていたグラスに淡い光が灯った。
「これで果実水になった。我が女神、どうぞお召し上がりください」
「もうっ、ヴィシュヌ様。光らせただけでしょう? 替えに行きますよ」
「ばれてしまったか。じゃあ行こうか」
私はそこでノア様の存在に気づいて姿勢を正した。
「ノア様。今までありがとうございました。私、ノア様と初めて会った日からずっとノア様の事お慕いしておりました。
ノア様の側にいる事が嬉しくて毎日が綿菓子のようにふわふわと甘く毎日が幸せでした。
ですがミリアが妹となり、ミリアとノア様が仲睦まじくする姿をみて苦しくて仕方がなかったのです。
初恋は叶わないものですね。色々ありましたが、今は全てが懐かしく思えています。私、ノア様をこれからも応援しておりますわ」
私はノア様に礼を執り、ヴィシュヌ様のエスコートでホールに戻った。
ヴィシュヌが振り返り、ノアに冷たい視線と共に勝ち誇った笑みを浮かべた事をソフィアは気付いていなかった。
「お父様、帰る前に陛下へ魔法を使って良いか確認して貰って良いですか」
「良いよ。でもどうしたんだい」
「私、今日が本当に幸せで、幼い頃からの夢が叶ったのです。本当に嬉しくて、嬉しくて。少しだけ、皆様にその気持ちをお裾分けしたいと思いましたの」
『分かった』とお父様はすぐに確認を取ってくれた。
ちょうどダンスの休憩時間となり、踊っていた人達は休憩するようにダンスホールを離れていく。
それと代わるように私はヴィシュヌ様と二人、誰も踊っていないダンスホールの中央へ立った。
「陛下、並びにお集まりの皆様。本日の舞踏会、お招きいただきありがとうございました。私、幼い頃からのキラキラと宝石箱のように輝く王宮の舞踏会で婚約者と踊る事が夢で、本当に嬉しく思っています。
そろそろ下がらせてきただきますが、私の幸せな気持ちを少しでもお分けできたらと思い、ホールの中央に立ちました。少しの間ですが、魔法と共にダンスをお楽しみ下さい」
私はそう言って魔法を唱える。
『人々に安らぎと祝福の夢をオネイロス、パナケイア』
私を起点として頭上に夜空が広がり、星を思わせる光が煌めく。その光は流れ星のように一つ、また一つと降り、会場の人にポツリと触れるとふわりと優しく光り、癒しを与える。
ワッと会場が盛り上がりを見せた。
「ソフィア、凄いじゃないか。私も負けていられないな」
ヴィシュヌ様はそういうと、手のひらにフッと息を吹きかけた。
息は金色の粉のように光り、そこから沢山の小さな妖精がふわりと舞い始める。
「ヴィシュヌ様、あの妖精は?」
「あれは音楽に合わせて歌ってくれるんだ。妖精の歌声を聞くことは滅多にないだろう?」
「私も聞いてみたかったわ」
「今度、ソフィアのためだけに歌ってもらおう」
「嬉しいです」
「さあ、行こうか」
「はい」
幻想的な空間を作り出し、この魔法を込めた魔石を中央に残してそっと会場を後にする。
「お父様。上手く行きましたわ。我ながら上出来だと思います」
「初めて見る魔法だったけれど、幻想的で素晴らしかったよ。私も鼻が高い」
舞踏会は思っていたよりもずっと、ずっと、素敵だった。
私は馬車の中から夜の空を見上げながらヴィシュヌ様と躍ったことを思い出し、夢見心地で邸に帰った。
ヴィシュヌ様は色々と準備があると言って街に戻っていった。私とラファルとお風呂に入る。
「とても素晴らしい舞踏会だったわ」
クルル……。
甘えてくるラファルの頭を撫で少し大きめのサイズにすると、ラファルはベッドに入り寄り添うように寝てくれるなんて可愛い子。お休みなさい。
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