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「リヴィア様! ついにシューンエイゼット国との交渉が決裂し、戦争が始まったようです」
モニカが商会から情報を仕入れてきたようだ。情報を得るまでのタイムラグを考えると、もうすでに国境の村や街は占領されているかもしれない。
「リヴィア様、お手紙が届いております」
ティポーが差し出した二通の手紙。一通は父からの手紙。二通目はシャーロット様からの手紙だった。
……シャーロット様の手紙の印が王家の物ではない。
シャーロット様の家の印だわ。父からの手紙を後回しにして、先にシャーロット様からの手紙に目を通した。
やはり開戦したようだ。
シャーロット様は交渉が決裂したと報告を聞いた後、どうにか王宮を出て公爵領に向かっているという手紙だったわ。
王都を出て二つ目の街を出る時、商人に手紙を届けるように頼んだようだ。
手紙の内容では王宮では人の出入りが激しく、慌てて戦争の準備をしているみたい。交渉が決裂してから動くなんて遅いわ。
シャーロット様はすぐに王宮を出ようとしていたらしいけれど、たまたま部屋にやってきたドルク様にバレて一時監禁されたのだとか。
ドルク様は王子なので騎士団を率いて戦争に出るように陛下から指示があった。
シャーロット様に泣きつこうと思っていたのかしら? そうだとしたら軽蔑するわね。
シャーロット様の侍女が王妃様の所に知らせに行き、シャーロット様が監禁されていることを知ってシャーロット様を後宮へ呼び寄せた。
そして王妃様は『シャーロット様は女公爵として領地から出兵させるための準備をしなければいけない』と理由を付けて公爵領に帰してくれたらしい。
王妃様のおかげで逃げ延びたと綴られている。
そして彼女が監禁されている間にシューンエイゼット国の軍が国境を越え、一つ目の街を占領したようで王都の周辺まで避難民が流れてきている状況だそうだ。
一部の街道は閉鎖されていて、私が事前に予測した道を通って領地に向かうと書かれていたわ。
今はシャーロット様が無事に領地へ戻れることを祈るしかない。
そして父からの手紙はカインディール国とシューンエイゼット国の間で戦争が始まったという知らせだった。
私の身分はまだケルノッティ国の王女で、この国に招かれて留まっているという状態のようだ。
シューンエイゼット国に私を国に戻らせるように頼んでいる状況だそうだ。
手紙の書き方からしてカインディールは長く保たないと考えているのだろう。母である王妃様の助言かもしれないが。
今、私は強行すればケルノッティに帰ることは可能だが、国に帰るまでの道は危険なものになる。
護衛騎士が足りないため、難民の暴動に巻き込まれたり、盗賊などに襲われたりする危険も高い。
ケルノッティ国から騎士たちを派遣し迎えにきてくれるかもしれないが、戦争に巻き込まれる可能性もあり、シューンエイゼットとの交渉次第だろう。それまでは迂闊に動くことは出来ない。
それともう一つ、手紙に書かれていたことがあった。
陛下はアンバー妃を廃妃にし、新たに側妃を二人迎える予定らしい。ラジーノとゼノは王妃様の元で教育し直しているが成長は芳しくないと書かれてあった。
それにしてもあれほど仲の良かったアンバー妃を廃妃にするなんて陛下に何があったのかしら。
「リヴィア王女様、陛下からの手紙は良いものでしたか?」
「ダリア、父からは私がケルノッティ国に戻ってこれるようにシューンエイゼット国に交渉をしているみたい。戦争の状況を見ながらまた連絡すると書いてあったわ。それとあのアンバー妃が廃妃になったそうよ」
「……あの方が、ですか」
これにはダリアも驚いている。もしかしてフェルディナンド様が最後に言っていたラジーノが薬を渡した件で何かがあったのかしら。考えれば考えるほど不思議でしかたがない。
「ティポー、シャーロット様の手紙では戦争が始まり避難民が王都に向かっているらしいわ。そのうちここにも来る。街長にも話をしておいて」
「畏まりました」
そうこうしている間に半年が経とうとしていた。
商人からの情報では戦況は悪化の一途を辿っているようだ。
カインディール国は後手後手に回っているようで、先日第五旅団は消失したとかどうとか。
あくまで商人から得た情報なので本当のところは分からない。だが、分かっているのはシューンエイゼット国が王都付近まで軍を進めているということらしい。
私たちはというと、離宮での生活は変わっていない。ケルノッティの陛下からはまだ動くことを止められているわ。
詳しいことは手紙に書かれていないけれど、カインディール国からケルノッティ国に出兵の要請があったみたい。
出兵の準備をしているが、同時にシューンエイゼット国とも水面下で交渉をしているらしい。
ケルノッティ国も戦争の余波で国民に不安が広がっているらしく、王妃様が動いているようだわ。
陛下と王妃様はアンバー妃が居なくなったことで夫婦仲が修復されたのかしら?
そうそう、シャーロット様は無事に公爵家に戻り、女公爵となったわ。今は領地内の状況を調べて守備に徹している。
国から援軍の要請が来ているらしいけれど、シャーロット様の領地は遠いという理由で派兵していない。
ドルク様はというと、戦場に赴いて軍を指揮したが、あっさり負けて王都に戻っている。
状況は刻々と変わっているわ。
離宮での生活は変わっていないけれど、変化は感じている。使用人や護衛たちに笑顔が減っているし、街に来る商人の出入りが減って雰囲気もどこか緊張しているようだ。
この街にも疎開してくる家族が増えてきている。
避難民が多くいる街や村では暴行や窃盗などが相次ぎ、治安が悪化しているらしい。
幸いなことに、この街は早々に準備を始めていたおかげで、今のところ問題なく過ごせている。
街民の食糧は足りているので今は避難民に少しだが炊き出しやパンの配布を行っている状況だ。
モニカが商会から情報を仕入れてきたようだ。情報を得るまでのタイムラグを考えると、もうすでに国境の村や街は占領されているかもしれない。
「リヴィア様、お手紙が届いております」
ティポーが差し出した二通の手紙。一通は父からの手紙。二通目はシャーロット様からの手紙だった。
……シャーロット様の手紙の印が王家の物ではない。
シャーロット様の家の印だわ。父からの手紙を後回しにして、先にシャーロット様からの手紙に目を通した。
やはり開戦したようだ。
シャーロット様は交渉が決裂したと報告を聞いた後、どうにか王宮を出て公爵領に向かっているという手紙だったわ。
王都を出て二つ目の街を出る時、商人に手紙を届けるように頼んだようだ。
手紙の内容では王宮では人の出入りが激しく、慌てて戦争の準備をしているみたい。交渉が決裂してから動くなんて遅いわ。
シャーロット様はすぐに王宮を出ようとしていたらしいけれど、たまたま部屋にやってきたドルク様にバレて一時監禁されたのだとか。
ドルク様は王子なので騎士団を率いて戦争に出るように陛下から指示があった。
シャーロット様に泣きつこうと思っていたのかしら? そうだとしたら軽蔑するわね。
シャーロット様の侍女が王妃様の所に知らせに行き、シャーロット様が監禁されていることを知ってシャーロット様を後宮へ呼び寄せた。
そして王妃様は『シャーロット様は女公爵として領地から出兵させるための準備をしなければいけない』と理由を付けて公爵領に帰してくれたらしい。
王妃様のおかげで逃げ延びたと綴られている。
そして彼女が監禁されている間にシューンエイゼット国の軍が国境を越え、一つ目の街を占領したようで王都の周辺まで避難民が流れてきている状況だそうだ。
一部の街道は閉鎖されていて、私が事前に予測した道を通って領地に向かうと書かれていたわ。
今はシャーロット様が無事に領地へ戻れることを祈るしかない。
そして父からの手紙はカインディール国とシューンエイゼット国の間で戦争が始まったという知らせだった。
私の身分はまだケルノッティ国の王女で、この国に招かれて留まっているという状態のようだ。
シューンエイゼット国に私を国に戻らせるように頼んでいる状況だそうだ。
手紙の書き方からしてカインディールは長く保たないと考えているのだろう。母である王妃様の助言かもしれないが。
今、私は強行すればケルノッティに帰ることは可能だが、国に帰るまでの道は危険なものになる。
護衛騎士が足りないため、難民の暴動に巻き込まれたり、盗賊などに襲われたりする危険も高い。
ケルノッティ国から騎士たちを派遣し迎えにきてくれるかもしれないが、戦争に巻き込まれる可能性もあり、シューンエイゼットとの交渉次第だろう。それまでは迂闊に動くことは出来ない。
それともう一つ、手紙に書かれていたことがあった。
陛下はアンバー妃を廃妃にし、新たに側妃を二人迎える予定らしい。ラジーノとゼノは王妃様の元で教育し直しているが成長は芳しくないと書かれてあった。
それにしてもあれほど仲の良かったアンバー妃を廃妃にするなんて陛下に何があったのかしら。
「リヴィア王女様、陛下からの手紙は良いものでしたか?」
「ダリア、父からは私がケルノッティ国に戻ってこれるようにシューンエイゼット国に交渉をしているみたい。戦争の状況を見ながらまた連絡すると書いてあったわ。それとあのアンバー妃が廃妃になったそうよ」
「……あの方が、ですか」
これにはダリアも驚いている。もしかしてフェルディナンド様が最後に言っていたラジーノが薬を渡した件で何かがあったのかしら。考えれば考えるほど不思議でしかたがない。
「ティポー、シャーロット様の手紙では戦争が始まり避難民が王都に向かっているらしいわ。そのうちここにも来る。街長にも話をしておいて」
「畏まりました」
そうこうしている間に半年が経とうとしていた。
商人からの情報では戦況は悪化の一途を辿っているようだ。
カインディール国は後手後手に回っているようで、先日第五旅団は消失したとかどうとか。
あくまで商人から得た情報なので本当のところは分からない。だが、分かっているのはシューンエイゼット国が王都付近まで軍を進めているということらしい。
私たちはというと、離宮での生活は変わっていない。ケルノッティの陛下からはまだ動くことを止められているわ。
詳しいことは手紙に書かれていないけれど、カインディール国からケルノッティ国に出兵の要請があったみたい。
出兵の準備をしているが、同時にシューンエイゼット国とも水面下で交渉をしているらしい。
ケルノッティ国も戦争の余波で国民に不安が広がっているらしく、王妃様が動いているようだわ。
陛下と王妃様はアンバー妃が居なくなったことで夫婦仲が修復されたのかしら?
そうそう、シャーロット様は無事に公爵家に戻り、女公爵となったわ。今は領地内の状況を調べて守備に徹している。
国から援軍の要請が来ているらしいけれど、シャーロット様の領地は遠いという理由で派兵していない。
ドルク様はというと、戦場に赴いて軍を指揮したが、あっさり負けて王都に戻っている。
状況は刻々と変わっているわ。
離宮での生活は変わっていないけれど、変化は感じている。使用人や護衛たちに笑顔が減っているし、街に来る商人の出入りが減って雰囲気もどこか緊張しているようだ。
この街にも疎開してくる家族が増えてきている。
避難民が多くいる街や村では暴行や窃盗などが相次ぎ、治安が悪化しているらしい。
幸いなことに、この街は早々に準備を始めていたおかげで、今のところ問題なく過ごせている。
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