25 / 35
25 弟の心配
しおりを挟む
翌日からはマリリンと散歩したり、魔獣襲撃に備えた訓練をしたり、父の代理で執務をしたり、いつものような生活が再び始まろうとしていた。
父と母は今、忙しく動き回っている。セレスティナ王女のことで抗議をする名目で王都に出かけているのだ。
「ジネット姉さま、父様たちはいつ頃帰ってくるのですか?」
弟のファディが珍しく執務室へ来て心配そうに聞いてきた。
「そうね、セレスティナ王女殿下の今後が決まり次第だと思うわ。何か嫌な予感でもするの?」
ファディは母に似て勘が鋭いところがあるので私は少し心配になった。
「心配なんだ。誰かが怪我をするんじゃないかって。ただ心配なだけなんだけどね」
「そっか。分かった。私からお父様に知らせておくわ。大丈夫よ、きっと」
私がそう言うとファディはパッと明るい笑顔に戻っている。
「じゃあ、僕、また勉強してくる! 来年からは僕も王都に住むことになるからそれまでにいっぱい勉強していっぱい鍛錬もしないとね」
「無理しないのよ」
ファディはそう言って元気よく執務室を出て行った。
私が声を掛けても聞いていたのかいないのか。
ファディが怪我をすると言っていたわ。もしかして、襲撃があるのかもしれない。
……不安になる。
考えすぎかもしれない。
―チリンチリン
ちょうどそこに手紙を知らせる音が鳴り、一枚の手紙がふわりと私のところへ届いた。
彼からだわ! 嬉しい。
手紙に書かれた名前を見て心が小躍りしそうになる。
きっと私は、恋しているのだと思う。
手紙を読み、ギュッと手紙を握りしめる。
「お嬢様、お返事を書かれますか?」
「ケイティ、引き出しにある父のこの便箋でいいわ。父と邸にも連絡を取らないと」
私はすぐに手紙を書いて父たちに直接手紙を送った。
父と母は今、忙しく動き回っている。セレスティナ王女のことで抗議をする名目で王都に出かけているのだ。
「ジネット姉さま、父様たちはいつ頃帰ってくるのですか?」
弟のファディが珍しく執務室へ来て心配そうに聞いてきた。
「そうね、セレスティナ王女殿下の今後が決まり次第だと思うわ。何か嫌な予感でもするの?」
ファディは母に似て勘が鋭いところがあるので私は少し心配になった。
「心配なんだ。誰かが怪我をするんじゃないかって。ただ心配なだけなんだけどね」
「そっか。分かった。私からお父様に知らせておくわ。大丈夫よ、きっと」
私がそう言うとファディはパッと明るい笑顔に戻っている。
「じゃあ、僕、また勉強してくる! 来年からは僕も王都に住むことになるからそれまでにいっぱい勉強していっぱい鍛錬もしないとね」
「無理しないのよ」
ファディはそう言って元気よく執務室を出て行った。
私が声を掛けても聞いていたのかいないのか。
ファディが怪我をすると言っていたわ。もしかして、襲撃があるのかもしれない。
……不安になる。
考えすぎかもしれない。
―チリンチリン
ちょうどそこに手紙を知らせる音が鳴り、一枚の手紙がふわりと私のところへ届いた。
彼からだわ! 嬉しい。
手紙に書かれた名前を見て心が小躍りしそうになる。
きっと私は、恋しているのだと思う。
手紙を読み、ギュッと手紙を握りしめる。
「お嬢様、お返事を書かれますか?」
「ケイティ、引き出しにある父のこの便箋でいいわ。父と邸にも連絡を取らないと」
私はすぐに手紙を書いて父たちに直接手紙を送った。
420
あなたにおすすめの小説
P.S. 推し活に夢中ですので、返信は不要ですわ
汐瀬うに
恋愛
アルカナ学院に通う伯爵令嬢クラリスは、幼い頃から婚約者である第一王子アルベルトと共に過ごしてきた。しかし彼は言葉を尽くさず、想いはすれ違っていく。噂、距離、役割に心を閉ざしながらも、クラリスは自分の居場所を見つけて前へ進む。迎えたプロムの夜、ようやく言葉を選び、追いかけてきたアルベルトが告げたのは――遅すぎる本心だった。
※こちらの作品はカクヨム・アルファポリス・小説家になろうに並行掲載しています。
要らないと思ったのに人に取られると欲しくなるのはわからなくもないけれど。
しゃーりん
恋愛
フェルナンドは侯爵家の三男で騎士をしている。
同僚のアルベールが親に見合いしろと強要されたと愚痴を言い、その相手が先日、婚約が破棄になった令嬢だということを知った。
その令嬢、ミュリエルは学園での成績も首席で才媛と言われ、一部では名高い令嬢であった。
アルベールはミュリエルの顔を知らないらしく、婚約破棄されるくらいだから頭の固い不細工な女だと思い込んでいたが、ミュリエルは美人である。
ならば、アルベールが見合いをする前に、自分と見合いができないかとフェルナンドは考えた。
フェルナンドは騎士を辞めて実家の領地で働くために、妻を必要としていたからである。
フェルナンドとミュリエルの結婚を知ったアルベールは、ミュリエルを見て『返せ』と言い出す、というお話です。
従姉の子を義母から守るために婚約しました。
しゃーりん
恋愛
ジェットには6歳年上の従姉チェルシーがいた。
しかし、彼女は事故で亡くなってしまった。まだ小さい娘を残して。
再婚した従姉の夫ウォルトは娘シャルロッテの立場が不安になり、娘をジェットの家に預けてきた。婚約者として。
シャルロッテが15歳になるまでは、婚約者でいる必要があるらしい。
ところが、シャルロッテが13歳の時、公爵家に帰ることになった。
当然、婚約は白紙に戻ると思っていたジェットだが、シャルロッテの気持ち次第となって…
歳の差13歳のジェットとシャルロッテのお話です。
危害を加えられたので予定よりも早く婚約を白紙撤回できました
しゃーりん
恋愛
階段から突き落とされて、目が覚めるといろんな記憶を失っていたアンジェリーナ。
自分のことも誰のことも覚えていない。
王太子殿下の婚約者であったことも忘れ、結婚式は来年なのに殿下には恋人がいるという。
聞くところによると、婚約は白紙撤回が前提だった。
なぜアンジェリーナが危害を加えられたのかはわからないが、それにより予定よりも早く婚約を白紙撤回することになったというお話です。
夢を現実にしないための正しいマニュアル
しゃーりん
恋愛
娘が処刑される夢を見た。
現在、娘はまだ6歳。それは本当に9年後に起こる出来事?
処刑される未来を変えるため、過去にも起きた夢の出来事を参考にして、変えてはいけないことと変えるべきことを調べ始める。
婚約者になる王子の周囲を変え、貴族の平民に対する接し方のマニュアルを作り、娘の未来のために頑張るお話。
王妃ですが都からの追放を言い渡されたので、田舎暮らしを楽しみます!
藤野ひま
ファンタジー
わたくし王妃の身でありながら、夫から婚姻破棄と王都から出て行く事を言い渡されました。
初めての田舎暮らしは……楽しいのですが?!
夫や、かの女性は王城でお元気かしら?
わたくしは元気にしておりますので、ご心配御無用です!
〔『仮面の王と風吹く国の姫君』の続編となります。できるだけこちらだけでわかるようにしています。が、気になったら前作にも立ち寄っていただけると嬉しいです〕〔ただ、ネタバレ的要素がありますのでご了承ください〕
(本編完結)無表情の美形王子に婚約解消され、自由の身になりました! なのに、なんで、近づいてくるんですか?
水無月あん
恋愛
本編は完結してます。8/6より、番外編はじめました。よろしくお願いいたします。
私は、公爵令嬢のアリス。ピンク頭の女性を腕にぶら下げたルイス殿下に、婚約解消を告げられました。美形だけれど、無表情の婚約者が苦手だったので、婚約解消はありがたい! はれて自由の身になれて、うれしい! なのに、なぜ、近づいてくるんですか? 私に興味なかったですよね? 無表情すぎる、美形王子の本心は? こじらせ、ヤンデレ、執着っぽいものをつめた、ゆるゆるっとした設定です。お気軽に楽しんでいただければ、嬉しいです。
家族に裏切られて辺境で幸せを掴む?
しゃーりん
恋愛
婚約者を妹に取られる。
そんな小説みたいなことが本当に起こった。
婚約者が姉から妹に代わるだけ?しかし私はそれを許さず、慰謝料を請求した。
婚約破棄と共に跡継ぎでもなくなったから。
仕事だけをさせようと思っていた父に失望し、伯父のいる辺境に行くことにする。
これからは辺境で仕事に生きよう。そう決めて王都を旅立った。
辺境で新たな出会いがあり、付き合い始めたけど?というお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる