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31 クロティルドSide2
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そんなある日。
執務室にノアが暗い顔で入ってきた。それに憔悴しきっているというのがしっくりくるようなそんな雰囲気が見て取れた。彼はお茶会以降調子が悪いと仕事を休んでいたのだ。
「ノア、久しぶりだな。まだ顔色が悪いが大丈夫なのかい?まだ本調子ではなさそうだが?」
「いえ、体調は、まぁまぁです、が、その、あの」
ノアは今までに無かった奥歯に物が挟まったような言い方をしている。
「どうしたんだ?何か言いにくい事でも?」
執務室には護衛や従者、王太子付きの執事が部屋にいる。その者達には聞かれたくないような話なのだろうか?
「下がらせるか?」
「いえ、それは大丈夫なのですが、少しお聞きしたい事がありまして……」
「聞きたいこと?何でも聞いてくれ。答えられるものであれば答えるが」
「……モア・ウルダード伯爵令嬢の行方を知らないですか?」
「モア・ウルダード?あぁ、モア嬢か。今はサルドア国にいるが?」
「サルドア国……」
モア嬢の話を聞いて顔色が一層悪くなったように見える。
「モア嬢がどうかしたのか?」
「いえ、気づけばウルダード伯爵は知らない顔だったので」
「あぁ、そうか。君はまだ教えられていなかったんだっけ。モア嬢は怪我をして静養のために隣国へ渡った。そして父のダミアン・ウルダード伯爵は家令に爵位を譲り、隣国へ出て行った。……きっと彼等は、ラオワーダに帰ってくる事はないだろう。私のせいだな」
自分で口にしたのに傷ついている。情けないな。するとノアは急に俺に詰め寄った。
「モアが怪我!?どういう事なのですか!?」
三年前、彼は私の側近ではなかったから知らなかったのだろう。三年前のお茶会の出来事から話をすることにした。
「……ということだ。伯爵はその前から少しずつ隣国に移住しようとしていたのだろう。その理由は分からないがきっと貿易の拠点を隣国に移した方が良かったのだろうな。モア嬢には悪い事をした。私が守り切れずに怪我までさせた。本当なら私の妃に迎え入れる予定だったのに」
「……。モア嬢は今何をしているのですか?」
「分からない」
「分からない……?何故です?」
「あぁ。ダミアン・ウルダード元伯爵は一旦平民になった。シーラ夫人が今は女男爵となっているのは知っているが、その後の話は聞こえてこない」
「何故です?」
「考えてもみろ。隣国の数ある男爵位の話なんて話題に出す者はいないだろう?ダミアン元伯爵は貿易で巨額な資産を保有しているのではないかという話しか出てこない。シーラ男爵は元王女だ。情報を意図的に隠している事だってある」
私がそうノアに告げると、ノアは泣きそうな表情になっている。一体彼はどうしたんだ?モア嬢と何か繋がりがあったのだろうか?
「そんなにモア嬢の事が気になっているのなら手紙を送ればいいのではないか?私だって彼女の事が気になっている。だが、婚約者がアーデル嬢に内定してしまったので手紙を送っていないんだ。ついでに今、どうしているのか近況も聞きたいところだ」
……嘘だ。
私は手紙を送ろうと思えば送る事が出来た。でも、送った所で私の妃には出来ない、彼女は帰ってこないと分かっていて怖くて手紙を送る事が出来ずにいたんだ。ノアに手紙を送れと言って自分も彼女の近況が聞きたい。とんだ小心者だなと笑いさえ出てくる。そうして彼はモア嬢に手紙を送る事を決めたようだ。
モア嬢、今君は何をしているのかな。
執務室にノアが暗い顔で入ってきた。それに憔悴しきっているというのがしっくりくるようなそんな雰囲気が見て取れた。彼はお茶会以降調子が悪いと仕事を休んでいたのだ。
「ノア、久しぶりだな。まだ顔色が悪いが大丈夫なのかい?まだ本調子ではなさそうだが?」
「いえ、体調は、まぁまぁです、が、その、あの」
ノアは今までに無かった奥歯に物が挟まったような言い方をしている。
「どうしたんだ?何か言いにくい事でも?」
執務室には護衛や従者、王太子付きの執事が部屋にいる。その者達には聞かれたくないような話なのだろうか?
「下がらせるか?」
「いえ、それは大丈夫なのですが、少しお聞きしたい事がありまして……」
「聞きたいこと?何でも聞いてくれ。答えられるものであれば答えるが」
「……モア・ウルダード伯爵令嬢の行方を知らないですか?」
「モア・ウルダード?あぁ、モア嬢か。今はサルドア国にいるが?」
「サルドア国……」
モア嬢の話を聞いて顔色が一層悪くなったように見える。
「モア嬢がどうかしたのか?」
「いえ、気づけばウルダード伯爵は知らない顔だったので」
「あぁ、そうか。君はまだ教えられていなかったんだっけ。モア嬢は怪我をして静養のために隣国へ渡った。そして父のダミアン・ウルダード伯爵は家令に爵位を譲り、隣国へ出て行った。……きっと彼等は、ラオワーダに帰ってくる事はないだろう。私のせいだな」
自分で口にしたのに傷ついている。情けないな。するとノアは急に俺に詰め寄った。
「モアが怪我!?どういう事なのですか!?」
三年前、彼は私の側近ではなかったから知らなかったのだろう。三年前のお茶会の出来事から話をすることにした。
「……ということだ。伯爵はその前から少しずつ隣国に移住しようとしていたのだろう。その理由は分からないがきっと貿易の拠点を隣国に移した方が良かったのだろうな。モア嬢には悪い事をした。私が守り切れずに怪我までさせた。本当なら私の妃に迎え入れる予定だったのに」
「……。モア嬢は今何をしているのですか?」
「分からない」
「分からない……?何故です?」
「あぁ。ダミアン・ウルダード元伯爵は一旦平民になった。シーラ夫人が今は女男爵となっているのは知っているが、その後の話は聞こえてこない」
「何故です?」
「考えてもみろ。隣国の数ある男爵位の話なんて話題に出す者はいないだろう?ダミアン元伯爵は貿易で巨額な資産を保有しているのではないかという話しか出てこない。シーラ男爵は元王女だ。情報を意図的に隠している事だってある」
私がそうノアに告げると、ノアは泣きそうな表情になっている。一体彼はどうしたんだ?モア嬢と何か繋がりがあったのだろうか?
「そんなにモア嬢の事が気になっているのなら手紙を送ればいいのではないか?私だって彼女の事が気になっている。だが、婚約者がアーデル嬢に内定してしまったので手紙を送っていないんだ。ついでに今、どうしているのか近況も聞きたいところだ」
……嘘だ。
私は手紙を送ろうと思えば送る事が出来た。でも、送った所で私の妃には出来ない、彼女は帰ってこないと分かっていて怖くて手紙を送る事が出来ずにいたんだ。ノアに手紙を送れと言って自分も彼女の近況が聞きたい。とんだ小心者だなと笑いさえ出てくる。そうして彼はモア嬢に手紙を送る事を決めたようだ。
モア嬢、今君は何をしているのかな。
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