8 / 12
<<008 リンゴ飴食べたい
しおりを挟む俺はどこか心待ちにしていたのかも知れない。
フミカが誘ってくれる事を。
自分は嫌われようと努力してるって言うのに、相手からは好きでいて欲しいという矛盾。
いや、わかってるんだ......。
俺が間違ってることぐらいはとっくに。
全ての授業が終わり、全校生徒が武道館に移動する。
ただの学校行事。
シーンと静まり返った武道館の会場では既に薄暗く、カチャカチャとパイプ椅子が揺れる音だけ。
怖い先生が見張っているという事もあるが、私語は厳禁を皆守っている。
フミカとの放課後を少しだけ期待している自分に嫌気がさすが、早くこの行事を終わらせてくれという俺の考えは皆一緒だろう。
「え~と......」
キーンと反響音が鳴り響き武道館の舞台へと皆の視線が向かう。
会長 (仮)のイケメン君がマイクを握っていた。
「鈴木です、毎朝見てるから流石に顔は覚えてくれたよね、忘れた人は挙手を」
軽いジョーダンを交えながら話すイケメン君。
支持率100パーセントなんて言われているのが良くわかるぐらいだ。
俺はそんなのに賛成した覚えはないから、支持率99パーセントだけどな。
「前置きは置いといて......恋愛自由化に向けての運動を僕はずっと考えていました、ですがこの学校は恋愛を許してくれません! だから僕は先生方に聞きました」
マイクが乗る台を力強く叩くイケメン。
まぁ、様になってるよ。
「不純異性交遊は勉強する所には相応しくないと......可笑しくないですか? 付き合っても隠れて付き合うしかない、その分勉強にも支障が出たり、毎日相手の事を想って勉強が手につかない、思春期のあるあるですよね?」
シーンと静まり返ってたはずの会場がイケメンムードに包まれる。
小さな呟きから始まり、今では皆が不満を言いまくってうるさい。
波のような不満を一身に受けたイケメンはまたも机を叩く。
「だったら相応しい者同士が付き合えば丸く収まるんじゃないですか? 不純など、どこにもない互いを高めあって行ける純粋な者同士が付き合えば」
周りを見ると救世主でも見たように皆の目が輝き、先程まで不満を叫んでいた奴等が一斉に口を紡ぐ。
「それでは置いておいた本題です」
これがアイツの手だ、昔の俺を追い込んだように全てを自分が得をするように持っていくやり方。
周りを味方につけ、言いなりにさせる、これが人間の世界で1番強い力。
イケメン君はニヤリと笑う。
『恋愛投票を行いましょう』
0
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスで一番人気者の女子が構ってくるのだが、そろそろ僕がコミュ障だとわかってもらいたい
みずがめ
恋愛
学生にとって、席替えはいつだって大イベントである。
それはカースト最下位のぼっちである鈴本克巳も同じことであった。せめて穏やかな学生生活をを求める克巳は陽キャグループに囲まれないようにと願っていた。
願いが届いたのか、克巳は窓際の後ろから二番目の席を獲得する。しかし喜んでいたのも束の間、彼の後ろの席にはクラスで一番の人気者の女子、篠原渚が座っていた。
スクールカーストでの格差がありすぎる二人。席が近いとはいえ、関わることはあまりないのだろうと思われていたのだが、渚の方から克巳にしょっちゅう話しかけてくるのであった。
ぼっち男子×のほほん女子のほのぼのラブコメです。
※あっきコタロウさんのフリーイラストを使用しています。
【ヤンデレ八尺様に心底惚れ込まれた貴方は、どうやら逃げ道がないようです】
一ノ瀬 瞬
恋愛
それは夜遅く…あたりの街灯がパチパチと
不気味な音を立て恐怖を煽る時間
貴方は恐怖心を抑え帰路につこうとするが…?
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる