KAGUYA―月と時の交錯-

霧子ノア

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第15話:時の交錯

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午後の街外偵察任務。
薄暗い林道を進むカナタの力は安定せず、普段なら容易に封じられるドローンや障害物も、修正に時間がかかる。

「どうして……こんなに、力が……」
カナタは自分の声に耳を傾けるが、答えは返ってこない。

胸の奥で膨らむ焦燥と不安。自分の体が意志に反して動くような感覚が、戦闘中の心をさらに揺さぶる。

霧子は端末の前で、記録と観測データを照合していた。
他とは違う裂け目の揺らぎ、光の乱れ、カナタの手の震え。全てを重ねると、ただの疲労ではないことが明らかだった。

「休みを取りなさい。倒れたら戦えないわよ……無理は禁物」
それは警告であり、助言でもあり、無理をさせたくない霧子の素直な願いでもあった。

服部は遠くから見つめていた。
カナタの呼吸が、わずかに乱れている。過去の訓練では見たことのない、細かな動作のズレ。
服部は眉をひそめた。カナタの体に異変が確実に起きていると確信する。
「……これは、ただの疲労じゃない」

上層部は、何を知っている…
服部は、静かに奥歯を噛みしめる。何とかしないと。
俺は、どうすればいい…。

背後では、光る裂け目が、カナタと呼応するかのように揺れていた。

カナタは拳を握り、目の前の任務に集中する。
心の奥底には、不安が広がり続ける。
裂け目の光と自分の体調の微妙な変化――二つが交わるとき、僕は…。

霧子は観測を続けながらも、静かに息を呑んだ。
もしこのまま異変が進行すれば、戦闘中に致命的な結果を招く可能性がある。
しかし、直接手を出すことはできない。タイムパラドックスを引き起こしてはいけない…
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