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第27話:月へ帰る者(後編)
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服部は両手の拳を握りしめたまま、涙を拭おうとはしなかった。
拭ってしまえば、彼の消失を“受け入れたこと”になってしまう気がしたから。
カナタはそんな服部を見て、照れくさそうに頭をかいた。
「僕は月に帰るだけですよ。かぐや姫みたいに、ね」
カナタは照れくさそうに続けた。
「……って、男が言うと、あんまり締まらないですよね」
少し笑ったその表情は、幼い少年のように穏やかだった。
そんな冗談めいた言葉に
「ばかやろう・・・」
服部はそう返していた。
「でも……また生まれることがあれば……服部、君にまた会いたいです」
「カナタ!!」
服部の叫びが、光へと変わりつつあるカナタを包み込む。
カナタの身体は月へ帰るかのように、静かに光の粒子となって溶けてく。
裂け目も細く揺れ、カナタの光は、長い尾を引きながら静かに消えていった。
服部も霧子も、ただその消えゆく光を見つめていた。
風も音もなく、世界はまるで息を潜めていた。
「……霧子さん」服部がかすれた声で問う。
「あいつに……いつか、また会えるんでしょうか……」
霧子は黙ったまま、細い月を見上げた。
そして、静かに口を開く。
「分からないわ……でも、時間は複雑に絡み合い、私たちは歴史をも変えた。
だから……カナタも……きっといつか、どこかで」
淡く揺れる月光が、二人の瞳に静かに落ちていた。
拭ってしまえば、彼の消失を“受け入れたこと”になってしまう気がしたから。
カナタはそんな服部を見て、照れくさそうに頭をかいた。
「僕は月に帰るだけですよ。かぐや姫みたいに、ね」
カナタは照れくさそうに続けた。
「……って、男が言うと、あんまり締まらないですよね」
少し笑ったその表情は、幼い少年のように穏やかだった。
そんな冗談めいた言葉に
「ばかやろう・・・」
服部はそう返していた。
「でも……また生まれることがあれば……服部、君にまた会いたいです」
「カナタ!!」
服部の叫びが、光へと変わりつつあるカナタを包み込む。
カナタの身体は月へ帰るかのように、静かに光の粒子となって溶けてく。
裂け目も細く揺れ、カナタの光は、長い尾を引きながら静かに消えていった。
服部も霧子も、ただその消えゆく光を見つめていた。
風も音もなく、世界はまるで息を潜めていた。
「……霧子さん」服部がかすれた声で問う。
「あいつに……いつか、また会えるんでしょうか……」
霧子は黙ったまま、細い月を見上げた。
そして、静かに口を開く。
「分からないわ……でも、時間は複雑に絡み合い、私たちは歴史をも変えた。
だから……カナタも……きっといつか、どこかで」
淡く揺れる月光が、二人の瞳に静かに落ちていた。
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