ずっと一緒にいようね

仏白目

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人の記憶とは都合の良いもので・・・

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メイソン様がカイルを非難している

「君は今の話しの中で妻を愛していたと、言葉では何度も言っているくせに、肝心な所で相手を傷つけて、それで謝りたかった? そんな事を言ってしまってはどうにも修復は出来ないだろうし、もう謝る相手がいないじゃないか!」

「い、いや、そこにいるんだ!彼女はさくらの妻の生まれ変わりだ、俺にはわかる!」

不審な顔をしながらメイソンがクリスチーネをみて

「カイルが、こんな事を言っているがクリスチーネは心当たりあるかい?」

「いえ、何を言っているのか私には全くわからない話しですわ 」


「そんなはずはない! 思い出してくれよ!俺たちは、あんなに愛し合っていたじゃないか!」


「人聞きの悪いことを言うのは辞めてもらえますか?
あなた様とは舞踏会で一度、一方的に話されただけの関係で知り合いともいいがたいのに、そんな発言は不愉快です
話しは聞きましたが、私達には関係ない事ですのでお引き取り下さいな。」

「ああ、カイル.アネロンもう帰ってくれ!そして2度と来ないでくれ!

セバスチャン 勝手にやって来た客人が帰られるそうだ、後は頼むよ」


そうして、セバスチャンに促されカイルは帰って行った



「なんだか、前世の話しとか眉唾物の話しを聞かされて疲れたよ、庭でお茶でもしないか?
薔薇が綺麗に咲いていて、君を呼びに行こうと思っていたんだよ」

「ええ、喜んで ジュエル家自慢の薔薇をメイソンも気に入ってくれて嬉しいわ!」

「1番のお気に入りはクリスチーネだけどね?」

「ふふ、嬉しいわ!大好きよメイソン」

「大好きだよクリスチーネ」

見つめあい、口づけをかわす 


「ごほんっ、ごほんっ!  もう!この家にはまだまだ年若い娘がいるんですからね、そんなにどうどうとイチャイチャしないでよー  もう!お父様とお母様もいちゃついてるし!」

顔を見合わせて笑った後、再び口づけを交わす2人だった









クリスチーネは思った、前世の話は誰にもしないと・・・

カイル.アネロン =健治の前世の話しには突っ込みを入れたい所が満載だった、
さくらからみた夫は、仕事が忙しいと家族と出かけるのはたまに行くスーパーの買い出し、よその旦那様は朝のゴミ出しをしているのに、カッコ悪いと一度もしなかった。
子供の学校行事も、参加するのは運動会だけ、何不自由させていない?そんな稼ぎはなかったよね? 私もパートで働いていたし、浮気だってバレていないと思っているみたい

最後の方はほとんど会話もなかったのに、
愛し合っていたか・・・

そんなでも、この人と添い遂げると思いこんでいた私の目を冷ましてくれたのがあの日の『次は別のひとがいい』って返事、あの時はショックだったけど

今思えば、私を解放してくれた言葉だった

そして、それは今では無い世界の出来事




私は今を生きていくの バイバイ前世



       fin
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