『アンダーワールド・続編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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続編2 黒地の戦い

真のリーダー

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「今の日本の国力はゼロに近いですよ。

なのに借款を続けた結果、こんな状態なんです。

昔はまだ日本は安全、安心、

そんな都市伝説が動き回っていました。

そこで円借款を受けるための経済戦略をうち立てる国が、

増えてきたんです。

多くはインフラ投資ですが、

日本人が長年積み上げた技術のノウハウを、

国自らが売り買いの対象として懐を暖めてきました。

田口達が俺の金~俺の金~と騒いでいるのが、

この一つです。

お陰で今では技術者も海の外に流れています」

冥王が笑う。

「更には階級制度、AI社会で、

多くを人の代わりにアンドロイドが担っています。

人員不足と言えば聞こえはいいですが、

国民を使えば時給や保障が高くなる。

だから安い人材を外から入れたんです。

国の雇用制度を悪用する中抜きも現れ、

更には若者がやりたがらない仕事は高齢者が担ってきました。

その高齢者も間引きによって減らされた結果が現在です。

そこから衝突も生まれ、

労働者が憎み合う構造が生まれるべくして生まれました。

そんな事が長く続けば不満も蓄積され、

悪霊が増えて当然です。

だから地震もおさまらない。

十八年前の大災害を教訓としていない国民を作ったのが、

AI社会とアプリ推奨の金儲け議員と官僚に支配された、

国民の娯楽脳という訳です」

冥王は大きく一つため息をつくと続けた。

「今も災害が続き、主軸が壊れているのにもかかわらず、

災害国という事で防災支援の借款もしています。

国際社会では日本より支援を必要としている国が多いです。

だがこの国の現状に目を向けていません。

災害続きでも下層民と捨て地は置き去りで家畜扱いです。

国は移民政策に舵取りをして、

相手国との友好を理由に人口の維持をしています。

犯罪が起ころうが殺害されるのが日本人であれば、

国にとっては問題はないですからね。

それ程に今この国に日本人はいないんですよ。

共生を拒む者を見つければ自分本位だと言い、

外国人保護庁からのヘイト法で日本人は泣き寝入りです。

しまいには大沢という神を錦の御旗にする始末。

冥界は神をいいように利用されてしまいました」

冥王は自嘲気味に笑った。

向井達もそんな冥王の思いを聞きながら、

暫くの間沈黙が続いた。

「君達の調査のお陰で、

この国の動きは手に取るように分かりますが、

私には口出しする権利もありません。

それでもここまで抗って日本を残そうとしてきましたよ。

でも肝心の日本子供達が娯楽脳ではどうにもなりません。

今この国を救えるとしたら、

それは真のリーダーの登場です。

過去にも日本を取り戻そうとして、

消されていった者達が沢山いました。

私は殺害されてここに来た彼らの声を、

実際耳にしていますからね。

だから言うんです。

負に飲み込まれることなく、

国民を第一に考えられる強い指導者が、

今の日本にいますか? と」

冥王は知っているのかいないのか、

向井を見てから皆の顔を見回した。

向井は安田の事を考えながら冥王を見た。

「そういう人物が現れれば、

黒地を日本に戻せますか? 」

「………それは分かりません。人の欲は無限大です。

ただ捨て地を見てください。

たった一握りの思いやりさえあれば、

他人にも自分にも優しくなれるんです。

彼らにも欲はありますよ。

君達だって冥界での暮らしを、

もっと良くしたいと思っているでしょう」

冥王が微笑んだ。
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