490 / 659
続編2 黒地の戦い
真のリーダー
しおりを挟む
「今の日本の国力はゼロに近いですよ。
なのに借款を続けた結果、こんな状態なんです。
昔はまだ日本は安全、安心、
そんな都市伝説が動き回っていました。
そこで円借款を受けるための経済戦略をうち立てる国が、
増えてきたんです。
多くはインフラ投資ですが、
日本人が長年積み上げた技術のノウハウを、
国自らが売り買いの対象として懐を暖めてきました。
田口達が俺の金~俺の金~と騒いでいるのが、
この一つです。
お陰で今では技術者も海の外に流れています」
冥王が笑う。
「更には階級制度、AI社会で、
多くを人の代わりにアンドロイドが担っています。
人員不足と言えば聞こえはいいですが、
国民を使えば時給や保障が高くなる。
だから安い人材を外から入れたんです。
国の雇用制度を悪用する中抜きも現れ、
更には若者がやりたがらない仕事は高齢者が担ってきました。
その高齢者も間引きによって減らされた結果が現在です。
そこから衝突も生まれ、
労働者が憎み合う構造が生まれるべくして生まれました。
そんな事が長く続けば不満も蓄積され、
悪霊が増えて当然です。
だから地震もおさまらない。
十八年前の大災害を教訓としていない国民を作ったのが、
AI社会とアプリ推奨の金儲け議員と官僚に支配された、
国民の娯楽脳という訳です」
冥王は大きく一つため息をつくと続けた。
「今も災害が続き、主軸が壊れているのにもかかわらず、
災害国という事で防災支援の借款もしています。
国際社会では日本より支援を必要としている国が多いです。
だがこの国の現状に目を向けていません。
災害続きでも下層民と捨て地は置き去りで家畜扱いです。
国は移民政策に舵取りをして、
相手国との友好を理由に人口の維持をしています。
犯罪が起ころうが殺害されるのが日本人であれば、
国にとっては問題はないですからね。
それ程に今この国に日本人はいないんですよ。
共生を拒む者を見つければ自分本位だと言い、
外国人保護庁からのヘイト法で日本人は泣き寝入りです。
しまいには大沢という神を錦の御旗にする始末。
冥界は神をいいように利用されてしまいました」
冥王は自嘲気味に笑った。
向井達もそんな冥王の思いを聞きながら、
暫くの間沈黙が続いた。
「君達の調査のお陰で、
この国の動きは手に取るように分かりますが、
私には口出しする権利もありません。
それでもここまで抗って日本を残そうとしてきましたよ。
でも肝心の日本が娯楽脳ではどうにもなりません。
今この国を救えるとしたら、
それは真のリーダーの登場です。
過去にも日本を取り戻そうとして、
消されていった者達が沢山いました。
私は殺害されてここに来た彼らの声を、
実際耳にしていますからね。
だから言うんです。
負に飲み込まれることなく、
国民を第一に考えられる強い指導者が、
今の日本にいますか? と」
冥王は知っているのかいないのか、
向井を見てから皆の顔を見回した。
向井は安田の事を考えながら冥王を見た。
「そういう人物が現れれば、
黒地を日本に戻せますか? 」
「………それは分かりません。人の欲は無限大です。
ただ捨て地を見てください。
たった一握りの思いやりさえあれば、
他人にも自分にも優しくなれるんです。
彼らにも欲はありますよ。
君達だって冥界での暮らしを、
もっと良くしたいと思っているでしょう」
冥王が微笑んだ。
なのに借款を続けた結果、こんな状態なんです。
昔はまだ日本は安全、安心、
そんな都市伝説が動き回っていました。
そこで円借款を受けるための経済戦略をうち立てる国が、
増えてきたんです。
多くはインフラ投資ですが、
日本人が長年積み上げた技術のノウハウを、
国自らが売り買いの対象として懐を暖めてきました。
田口達が俺の金~俺の金~と騒いでいるのが、
この一つです。
お陰で今では技術者も海の外に流れています」
冥王が笑う。
「更には階級制度、AI社会で、
多くを人の代わりにアンドロイドが担っています。
人員不足と言えば聞こえはいいですが、
国民を使えば時給や保障が高くなる。
だから安い人材を外から入れたんです。
国の雇用制度を悪用する中抜きも現れ、
更には若者がやりたがらない仕事は高齢者が担ってきました。
その高齢者も間引きによって減らされた結果が現在です。
そこから衝突も生まれ、
労働者が憎み合う構造が生まれるべくして生まれました。
そんな事が長く続けば不満も蓄積され、
悪霊が増えて当然です。
だから地震もおさまらない。
十八年前の大災害を教訓としていない国民を作ったのが、
AI社会とアプリ推奨の金儲け議員と官僚に支配された、
国民の娯楽脳という訳です」
冥王は大きく一つため息をつくと続けた。
「今も災害が続き、主軸が壊れているのにもかかわらず、
災害国という事で防災支援の借款もしています。
国際社会では日本より支援を必要としている国が多いです。
だがこの国の現状に目を向けていません。
災害続きでも下層民と捨て地は置き去りで家畜扱いです。
国は移民政策に舵取りをして、
相手国との友好を理由に人口の維持をしています。
犯罪が起ころうが殺害されるのが日本人であれば、
国にとっては問題はないですからね。
それ程に今この国に日本人はいないんですよ。
共生を拒む者を見つければ自分本位だと言い、
外国人保護庁からのヘイト法で日本人は泣き寝入りです。
しまいには大沢という神を錦の御旗にする始末。
冥界は神をいいように利用されてしまいました」
冥王は自嘲気味に笑った。
向井達もそんな冥王の思いを聞きながら、
暫くの間沈黙が続いた。
「君達の調査のお陰で、
この国の動きは手に取るように分かりますが、
私には口出しする権利もありません。
それでもここまで抗って日本を残そうとしてきましたよ。
でも肝心の日本が娯楽脳ではどうにもなりません。
今この国を救えるとしたら、
それは真のリーダーの登場です。
過去にも日本を取り戻そうとして、
消されていった者達が沢山いました。
私は殺害されてここに来た彼らの声を、
実際耳にしていますからね。
だから言うんです。
負に飲み込まれることなく、
国民を第一に考えられる強い指導者が、
今の日本にいますか? と」
冥王は知っているのかいないのか、
向井を見てから皆の顔を見回した。
向井は安田の事を考えながら冥王を見た。
「そういう人物が現れれば、
黒地を日本に戻せますか? 」
「………それは分かりません。人の欲は無限大です。
ただ捨て地を見てください。
たった一握りの思いやりさえあれば、
他人にも自分にも優しくなれるんです。
彼らにも欲はありますよ。
君達だって冥界での暮らしを、
もっと良くしたいと思っているでしょう」
冥王が微笑んだ。
2
あなたにおすすめの小説
完結 王族の醜聞がメシウマ過ぎる件
音爽(ネソウ)
恋愛
王太子は言う。
『お前みたいなつまらない女など要らない、だが優秀さはかってやろう。第二妃として存分に働けよ』
『ごめんなさぁい、貴女は私の代わりに公儀をやってねぇ。だってそれしか取り柄がないんだしぃ』
公務のほとんどを丸投げにする宣言をして、正妃になるはずのアンドレイナ・サンドリーニを蹴落とし正妃の座に就いたベネッタ・ルニッチは高笑いした。王太子は彼女を第二妃として迎えると宣言したのである。
もちろん、そんな事は罷りならないと王は反対したのだが、その言葉を退けて彼女は同意をしてしまう。
屈辱的なことを敢えて受け入れたアンドレイナの真意とは……
*表紙絵自作
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
【完結】お父様の再婚相手は美人様
すみ 小桜(sumitan)
恋愛
シャルルの父親が子連れと再婚した!
二人は美人親子で、当主であるシャルルをあざ笑う。
でもこの国では、美人だけではどうにもなりませんよ。
転生皇女セラフィナ
秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。
目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。
赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。
皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。
前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。
しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。
一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。
「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」
そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。
言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。
それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。
転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。
※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。
完結 シシルナ島物語 少年薬師ノルド/ 荷運び人ノルド 蠱惑の魔剣
織部
ファンタジー
ノルドは、古き風の島、正式名称シシルナ・アエリア・エルダで育った。母セラと二人きりで暮らし。
背は低く猫背で、隻眼で、両手は動くものの、左腕は上がらず、左足もほとんど動かない、生まれつき障害を抱えていた。
母セラもまた、頭に毒薬を浴びたような痣がある。彼女はスカーフで頭を覆い、人目を避けてひっそりと暮らしていた。
セラ親子がシシルナ島に渡ってきたのは、ノルドがわずか2歳の時だった。
彼の中で最も古い記憶。船のデッキで、母セラに抱かれながら、この新たな島がゆっくりと近づいてくるのを見つめた瞬間だ。
セラの腕の中で、ぽつりと一言、彼がつぶやく。
「セラ、ウミ」
「ええ、そうよ。海」
ノルドの成長譚と冒険譚の物語が開幕します!
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載しております。
逆ハーENDは封じられました
mios
恋愛
乙女ゲームのヒロインに転生したので、逆ハーを狙ったら、一人目で封じられました。
騎士団長の息子(脳筋)がヒドインを追い詰め、逆ハーを阻止して、幸せにする話。
私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる