『アンダーワールド・続編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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番外編 西支部へ

デコパーツに夢中

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「明日行ってこようと思って。

冥王もレジンで作ってはいるんだけど、

数が多くて大変じゃない。

で、幾つか出来上がってるデコパーツが欲しいらしいの」

アンが言い、

「真紀子さんも行くって言ってたから、

多分チビも行きたがるかな」

と向井を見た。

「えっ? 」

驚く向井に、

「だって安達君も行くんでしょ。

だったら向井君も行かなきゃ。

私も巾着にデコつけようかな」

トリアが笑いながら言った。

「そういえばゼスも夢中になって作ってるな。

ゾンビ少年のカード入れて喜んでるからね」

エナトも思い出して笑った。

「どんなの作ってるの? 」

牧野が聞いた。

「気になるなら見に行ったら? 

今作ってるから」

弥生の言葉に牧野は、

食べ終わったお弁当をゴミ箱に捨てると、

部屋を飛び出していった。

「本当に疲れてるのかしらね。

忙しない子」

トリアはため息をついて笑った。


向井も食後に珈琲を飲み終えると、

工房へそのデコとやらをのぞきに行った。

見ると牧野が真剣にデコパーツを並べていた。

「これはオヤジが作ったの? 」

レジンで作った羽や王冠、リーフを見て驚いていた。

「そうですよ。ね~」

冥王は楽しそうに作ったパーツをボックスに仕舞いながら、

デコ作家の村本を見た。

「冥王は細かい作業得意ですよね。

ドールハウスも制作中と聞いて、

ビックリしました」

「聞きました? 聞きました? 」

冥王が自慢げにその場にいる者達に言う。

近くには青田や河原、森村といった派遣霊も、

一緒に作品を制作していた。

早紀、安達、ゼス、シェデムも楽しそうに作っている。

「皆さん、デコに夢中ですね」

向井が声をかけると、

「おっ、向井君もやってみますか? 」

椅子に座る冥王が顔をあげた。

「そうですね~

俺もちょっといいものもってるんですよ」

向井の意外な反応に冥王達が驚いていると、

工房の棚からクリアケースを持ってきて、

みんなに見せた。

「えっ? 」

作業していた彼らが驚いて向井を見上げる。

「これ全部、向井が作ったの? 

可愛い! 猫やクマもあるよ」

安達が口をあんぐり開けた。

「向井さんのアイデアは面白いですよ」

奥の個室から若い男性霊が出てきた。

「有難うございます。実はね。

彼が作っているのを見て、

俺もやりたくなって作ってたんですよ」

向井が作家の葛城佑を見た。

彼はシーリングスタンプ作家だ。

多くのアイデア雑貨を作り、本にもなっている。

「向井君はこういうものが好きなんですね」

冥王が作ったものを見ながら言った。

「好きというより、チビ達のご褒美で作ってたら、

楽しくなってハマりました」

「ご褒美? 」

早紀が聞き返しながら、

ふと何かを思い出したのか、

向井を指さした。

「あ………あのロゼットだ! 」

「ロゼットってなんですか? 」

冥王が早紀を見た。

「ほら、勲章みたいな形になってるブローチ。

チビが腰とか胸に付けてるでしょ。

あれ、向井君が作ったの? 」

「作ったのはシーリングスタンプだけ。

それを真紀子さんにお願いして、

ロゼットにしてもらったんです」
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