『アンダーワールド・続編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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番外編 冥界

北に新たな悪霊

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「果実は新しいものなので、

優香ちゃんにお願いします」

「どれどれ」

優香がやってくると、

一つ手に取ってにおいを嗅いだ。

「これは桃のニオイが強いね。

カットして食べよう」

優香がそういってナイフを入れるのを、

牧野が嬉しそうに見ている。

「はい。これ、向こうに運んで皆で食べたら? 」

優香が皿を牧野に渡した。

嬉しそうにテーブルに持っていく姿に向井は笑うと、

「それで、こっちは焼き立てのレアノザン。

アボカドとかあれば、

サンドイッチに出来ないかなと思って」

と渡した。

その横から優香が、

もう一つカットした果実を皿に入れた。

「食べてみて。これもフルーツサンドに合うと思うよ」

二人も食べて笑顔になる。

「生の方が甘みが強いですね」

向井が言うと、

「だったらフルーツサンドと、

アボカドとベーコンとクリームチーズで、

サンドイッチにしようか」

セーズが食べながら頷いた。

「そういえば牧野君達は、今昼食なんですか? 」

テーブルを振り返ってからセーズを見た。

「向井さん達が出掛けてすぐに、

北で問題が起きて出掛けてたんですよ」

「あぁ、それでチビ達の面倒をセイ君達が見てるんですね」

「そう。今日は冥王もいなかったから、

じいじは~ってうるさかったからね」

セーズが笑った。

「牧野君が元気という事は、

そこまで酷くなかったのかな? 」

「というより、

弥生ちゃんのサポートがいいんだよ。

牧野君もだいぶ楽なんじゃないかな」

「さぼり癖がつかなきゃいいけど」

向井が笑った。

「それからこれも。

優香ちゃんと二人で食べてください。

その実で作られたケーキです。

美味しいですよ」

「いいの? 嬉しい~」

優香は笑顔になるとセーズと一緒に、

スツールに腰かけ口に入れた。

「美味しい」

二人の美味しそうな顔を見て笑うと、

向井はカウンターから、

牧野達のテーブルに歩いて行った。 


「これ、新しい果実なんだって? 」

「苺のような味なのに桃の香りで、

ゼリーのようなとろんとした食感が、

新しいよね」

「私もこんなの初めて」

トリアと坂下、弥生が笑顔のまま向井を見た。

「最近は新種の実が生るので、

掛け合わせているそうです」

「いいね~新しい味が沢山食べられるじゃん」

牧野もニコニコ笑った。

「それより牧野君は弥生ちゃんのお陰で、

手抜きしてるそうですね」

「してねぇよ。最近は毒が抜けにくいから、

疲れるんだよ。

カプセル入ってもすぐに除去に行くから、

蓄積されて体が重いの」

牧野が残りの食事を終えると、

向井を見上げた。

「牧野君はガードの訓練をした方がいいね。

究鬼がシールド開発してるんだけど、

悪霊もどんどん進化してるだろ。

簡単なシールドじゃ防げなくなってるんだ」

「坂下さん達のようなガードが張れれば、

毒を受けずにすむんだけど。

毎回お守りと弥生ちゃんに助けられてるから、

疲れるんだよ」

ティンとアートンがため息をついて笑った。
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