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続編 黒地のあがき
天下五剣に夢中?
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喫茶店から戻ると、
セイがカウンターから出てきた。
「やっと帰ってきた~
さっきまでチビ達が寝ないで待つって言ってたんだけど、
さすがに我慢できなくて就寝したよ」
「すいませんね。夕食済ませてきたので」
向井はそういうとお土産を見せた。
みんなで手分けして持つ袋に、
セイの顔が輝いた。
そこへ牧野と安達が走って来た。
「遅ぇよ」
ムッとした顔で言う牧野に皆は笑うと、
「お土産買ってきたから食べない? 」
弥生が言った。
「何買ってきたの? 」
安達が笑顔で袋を見た。
「カステラでしょ。クッキーパイでしょ。
チョコレートでしょう。ドーナツに豚まん? 」
牧野達の輝く瞳に向井達は笑いながら休憩室に歩いて行った。
休憩室では冥王達が新田の主演映画を見ていた。
三部作で大ヒットした作品は今でも人気で、
再放送も多い。
向井達が入ってきたのに気づいた早紀が、
「お帰り~」
と振り返った。
新田も立ち上がるとキッチンにやってきた。
冥王と妖鬼、坂下、佐久間、田所、ティンが夢中になって見ていた。
「なんか自分の映画って、こうやって流して見てると、
やっぱ恥ずかしいね」
新田が笑った。
「私この作品好きなんだよね。
面白いよね」
早紀もキッチンに来るとカップを並べた。
「どんな話なの? 」
シェデムが聞く。
「天下五剣をテーマにしてるんだけど、
国家転覆を狙う魔王が出てきて、
それを退治するにはこの五振が揃わないとダメなのよ」
「へえ~新田君は主人公なんでしょ」
アートンも興味が出てきたのか画面をのぞきながら言った。
「この主人公は五剣じゃないの。
ここにもう一つ誰も知らない刀があって、
それは五剣の力の全てを持つ、
天から降りてきた神の剣なの」
「それが新田君なんだ。面白そうだな」
ディッセも夢中になっている冥王達に笑った。
見るとお菓子を袋から出しながら、
牧野と安達も真剣に見ていた。
向井が珈琲を淹れながら、
「新田君の殺陣はこういう役作りの為に、
練習されているんですね。
俺も教えてもらって、形の美しさに見惚れちゃいましたからね」
と新田を見た。
「嬉しいな。これの三部は死んでここで見たんだよ」
「そうなの? 」
真紀子が驚きながらトレイにカップを並べた。
「映画はまとめて撮影したから最後まで出来てたんだけど、
編集が入って時間を置いて一部、二部って上映になるでしょ。
三部が上映される前に俺亡くなっちゃったから、
TV放映されるの知って見たんだ」
「私も全部見てないから、
死んでまとめてみた」
弥生も笑顔で話した。
「冥王が好きそうな話よね」
早紀がトレイを持って言った。
「これも河原さんの原作ですよね。
河原さんが自慢げに話してました」
「ハハハ。
俺も知らないでオーデション受けてるものもあって、
合格して原作見て驚くことも多かったな。
この作品はキャストにだけは口出しさせろって、
審査員席に座ってたから覚えてるんだ」
「そうなんだ」
アートンが言い、みんなでトレイを持ってテーブルに歩いて行った。
「これも全三十三巻なんで、
どうしても原作の改変が出てくるから、
登場人物の設定とキャラクターだけは崩すなって事でね」
新田はそういうと、
「珈琲淹れたよ」
と声をかけた。
「有難うございます」
冥王達はそう言いながら、カップを手に画面に釘付けだ。
「向井は見た? 凄ぇカッコいいんだよ。
実際の新田と大違いだよ」
「そんなことないでしょ」
真紀子が笑いながら牧野に言った。
「俺は安達君に勧められてみましたよ。
天下五剣のお話は人気なんですね。
多くの作品がありましたけど、河原さん原作が一番面白かったです。
原作と多少違いますけど、映画も楽しかったです」
向井は画面を見ながらソファーに座った。
「河原さんの才能にはあらためて驚かされました。
恋愛、SF、ファンタジー、時代物、ミステリー、転生、
コメディーと何でも書かれてますからね」
「そうなんだよ。俺も作品のオファー受けたら彼女の原作が多かったからね」
「だからか。イベントでも河原さんのファンは多いもんな」
ディッセもカステラを出しながら言った。
その時、
「パパいたぁ~」
「いたぁ~」
「えっ? 」
その声に振り向くとハクとクロウが立っていた。
セイがカウンターから出てきた。
「やっと帰ってきた~
さっきまでチビ達が寝ないで待つって言ってたんだけど、
さすがに我慢できなくて就寝したよ」
「すいませんね。夕食済ませてきたので」
向井はそういうとお土産を見せた。
みんなで手分けして持つ袋に、
セイの顔が輝いた。
そこへ牧野と安達が走って来た。
「遅ぇよ」
ムッとした顔で言う牧野に皆は笑うと、
「お土産買ってきたから食べない? 」
弥生が言った。
「何買ってきたの? 」
安達が笑顔で袋を見た。
「カステラでしょ。クッキーパイでしょ。
チョコレートでしょう。ドーナツに豚まん? 」
牧野達の輝く瞳に向井達は笑いながら休憩室に歩いて行った。
休憩室では冥王達が新田の主演映画を見ていた。
三部作で大ヒットした作品は今でも人気で、
再放送も多い。
向井達が入ってきたのに気づいた早紀が、
「お帰り~」
と振り返った。
新田も立ち上がるとキッチンにやってきた。
冥王と妖鬼、坂下、佐久間、田所、ティンが夢中になって見ていた。
「なんか自分の映画って、こうやって流して見てると、
やっぱ恥ずかしいね」
新田が笑った。
「私この作品好きなんだよね。
面白いよね」
早紀もキッチンに来るとカップを並べた。
「どんな話なの? 」
シェデムが聞く。
「天下五剣をテーマにしてるんだけど、
国家転覆を狙う魔王が出てきて、
それを退治するにはこの五振が揃わないとダメなのよ」
「へえ~新田君は主人公なんでしょ」
アートンも興味が出てきたのか画面をのぞきながら言った。
「この主人公は五剣じゃないの。
ここにもう一つ誰も知らない刀があって、
それは五剣の力の全てを持つ、
天から降りてきた神の剣なの」
「それが新田君なんだ。面白そうだな」
ディッセも夢中になっている冥王達に笑った。
見るとお菓子を袋から出しながら、
牧野と安達も真剣に見ていた。
向井が珈琲を淹れながら、
「新田君の殺陣はこういう役作りの為に、
練習されているんですね。
俺も教えてもらって、形の美しさに見惚れちゃいましたからね」
と新田を見た。
「嬉しいな。これの三部は死んでここで見たんだよ」
「そうなの? 」
真紀子が驚きながらトレイにカップを並べた。
「映画はまとめて撮影したから最後まで出来てたんだけど、
編集が入って時間を置いて一部、二部って上映になるでしょ。
三部が上映される前に俺亡くなっちゃったから、
TV放映されるの知って見たんだ」
「私も全部見てないから、
死んでまとめてみた」
弥生も笑顔で話した。
「冥王が好きそうな話よね」
早紀がトレイを持って言った。
「これも河原さんの原作ですよね。
河原さんが自慢げに話してました」
「ハハハ。
俺も知らないでオーデション受けてるものもあって、
合格して原作見て驚くことも多かったな。
この作品はキャストにだけは口出しさせろって、
審査員席に座ってたから覚えてるんだ」
「そうなんだ」
アートンが言い、みんなでトレイを持ってテーブルに歩いて行った。
「これも全三十三巻なんで、
どうしても原作の改変が出てくるから、
登場人物の設定とキャラクターだけは崩すなって事でね」
新田はそういうと、
「珈琲淹れたよ」
と声をかけた。
「有難うございます」
冥王達はそう言いながら、カップを手に画面に釘付けだ。
「向井は見た? 凄ぇカッコいいんだよ。
実際の新田と大違いだよ」
「そんなことないでしょ」
真紀子が笑いながら牧野に言った。
「俺は安達君に勧められてみましたよ。
天下五剣のお話は人気なんですね。
多くの作品がありましたけど、河原さん原作が一番面白かったです。
原作と多少違いますけど、映画も楽しかったです」
向井は画面を見ながらソファーに座った。
「河原さんの才能にはあらためて驚かされました。
恋愛、SF、ファンタジー、時代物、ミステリー、転生、
コメディーと何でも書かれてますからね」
「そうなんだよ。俺も作品のオファー受けたら彼女の原作が多かったからね」
「だからか。イベントでも河原さんのファンは多いもんな」
ディッセもカステラを出しながら言った。
その時、
「パパいたぁ~」
「いたぁ~」
「えっ? 」
その声に振り向くとハクとクロウが立っていた。
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