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幸せのお裾分け
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婚約者選びの会場から逃げ帰った僕は、そのまま自分の部屋に戻って仮面を脱ぎ捨てた。
身にまとっている豪華で可憐な衣装も、美しく結われた髪も全部ぜんぶぐちゃぐちゃにして自分のことなのに訳の分からない感情を涙に変えて垂れ流す。
「なにかあったの?」
僕が帰ってきたのに気がついたのかラルが部屋へとやってきて声をかけてきた。
眉を寄せて僕のことを見つめているラルを思わず睨みつける。
「……気はすんだ?」
「……貴方、王太子様に会わなかったの?」
「そんなこと聞いてどうするだよっ!僕はもう役目は果たしたんだからかまわないで!!」
はらはらと涙を流しながらラルに向かって怒りをぶつける。こんなの八つ当たりと変わらない。それになんで自分がこんなに腹を立てているのかも分からなかった。
「エスメラルダ、どうして怒ってるのよ。それに右目……やっぱり王太子様に会ったんじゃない。どうして火傷を治してもらわなかったの?」
困惑した表情でラルが聞いてくるから、僕はそれ以上酷い言葉を返せずに、ただ一言治さないで欲しいって頼んだんだと教えた。
その僕の返事に彼女は益々困惑を深める。
「……どうして……それじゃ意味無いわ」
「……そうだよ。こんな顔の僕に意味なんて無い。それにラルじゃないことは直ぐにバレるはずだ。目の色も違うし火傷だって見られたんだから」
「……そんなの分かってるわ……でも……」
「もう、いいから……とにかく放っておいてほしい」
素っ気なく言えば、ラルは渋々部屋から出て行ってくれた。
おもえばラルにこんなにも強く何かを言ったことは無かった気がする。いつだって彼女は僕の手を引いて、僕はそれについて行っていたから。
でも、それも遠い昔のことだ。
見えるようになった瞳を鏡で確認すると、何故か緑色の瞳が薄い金色へと変化していた。
「……魔法のせい?」
治らないはずの傷を回復魔法で無理矢理治したからこんな色になったのだろうか……。見え方によっては薄い緑にも見えなくはない気もした。
身にまとっている豪華で可憐な衣装も、美しく結われた髪も全部ぜんぶぐちゃぐちゃにして自分のことなのに訳の分からない感情を涙に変えて垂れ流す。
「なにかあったの?」
僕が帰ってきたのに気がついたのかラルが部屋へとやってきて声をかけてきた。
眉を寄せて僕のことを見つめているラルを思わず睨みつける。
「……気はすんだ?」
「……貴方、王太子様に会わなかったの?」
「そんなこと聞いてどうするだよっ!僕はもう役目は果たしたんだからかまわないで!!」
はらはらと涙を流しながらラルに向かって怒りをぶつける。こんなの八つ当たりと変わらない。それになんで自分がこんなに腹を立てているのかも分からなかった。
「エスメラルダ、どうして怒ってるのよ。それに右目……やっぱり王太子様に会ったんじゃない。どうして火傷を治してもらわなかったの?」
困惑した表情でラルが聞いてくるから、僕はそれ以上酷い言葉を返せずに、ただ一言治さないで欲しいって頼んだんだと教えた。
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「……どうして……それじゃ意味無いわ」
「……そうだよ。こんな顔の僕に意味なんて無い。それにラルじゃないことは直ぐにバレるはずだ。目の色も違うし火傷だって見られたんだから」
「……そんなの分かってるわ……でも……」
「もう、いいから……とにかく放っておいてほしい」
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