緑宝は優しさに包まれる〜癒しの王太子様が醜い僕を溺愛してきます〜

天宮叶

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家族になろう

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お菓子を持って部屋へと戻ると、テオはソファーに丸くなって眠っていた。

その姿を見てほっとしてしまう。

もしかしたら伯爵家ではあまり寝れていなかったのかもしれない。

お菓子の乗ったトレーをテーブルに置いて、起こさないようにしながらテオの隣に腰かけた。

そっと彼の髪を撫でながら、此処が彼にとって安心できる場所になればいいって思う。

「……母ちゃん」

寝言なのかテオがそう言葉を漏らして、それを聞いて胸が苦しくなった。

それと同時に、彼を守らないとって何故か強くそう思ったんだ。

いつか、彼の親になる未来が訪れるかもしれない。
そんな未来を想像するだけで、僕はテオのことを愛おしく思える気がした。

これは少しの同情と共感から産まれた感情なのかもしれないとも思う。

幼いながらに親から引き離され孤独になった彼と、親に見捨てられてしまった僕。

そんな彼と自分を照らし合わせて、勝手に仲間意識を持っているだけなのかも……。

けど、今はそれでいいと思う。
少しずつ彼の家族になっていけばいいんだ。

テオの少し焼けた頬を撫でながら、くすりと笑みうかべる。

「ルダ居るかい?」

テオの寝顔を眺めていると、フェリクス様の声が部屋の外から聞こえてきて、テオを起こさないようにしながら慌てて入口へと向かった。

「お帰りなさい」

「ただいまルダ。テオはいるかい?」

扉を開けると、案の定フェリクス様が立っていて、僕が挨拶をしたらフェリクス様も返してくれた。

「あの子なら今は眠ってます」

「そうなんだね」

「はい。そうだ、お聞きしたいことがあるんです」

「なんだい?」

首を傾げるフェリクス様に部屋に入るように言ってテオの手錠を見せる。

そうしたら、フェリクス様の顔に一瞬だけ怒りの感情が垣間見えた気がした。

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