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いつまでも仲良くな
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◇◇◇
ボンッと大きな音をたてて魔力の玉が的へとぶつかった。
「やった!お兄様見ていましたか!?」
「あぁ、よく頑張ったな」
魔術訓練を始めてから半年以上が経った。
フィーロは挫けそうになりながらも、魔術を的に当てる訓練をやめることはなく、先程ついに的当てに成功した。
「貴族学校に行ったらもっともっと練習します。僕にはあまり魔術の才能はないけれど、お兄様に教わったことをしっかり実践していきます」
「明日には出発だな。よく頑張った」
出発ギリギリで的当てに成功したフィーロを誇らしく思う。やると決めたことは成し遂げる強さは、見ていて応援したくなるし尊敬できる。
頭を撫でると嬉しそうにはにかんでくれた。こうやって触れ合うことや、会うことができなくなると思うと寂しくてたまらない。
「フィーロ様おめでとうございます。素晴らしい魔術でした」
シャノンも近づいてきてフィーロに声をかけた。
フィーロが貴族学校へ通うようになれば二人もあまり会えなくなる。貴族学校へは使用人を一人連れて行くことができるが、フィーロはシャノンを連れて行くつもりはないようだった。
シャノンが魔術協会に入りたいと思っていることをフィーロも知っているからだろう。
「ありがとう。ねぇ、シャノン。僕、前と比べたら随分と背が伸びたと思わない?」
「そうですね。立派になられました」
訓練のせいなのか、全体的に筋力もついた気がする。
魔術訓練と並行して、体力を維持するための筋力トレーニングも行っていたからだ。
「もっともっと男らしくなって帰ってくる。だから僕のこと待っていてほしい」
顔を真っ赤に染めたフィーロは、シャノンの両手を握りながら言葉を紡ぐ。その言葉を、シャノンも嬉しそうに見つめながら聞いていた。
「もちろんです。どこに居てもフィーロ様のことを思っています」
「っ、約束だからね」
「はい。約束です」
可愛らしいやり取りを見守っていると、目頭が熱くなる感覚がした。
なんて尊い二人なのだろう。このまま無事に二人の思いが実ることを祈りたい。
「二人とも訓練は終わりだ。部屋に戻って体を清めてこい。昼食を用意してもらう」
声をかけると、手を離した二人が並んで部屋へと向かい始めた。
ゼンもそのすぐ後ろをついていく。
青い眼差しに仲睦まじい二人の姿が映っていた。
ボンッと大きな音をたてて魔力の玉が的へとぶつかった。
「やった!お兄様見ていましたか!?」
「あぁ、よく頑張ったな」
魔術訓練を始めてから半年以上が経った。
フィーロは挫けそうになりながらも、魔術を的に当てる訓練をやめることはなく、先程ついに的当てに成功した。
「貴族学校に行ったらもっともっと練習します。僕にはあまり魔術の才能はないけれど、お兄様に教わったことをしっかり実践していきます」
「明日には出発だな。よく頑張った」
出発ギリギリで的当てに成功したフィーロを誇らしく思う。やると決めたことは成し遂げる強さは、見ていて応援したくなるし尊敬できる。
頭を撫でると嬉しそうにはにかんでくれた。こうやって触れ合うことや、会うことができなくなると思うと寂しくてたまらない。
「フィーロ様おめでとうございます。素晴らしい魔術でした」
シャノンも近づいてきてフィーロに声をかけた。
フィーロが貴族学校へ通うようになれば二人もあまり会えなくなる。貴族学校へは使用人を一人連れて行くことができるが、フィーロはシャノンを連れて行くつもりはないようだった。
シャノンが魔術協会に入りたいと思っていることをフィーロも知っているからだろう。
「ありがとう。ねぇ、シャノン。僕、前と比べたら随分と背が伸びたと思わない?」
「そうですね。立派になられました」
訓練のせいなのか、全体的に筋力もついた気がする。
魔術訓練と並行して、体力を維持するための筋力トレーニングも行っていたからだ。
「もっともっと男らしくなって帰ってくる。だから僕のこと待っていてほしい」
顔を真っ赤に染めたフィーロは、シャノンの両手を握りながら言葉を紡ぐ。その言葉を、シャノンも嬉しそうに見つめながら聞いていた。
「もちろんです。どこに居てもフィーロ様のことを思っています」
「っ、約束だからね」
「はい。約束です」
可愛らしいやり取りを見守っていると、目頭が熱くなる感覚がした。
なんて尊い二人なのだろう。このまま無事に二人の思いが実ることを祈りたい。
「二人とも訓練は終わりだ。部屋に戻って体を清めてこい。昼食を用意してもらう」
声をかけると、手を離した二人が並んで部屋へと向かい始めた。
ゼンもそのすぐ後ろをついていく。
青い眼差しに仲睦まじい二人の姿が映っていた。
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