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結局教室まで多くの視線にさらされた。カナダでもそれなりに遠目で見られたり差別を受けたりしていたから気にはならないが、ここの生徒から受ける視線は何となく落ち着かない。
「それじゃ、ここが3組だから俺も戻るわ。何か困ったことがあったらいつでも頼ってくれよ」
「ありがとうございました」
「おう!今度昼食でも一緒にとるか。また誘うわ!じゃあな!」
颯爽と消えていく瀬川の背中を見送ってから、俺も自分の教室に入る。最後まで勢いのある人だったな。
黒板に貼られた座席表を確認し自分の席に向かうが、やはり注目されている気がする。こうも視線が集まりすぎると落ち着かない。見てくる相手の方に顔を向けるとすぐに逸らされるから話しかけるわけにもいかないし、早速浮いてるのかもしれない。溜息が出そうになるのを抑え、鞄から物を取り出していると、3人の生徒が近寄って来た。
「おい、お前何者だ?」
「…は?」
「瀬川様の何なのだと聞いているんだ!」
「外部生のくせに入学初日から瀬川様に色目を使ってわかってるんだろうな?」
「超、…ちょっとイケメンだからって生意気なんだよ!」
瀬川はやはり人気者らしい。一学年の差だし内部生からの知名度が高いのかもしれない。それにしても、内部生と外部生の溝はかなり深そうだ。何となく予想はできていたが、ここまで面と向かって言われるとは思わなかった。
「おい!聞いてるのか!」
「あーはいはい。聞いてる聞いてる」
「なんだその適当な反応!イケメンだからって…クソ!かっこいい!」
「あしらわれてる感じが癖になる!」
「近くで見るとさらにイケメンだな!」
訂正する。意外と溝は浅そうだ。
「とにかく!隣で歩いても引き立て役どころか絵になるからって、これ以上瀬川様に近づこうなんて考えるなよ!」
「外部生は知らないだろうが!瀬川様はみんなの瀬川様なんだ!イケメンだろうと抜け駆けは許されない!」
「そんなに見るな!好きになるだろ!」
貶されているのか褒められているのかわからないが、3人は言いたいことだけ言ってさっさと自分たちの席へと戻っていった。結局何がしたかったんだろうか。全員背が低いうえに声も少し高いから犬とか猫とか、そういう類の小動物が吠えているようにしか見えなかった。
瀬川のファンは熱烈なオタクが多いんだなとぼんやり考えていると、今度は後ろから背中をツンツンとつつかれた。今日はやけにモテる日なのかもしれない。
振り返ると頬杖をついた相手に笑いかけられる。光に当たると金色にも見える明るい茶髪の間からいくつかピアスが見え隠れする。ふわりとした笑顔には少し危ない匂いがするがどこか惹きつけられる。
完全に油断していた。何となくBLゲームの世界といってもモブだからか、どこか他人事のように見ていた。自分が恋愛をするわけではないし、避ける必要もないと思ってはいる。だが、いざ向かい合うと少し警戒してしまう。それが相手にも伝わったのか、さらに笑みを深めてきた。
「面白いね彼ら。文句言うために来て君の顔に撃退されてるの愉快すぎるでしょ」
「…そうだな。結局何が言いたかったのかいまいちわからなかった」
「はは、確かに。俺は如月飛鳥。君は?」
「藤崎千紘。よろしく」
「千紘くんね!末永くよろしくね」
会話の節々から既にチャラ男の片鱗が見える。如月飛鳥、名前何て聞かなくても知っている。『どうしようもなく君を』で一番はじめに主人公に目をつけるチャラ男会計だ。来るもの拒まず去る者追わず、誰とでも遊ぶことで有名だったが、主人公と出会いはじめて恋を知り、一途になっていく。百戦錬磨なくせして、好きになった相手には不器用なところが姉的推しポイントだそうだ。
「それじゃ、ここが3組だから俺も戻るわ。何か困ったことがあったらいつでも頼ってくれよ」
「ありがとうございました」
「おう!今度昼食でも一緒にとるか。また誘うわ!じゃあな!」
颯爽と消えていく瀬川の背中を見送ってから、俺も自分の教室に入る。最後まで勢いのある人だったな。
黒板に貼られた座席表を確認し自分の席に向かうが、やはり注目されている気がする。こうも視線が集まりすぎると落ち着かない。見てくる相手の方に顔を向けるとすぐに逸らされるから話しかけるわけにもいかないし、早速浮いてるのかもしれない。溜息が出そうになるのを抑え、鞄から物を取り出していると、3人の生徒が近寄って来た。
「おい、お前何者だ?」
「…は?」
「瀬川様の何なのだと聞いているんだ!」
「外部生のくせに入学初日から瀬川様に色目を使ってわかってるんだろうな?」
「超、…ちょっとイケメンだからって生意気なんだよ!」
瀬川はやはり人気者らしい。一学年の差だし内部生からの知名度が高いのかもしれない。それにしても、内部生と外部生の溝はかなり深そうだ。何となく予想はできていたが、ここまで面と向かって言われるとは思わなかった。
「おい!聞いてるのか!」
「あーはいはい。聞いてる聞いてる」
「なんだその適当な反応!イケメンだからって…クソ!かっこいい!」
「あしらわれてる感じが癖になる!」
「近くで見るとさらにイケメンだな!」
訂正する。意外と溝は浅そうだ。
「とにかく!隣で歩いても引き立て役どころか絵になるからって、これ以上瀬川様に近づこうなんて考えるなよ!」
「外部生は知らないだろうが!瀬川様はみんなの瀬川様なんだ!イケメンだろうと抜け駆けは許されない!」
「そんなに見るな!好きになるだろ!」
貶されているのか褒められているのかわからないが、3人は言いたいことだけ言ってさっさと自分たちの席へと戻っていった。結局何がしたかったんだろうか。全員背が低いうえに声も少し高いから犬とか猫とか、そういう類の小動物が吠えているようにしか見えなかった。
瀬川のファンは熱烈なオタクが多いんだなとぼんやり考えていると、今度は後ろから背中をツンツンとつつかれた。今日はやけにモテる日なのかもしれない。
振り返ると頬杖をついた相手に笑いかけられる。光に当たると金色にも見える明るい茶髪の間からいくつかピアスが見え隠れする。ふわりとした笑顔には少し危ない匂いがするがどこか惹きつけられる。
完全に油断していた。何となくBLゲームの世界といってもモブだからか、どこか他人事のように見ていた。自分が恋愛をするわけではないし、避ける必要もないと思ってはいる。だが、いざ向かい合うと少し警戒してしまう。それが相手にも伝わったのか、さらに笑みを深めてきた。
「面白いね彼ら。文句言うために来て君の顔に撃退されてるの愉快すぎるでしょ」
「…そうだな。結局何が言いたかったのかいまいちわからなかった」
「はは、確かに。俺は如月飛鳥。君は?」
「藤崎千紘。よろしく」
「千紘くんね!末永くよろしくね」
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