聞いてた話と何か違う!

きのこのこのこ

文字の大きさ
5 / 24

しおりを挟む
ガラガラと乱暴に教室のドアが開かれた。談笑していた生徒たちは慌てて自分の席へ戻り、千紘も黒板に向けて体を戻す。

小綺麗なスーツとは反対に、髪は天然パーマなのかクルクルと爆発しており、ネクタイは軽く解かれている。猫背だが異様に背が高く、ガタイもいいため妙に色気を感じる男は、教壇の前に立ちダルそうにため息を吐いた。

「はぁ、今日から新学期だってさ。信じられるか?お前ら。なんかつい先月まで受験やら卒業やらでバタバタしてたのにさー、時間が過ぎるのは早いというかなんというか。この年になると仕方がないのかねー。なあ荒木、どう思う?」

おそらく出席番号が1番であろう荒木は突然の指名に体が固まる。他のクラスメイトからの視線が一気に集まり緊張した様子でゆっくり口を動かした。

「え、えっと、年齢のせいかもしれないですね」
「おいおい荒木くんよお。それは俺が老いぼれじじいって言いたいのかあ?」
「い、いや!違います!!」
「それじゃあ勇気ある荒木くんに学級委員長になってもらおうか」
「そんな…!」

何ともまあ厄介な老いぼれじじいが担任になってしまった。ガハハと豪快に笑う姿はもはや魔王である。

「よーし、もう1人の犠牲…ではなく学級委員は式の後で決めるとしてだな。まずは新入生諸君、入学おめでとう。俺は1年3組の担任の黒鉄だ。1年間問題を起こさず穏やかに生きていくよう努力し、くれぐれも俺を働かせないように頑張ってくれ」

黒鉄は教卓に手を付き、だらしない格好で喋り始める。それから机の上に置いてあった配布物の説明や入学式の流れを軽く説明された。

「式の間はなるべく静かにしろよ!親見つけても手とか振っちゃダメだからな。トイレでの離席もできるだけ避けた方がいいから、今のうちに行くか漏らす覚悟しとけー。そんじゃ十分休憩取ってその後すぐ講堂に向かうから全員出席番号順に廊下に並んどけよ。以上!」

黒鉄は喋り終わったあと教室の隅にある椅子にどっかり座り、近くの席の生徒に絡み始めた。自分が真ん中の方の席でよかったと心から思う。

「千紘くんはトイレ行く?」
「いや、俺はいいかな」
「そっか。じゃあ俺もいいや」
「お、漏らす覚悟ができてるのか」
「馬鹿言うなよ!」

飛鳥を揶揄いつつ、廊下に出て談笑しているとあっという間に休憩時間が終わる。いつの間にか他クラスの生徒も続々と外に並び始めている。前方を眺めていると、荒木が黒鉄にまたいじめられていた。まだ入学して間もないのに早速いじられキャラになって本当に可哀想だ。

少しするとゆっくりと列が進み始め、講堂の方へ向かっていく。カナダでは入学式なんてものはなかったからどんな式なのか楽しみだ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ビッチです!誤解しないでください!

モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃 「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」 「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」 「大丈夫か?あんな噂気にするな」 「晃ほど清純な男はいないというのに」 「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」 噂じゃなくて事実ですけど!!!?? 俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生…… 魔性の男で申し訳ない笑 めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!

最可愛天使は儚げ美少年を演じる@勘違いってマジ??

雨霧れいん
BL
《 男子校の華 》と呼ばれるほどにかわいく、美しい少年"依織のぞ"は社会に出てから厳しさを知る。 いままでかわいいと言われていた特徴も社会に出れば女々しいだとか、非力だとか、色々な言葉で貶された。いつまでもかわいいだけの僕でいたい!いつしか依織はネットにのめり込んだ。男の主人公がイケメンに言い寄られるゲーム、通称BLゲーム。こんな世界に生まれたかった、と悲しみに暮れ眠りについたが朝起きたらそこは大好きなBLゲームのなかに!? 可愛い可愛い僕でいるために儚げ男子(笑)を演じていたら色々勘違いされて...!?!?

呪われた辺境伯は、異世界転生者を手放さない

波崎 亨璃
BL
ーーー呪われた辺境伯に捕まったのは、俺の方だった。 異世界に迷い込んだ駆真は「呪われた辺境伯」と呼ばれるレオニスの領地に落ちてしまう。 強すぎる魔力のせいで、人を近づけることができないレオニス。 彼に触れれば衰弱し、最悪の場合、命を落とす。 しかしカルマだけはなぜかその影響を一切受けなかった。その事実に気づいたレオニスは次第にカルマを手放さなくなっていく。 「俺に触れられるのは、お前だけだ」 呪いよりも重い執着と孤独から始まる、救済BL。です!

学園ものに転生した悪役の男について

ひいきにみゐる
BL
タイトルの通りにございます。文才を褒められたことはないので、そういうつもりで見ていただけたらなと思います。

平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています

七瀬
BL
あらすじ 春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。 政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。 **** 初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m

黒獅子の愛でる花

なこ
BL
レノアール伯爵家次男のサフィアは、伯爵家の中でもとりわけ浮いた存在だ。 中性的で神秘的なその美しさには、誰しもが息を呑んだ。 深い碧眼はどこか憂いを帯びており、見る者を惑わすと言う。 サフィアは密かに、幼馴染の侯爵家三男リヒトと将来を誓い合っていた。 しかし、その誓いを信じて疑うこともなかったサフィアとは裏腹に、リヒトは公爵家へ婿入りしてしまう。 毎日のように愛を囁き続けてきたリヒトの裏切り行為に、サフィアは困惑する。  そんなある日、複雑な想いを抱えて過ごすサフィアの元に、幼い王太子の世話係を打診する知らせが届く。 王太子は、黒獅子と呼ばれ、前国王を王座から引きずり降ろした現王と、その幼馴染である王妃との一人息子だ。 王妃は現在、病で療養中だという。 幼い王太子と、黒獅子の王、王妃の住まう王城で、サフィアはこれまで知ることのなかった様々な感情と直面する。 サフィアと黒獅子の王ライは、二人を取り巻く愛憎の渦に巻き込まれながらも、密かにゆっくりと心を通わせていくが…

この僕が、いろんな人に詰め寄られまくって困ってます!〜まだ無自覚編〜

小屋瀬
BL
〜まだ無自覚編〜のあらすじ アニメ・漫画ヲタクの主人公、薄井 凌(うすい りょう)と、幼なじみの金持ち息子の悠斗(ゆうと)、ストーカー気質の天才少年の遊佐(ゆさ)。そしていつもだるーんとしてる担任の幸崎(さいざき)teacher。 主にこれらのメンバーで構成される相関図激ヤバ案件のBL物語。 他にも天才遊佐の事が好きな科学者だったり、悠斗Loveの悠斗の実の兄だったりと個性豊かな人達が出てくるよ☆ 〜自覚編〜 のあらすじ(書く予定) アニメ・漫画をこよなく愛し、スポーツ万能、頭も良い、ヲタク男子&陽キャな主人公、薄井 凌(うすい りょう)には、とある悩みがある。 それは、何人かの同性の人たちに好意を寄せられていることに気づいてしまったからである。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 【超重要】 ☆まず、主人公が各キャラからの好意を自覚するまでの間、結構な文字数がかかると思います。(まぁ、「自覚する前」ということを踏まえて呼んでくだせぇ) また、自覚した後、今まで通りの頻度で物語を書くかどうかは気分次第です。(だって書くの疲れるんだもん) ですので、それでもいいよって方や、気長に待つよって方、どうぞどうぞ、読んでってくだせぇな! (まぁ「長編」設定してますもん。) ・女性キャラが出てくることがありますが、主人公との恋愛には発展しません。 ・突然そういうシーンが出てくることがあります。ご了承ください。 ・気分にもよりますが、3日に1回は新しい話を更新します(3日以内に投稿されない場合もあります。まぁ、そこは善処します。(その時はまた近況ボード等でお知らせすると思います。))。

BLゲームの脇役に転生したはずなのに

れい
BL
腐男子である牧野ひろは、ある日コンビニ帰りの事故で命を落としてしまう。 しかし次に目を覚ますと――そこは、生前夢中になっていた学園BLゲームの世界。 転生した先は、主人公の“最初の友達”として登場する脇役キャラ・アリエス。 恋愛の当事者ではなく安全圏のはず……だったのに、なぜか攻略対象たちの視線は主人公ではなく自分に向かっていて――。 脇役であるはずの彼が、気づけば物語の中心に巻き込まれていく。 これは、予定外の転生から始まる波乱万丈な学園生活の物語。 ⸻ 脇役くん総受け作品。 地雷の方はご注意ください。 随時更新中。

処理中です...