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渋谷に到着してからはいろいろと巡った。お昼時だったため焼き肉を食べたり、食後は家具や小物を見たりとかなり動き、二人してぐったり公園のベンチに座る。
「は~いい買い物ができてハッピー!でも疲れたー!」
「人混みにまず疲れる」
「ほんとそれ!なんであんなに人間いるんだろ。うちの島に全員移住させてやりたい!」
「ふは、何の罪でだよ」
「別に何かの罰じゃなくて、そうしたら俺たち快適に過ごせるのにって話!てか千紘くん的には島移住は罪判定なんだ。ふーん」
じとーっと見てくる飛鳥の視線から逃げるように、俺は近くを飛んできたモンシロチョウを指して、かわいいねなんて話を逸らしてみた。視線が鋭くなった。
「島には蝶々とかいた?」
「いるし!比べ物にならないぐらいいるし!何なら島民より多いし!!」
「はは、ははは!悪いって、いじってごめん。飛鳥が面白くてさ」
「……わ!今日はじめてみたかも、千紘くんの笑顔」
飛鳥は少し頬を赤く染めて、嬉しそうに見てくる。確かに俺は愛想がいいわけではないが、罪のくだりで数秒前にも笑ったし絶対にはじめてなんてことはない。
「飛鳥が見逃してただけじゃないか?普通に笑ってるけど」
「うーん…何というか、今のは満面の笑みみたいな!今日も何回かふわって笑うことはあったけど、今はぶわあ!みたいな感じだったから!」
「ボキャブラリーが貧困すぎる」
「伝わればいいんだよ!伝われば!」
そんなに伝わっても来ないが、飛鳥が楽しそうなのでいいか。
それから二人でモンシロチョウを行方をベンチから追ったり、明日からの学校生活のことを談笑したりしていると、近くで子どもたちのはしゃぎ声が聞こえてきた。俺たちが座っているベンチは遊具から離れていたため、急に何事かと顔を向けると、クレープと書かれたのぼりとキッチンカーが止まっている。
「あ!クレープ!千紘くんに奢ってもらうんだった~」
走り出した飛鳥の後を追って、キッチンカーに近づくと豊富な食品サンプルが並んでいる。子どもたちが持っている実物よりもおいしそうだ。
「うわーどれもおいしそうで迷う!千紘くんどれにする?」
「俺はいちごスペシャルかな」
「あ!俺それとチョコバナナで迷ってたんだよね!一口交換しない?」
「いいよ。それじゃいちごスペシャルとチョコバナナ一つずつで」
「はーい!二つ合わせて1250円です!」
代金を払うと、クレープはすぐに渡された。また元のベンチに戻って、二人して大きめに口を開けて頬張る。
「ん~おいしい!人生初クレープ最高!」
「俺も何気に初クレープかも」
「はは、何その偶然!!は~幸せ。島にはこんなのなかったからさ、東京ライフ最高!」
「島では普段何して遊んでたんだ?」
「うーん…それこそ虫取りしたり魚釣ったり?あと…」
言いかけて、ちらりとこちらを見てきた。焦げ茶色の瞳からは少し後ろめたさと色気が滲む。今朝の寮部屋に誘われたとき、腕を触られたときの同じ空気が二人の間に纏いはじめる。その瞬間、吐き気が千紘を襲ってきた。飲み込んだクレープがすべて逆流してくるような感覚を覚える。
口元を手で覆い、真っ青な顔色で怯えるように自分を見てくる相手に、飛鳥は続く言葉を呑み込んだ。
「あと…なんだろ。忘れちゃった」
飛鳥の視線から外れ、少し緊張が和らぐ。温かい春の風が全身を包み込み、自分が落ち着いていくのがわかった。
「は~いい買い物ができてハッピー!でも疲れたー!」
「人混みにまず疲れる」
「ほんとそれ!なんであんなに人間いるんだろ。うちの島に全員移住させてやりたい!」
「ふは、何の罪でだよ」
「別に何かの罰じゃなくて、そうしたら俺たち快適に過ごせるのにって話!てか千紘くん的には島移住は罪判定なんだ。ふーん」
じとーっと見てくる飛鳥の視線から逃げるように、俺は近くを飛んできたモンシロチョウを指して、かわいいねなんて話を逸らしてみた。視線が鋭くなった。
「島には蝶々とかいた?」
「いるし!比べ物にならないぐらいいるし!何なら島民より多いし!!」
「はは、ははは!悪いって、いじってごめん。飛鳥が面白くてさ」
「……わ!今日はじめてみたかも、千紘くんの笑顔」
飛鳥は少し頬を赤く染めて、嬉しそうに見てくる。確かに俺は愛想がいいわけではないが、罪のくだりで数秒前にも笑ったし絶対にはじめてなんてことはない。
「飛鳥が見逃してただけじゃないか?普通に笑ってるけど」
「うーん…何というか、今のは満面の笑みみたいな!今日も何回かふわって笑うことはあったけど、今はぶわあ!みたいな感じだったから!」
「ボキャブラリーが貧困すぎる」
「伝わればいいんだよ!伝われば!」
そんなに伝わっても来ないが、飛鳥が楽しそうなのでいいか。
それから二人でモンシロチョウを行方をベンチから追ったり、明日からの学校生活のことを談笑したりしていると、近くで子どもたちのはしゃぎ声が聞こえてきた。俺たちが座っているベンチは遊具から離れていたため、急に何事かと顔を向けると、クレープと書かれたのぼりとキッチンカーが止まっている。
「あ!クレープ!千紘くんに奢ってもらうんだった~」
走り出した飛鳥の後を追って、キッチンカーに近づくと豊富な食品サンプルが並んでいる。子どもたちが持っている実物よりもおいしそうだ。
「うわーどれもおいしそうで迷う!千紘くんどれにする?」
「俺はいちごスペシャルかな」
「あ!俺それとチョコバナナで迷ってたんだよね!一口交換しない?」
「いいよ。それじゃいちごスペシャルとチョコバナナ一つずつで」
「はーい!二つ合わせて1250円です!」
代金を払うと、クレープはすぐに渡された。また元のベンチに戻って、二人して大きめに口を開けて頬張る。
「ん~おいしい!人生初クレープ最高!」
「俺も何気に初クレープかも」
「はは、何その偶然!!は~幸せ。島にはこんなのなかったからさ、東京ライフ最高!」
「島では普段何して遊んでたんだ?」
「うーん…それこそ虫取りしたり魚釣ったり?あと…」
言いかけて、ちらりとこちらを見てきた。焦げ茶色の瞳からは少し後ろめたさと色気が滲む。今朝の寮部屋に誘われたとき、腕を触られたときの同じ空気が二人の間に纏いはじめる。その瞬間、吐き気が千紘を襲ってきた。飲み込んだクレープがすべて逆流してくるような感覚を覚える。
口元を手で覆い、真っ青な顔色で怯えるように自分を見てくる相手に、飛鳥は続く言葉を呑み込んだ。
「あと…なんだろ。忘れちゃった」
飛鳥の視線から外れ、少し緊張が和らぐ。温かい春の風が全身を包み込み、自分が落ち着いていくのがわかった。
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