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瀬川とお揃いのブローチなのに、人に譲っていいのだろうか。そもそもさっき初めて会った人からプレゼントなんてもらえないし、なんで俺に渡してくるのかもわからない。
千紘は差し出された手を突き放し、両手をクロスさせてバツを作った。
「いらない」
「アゲル」
「いらない。それは君の物だろう」
「チガ…ぇ、…ニホンゴ、ジョウズ」
「えっ、ありがとう…?」
なぜか急に日本語を褒められた。見た目は純日本人だし、俺がカナダにいたことを知っているのだろうか。でもなぜ…。
「とにかくそれはいらないから。君の大事なものなんだろ?」
「チガウ。…アゲル」
「え?って…ちょっ!」
今度は強引に、俺の胸元にブローチをつけようとし始めた。離れようと相手の肩に力を籠めるが、びくともしない。そのため腕を掴んで無理矢理引き剥がそうとしたが、こちらも同じく何の妨げにもならなかった。
俺の必死の抵抗もむなしく、あっという間にブレザーの胸元にはブローチが鎮座していた。太陽に照らされて橙色の宝石が雅に光る。
すぐに外して返そうとしたが、外し方が普通のブローチとは違い少し特殊で、手間取っているうちにサングラスの姿は消えていた。
花畑にひとりぽつんと尻もちをついている自分が急に恥ずかしくなってきた。ブローチをブレザーの胸ポケットに終い、そそくさと元の道を戻ることにした。
教室につくとホームルームの五分前だからか、ほとんどの生徒が登校していた。一番前の列を見ると、目的の人物が既に席についており、千紘は迷いなく歩みを進める。
「おはよう、荒木」
「うぇ…っ!?あっ!お、おはようございます…千紘様…!!」
話しかけられたのが予想外だったのか、荒木は慌てた様子で返してきた。
「ちょっと聞きたいことがあるんだけど、今いいか?」
「は、はいぃ…!何なりとおっしゃってください!」
この荒木のあらぶりかたは紛れもなく、兄さんたちのせいなのだが、周囲から見ると俺が脅しているみたいで居心地が悪い。だが普通にして欲しいと伝えてもどうせまともな返事は返ってこないためもう諦める。
そんなことより、昨日から聞きたかったこと。入学初日から何度か耳にした『カーネリー』という単語について。
俺は先程サングラスからもらったブローチに埋め込まれている宝石と関連があるのではないかと睨んでいる。橙色の宝石はいくつか知っているが、その中にカーネリアンというものがある。これは推測だが、このカーネリアンが埋め込まれたブローチを所持している者こそ『カーネリー』と呼ばれる組織の一員で、選ばれた生徒だけが持っているのではないだろうか。
そして俺は今日、『カーネリー』であったサングラスから継承されその一員になったのかもしれない。
「カーネリーについて教えて欲しい」
千紘は差し出された手を突き放し、両手をクロスさせてバツを作った。
「いらない」
「アゲル」
「いらない。それは君の物だろう」
「チガ…ぇ、…ニホンゴ、ジョウズ」
「えっ、ありがとう…?」
なぜか急に日本語を褒められた。見た目は純日本人だし、俺がカナダにいたことを知っているのだろうか。でもなぜ…。
「とにかくそれはいらないから。君の大事なものなんだろ?」
「チガウ。…アゲル」
「え?って…ちょっ!」
今度は強引に、俺の胸元にブローチをつけようとし始めた。離れようと相手の肩に力を籠めるが、びくともしない。そのため腕を掴んで無理矢理引き剥がそうとしたが、こちらも同じく何の妨げにもならなかった。
俺の必死の抵抗もむなしく、あっという間にブレザーの胸元にはブローチが鎮座していた。太陽に照らされて橙色の宝石が雅に光る。
すぐに外して返そうとしたが、外し方が普通のブローチとは違い少し特殊で、手間取っているうちにサングラスの姿は消えていた。
花畑にひとりぽつんと尻もちをついている自分が急に恥ずかしくなってきた。ブローチをブレザーの胸ポケットに終い、そそくさと元の道を戻ることにした。
教室につくとホームルームの五分前だからか、ほとんどの生徒が登校していた。一番前の列を見ると、目的の人物が既に席についており、千紘は迷いなく歩みを進める。
「おはよう、荒木」
「うぇ…っ!?あっ!お、おはようございます…千紘様…!!」
話しかけられたのが予想外だったのか、荒木は慌てた様子で返してきた。
「ちょっと聞きたいことがあるんだけど、今いいか?」
「は、はいぃ…!何なりとおっしゃってください!」
この荒木のあらぶりかたは紛れもなく、兄さんたちのせいなのだが、周囲から見ると俺が脅しているみたいで居心地が悪い。だが普通にして欲しいと伝えてもどうせまともな返事は返ってこないためもう諦める。
そんなことより、昨日から聞きたかったこと。入学初日から何度か耳にした『カーネリー』という単語について。
俺は先程サングラスからもらったブローチに埋め込まれている宝石と関連があるのではないかと睨んでいる。橙色の宝石はいくつか知っているが、その中にカーネリアンというものがある。これは推測だが、このカーネリアンが埋め込まれたブローチを所持している者こそ『カーネリー』と呼ばれる組織の一員で、選ばれた生徒だけが持っているのではないだろうか。
そして俺は今日、『カーネリー』であったサングラスから継承されその一員になったのかもしれない。
「カーネリーについて教えて欲しい」
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