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次第に歓声は大きくなっていき、周囲もざわつき始めた。
「生徒会かな!?ちょっと見てくる!」
「先食べてるからなー!」
すっかり生徒会の虜になった飛鳥は、すぐに人混みに紛れていった。だが周りを見ると騒ぐ生徒もいれば、興味なさげに食事を続ける生徒もおり、大体半分に分かれている。
その時前に並んでいた生徒二人組が料理を取りながら、小さな声でぼそぼそと話しているのが耳に入って来た。
「ぷっ、生徒会ごときに下品に騒ぎ立てるなんてお里が知れるね」
「ははっ本当にね。立派な慧眼をお持ちのことだよ」
「カーネリーの皆さまの方が何倍も魅力的なのにね。外部組を見てると可哀想になってくるよ」
どうやら生徒会に目もくれず食事をしている生徒たちのほとんどが、カーネリーのファンの内部組のようだ。こういった過激な発言を聞くと、一刻も早くブローチを返したくなる。
結局ひとりで食事も済み、飛鳥を大群の中から探しても見つかるわけもなく、先に教室に戻ることにした。生徒会もあれだけ人気では学校生活を送るのは大変そうだ。
食堂の外に出て、来た道を戻ろうと思ったが足が止まる。右に行くと教室へ、左に行くと講堂につながる渡り廊下まで伸びているはずだ。腕時計を見ると次の授業まで残り30分程ある。
教室に戻ってもよかったのだが、ブローチを早く返却したい気持ちが強く、自然と今朝の花畑の方へと足が向いていた。渡り廊下まで辿り着き、タイルを探すため青々とした芝生と睨めっこする。その時、何かに躓いた。思わず前から転びそうになり、急いで体の重心を後ろにして跳ねるように後ろに下がる。
突然の出来事に心臓が早まるのを感じながら、躓いた先に目をやると人が倒れていた。
「え!?す、すみません…っ大丈夫ですか!?」
「ぅ………死にたい……」
「え!?し、死ぬ…?」
指定の制服に黒いカーディガンを着た生徒はゆっくりと顔を上げる。髪は黒髪で絹のように美しくさらさらと動く。和風美人という言葉が似合う端正な顔立ちをしている。しかし目の下にべったりと色濃いクマが張り付いており、そのすべてを台無しにして不健康という印象を与える。
「こんな何もないところで転んで…、さらに二次災害を引き起こそうとした自分が情けなく申し訳なく死にたい…生きているだけで損害…」
「いや、俺がつまずいたのはちゃんと前見て歩いてなかった自分の責任だから…」
「や、優しい…!こんなにも優しく素敵な人に僕ごときが気を遣わせてしまって申し訳ない…死んだ方がいい…」
随分自己嫌悪が激しいやつにぶつかってしまった。はじめて出会う人種に圧倒されていると、相手はぶつぶつと何やら呟き、唇の皮を破っては渡り廊下にハラハラと落としている。そのまま続けていると血が出てきそうだ。
俺は思い切って手を制止するため腕を掴んだ。
「わかったわかった。そのままじゃ血が出ますよ」
「うぇ!?」
「ふ、どんな反応だよ」
ようやくちゃんと目が合った。太陽の光が目に入ると、先程より少し健康的に見えるかもしれない。そっと手を離すと、腕はだらんと垂れて膝の上に着地した。
「生徒会かな!?ちょっと見てくる!」
「先食べてるからなー!」
すっかり生徒会の虜になった飛鳥は、すぐに人混みに紛れていった。だが周りを見ると騒ぐ生徒もいれば、興味なさげに食事を続ける生徒もおり、大体半分に分かれている。
その時前に並んでいた生徒二人組が料理を取りながら、小さな声でぼそぼそと話しているのが耳に入って来た。
「ぷっ、生徒会ごときに下品に騒ぎ立てるなんてお里が知れるね」
「ははっ本当にね。立派な慧眼をお持ちのことだよ」
「カーネリーの皆さまの方が何倍も魅力的なのにね。外部組を見てると可哀想になってくるよ」
どうやら生徒会に目もくれず食事をしている生徒たちのほとんどが、カーネリーのファンの内部組のようだ。こういった過激な発言を聞くと、一刻も早くブローチを返したくなる。
結局ひとりで食事も済み、飛鳥を大群の中から探しても見つかるわけもなく、先に教室に戻ることにした。生徒会もあれだけ人気では学校生活を送るのは大変そうだ。
食堂の外に出て、来た道を戻ろうと思ったが足が止まる。右に行くと教室へ、左に行くと講堂につながる渡り廊下まで伸びているはずだ。腕時計を見ると次の授業まで残り30分程ある。
教室に戻ってもよかったのだが、ブローチを早く返却したい気持ちが強く、自然と今朝の花畑の方へと足が向いていた。渡り廊下まで辿り着き、タイルを探すため青々とした芝生と睨めっこする。その時、何かに躓いた。思わず前から転びそうになり、急いで体の重心を後ろにして跳ねるように後ろに下がる。
突然の出来事に心臓が早まるのを感じながら、躓いた先に目をやると人が倒れていた。
「え!?す、すみません…っ大丈夫ですか!?」
「ぅ………死にたい……」
「え!?し、死ぬ…?」
指定の制服に黒いカーディガンを着た生徒はゆっくりと顔を上げる。髪は黒髪で絹のように美しくさらさらと動く。和風美人という言葉が似合う端正な顔立ちをしている。しかし目の下にべったりと色濃いクマが張り付いており、そのすべてを台無しにして不健康という印象を与える。
「こんな何もないところで転んで…、さらに二次災害を引き起こそうとした自分が情けなく申し訳なく死にたい…生きているだけで損害…」
「いや、俺がつまずいたのはちゃんと前見て歩いてなかった自分の責任だから…」
「や、優しい…!こんなにも優しく素敵な人に僕ごときが気を遣わせてしまって申し訳ない…死んだ方がいい…」
随分自己嫌悪が激しいやつにぶつかってしまった。はじめて出会う人種に圧倒されていると、相手はぶつぶつと何やら呟き、唇の皮を破っては渡り廊下にハラハラと落としている。そのまま続けていると血が出てきそうだ。
俺は思い切って手を制止するため腕を掴んだ。
「わかったわかった。そのままじゃ血が出ますよ」
「うぇ!?」
「ふ、どんな反応だよ」
ようやくちゃんと目が合った。太陽の光が目に入ると、先程より少し健康的に見えるかもしれない。そっと手を離すと、腕はだらんと垂れて膝の上に着地した。
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