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山籠もり
第486話 チアキさんの企み
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スワンプの森ダンジョンを踏破してからは忙しかった(大人たちが)。
エルフの里に戻った私達だけど、翼人族の人達はヘッジホッグの攻撃を防ぐための水の壁を習得すべく、イブさんを筆頭としたモフッコ討伐隊の皆との練習が始まった。
これまでダンジョンに行くことは許可が出なかった成人未満の子供達も、壁を作れるようになった人から少人数で入ることを検討すると発表されたことで、子供達もこぞって練習するようになった。
お陰で私達と遊んでくれる子は洗礼未満の子供達だけとなり、彼らとてカプラの乳しぼりや、毛刈りのお手伝いなどがあるから遊ぶ時間は減ってしまった。
翼人族の人達で、水魔法があまり得意ではないヒトや、戦闘が苦手というヒトもいる。そういったメンバーはダンジョンで採集出来た様々な素材を、南部のギルドや商会に販売する為の輸送を担当することになった。
これまではモフッコの毛織物だけで出番が少なかったんだけど、南部商会の希望もあって、週に三回は往復することになって忙しくなった。
エルフの戦闘担当の人達も、モフッコの毛刈りやカボスの回収が闇の精霊のお手伝いと水の盾のお陰で簡単になり、若い子達だけでも行けるようになった事でダンジョン担当と分担するようになった。
まあそんなこんなで忙しくなったお里なので、私達は新しいレシピを紹介し、水の盾の見本を見せて、ある程度落ち着いたところでミドウ村に帰ることになった。
村に帰ったところで、ヘッジホッグの素材は勿論、海ダンジョンで大量に仕入れた魚料理はミドウ村の皆にも紹介し、タニアさん達は仲良しの集落へ教えに旅立った。
チアキさんもどこかに出かけたり、鍛冶屋さんに何かを依頼したりと、これまた忙しそうにしていたんだよね。
私はルイスさん指導の元、ベル君と訓練をしたり、白雪さん指導の元、魔法の練習をしたり、ミケさん指導の元、料理や裁縫をして過ごしていた。
春の終わりにフィルさんから手紙が届き、〔土竜の盾〕のメンバーからお守りを受け取ったと感謝の言葉が綴られていた。
そんな感じで一か月くらいは私とベル君以外の人達は結構バタバタしてたんだよね。それがやっと落ち着いた夏のはじめ、朝食の時にチアキさんからこんな提案をされたんだ。
「なあヴィオ、忍者になりたくないか?」
チアキさんが突拍子もないことを言うのは初めてではないんだけど、今度はいったい何をしようと言うのだろうか。
私の記憶にある忍者はテレビの中か、エンターテイメントレストランの店員か、伊賀上野とかの施設にしか存在しない。
「忍者って、エンタメか、ニンニンいうあのアニメか、時代劇に出てくる黒装束か、水戸のご老公様と一緒に行動していたくノ一さんか、どれでしょうか」
由美か〇るさんの入浴シーンは老若男女全員が指の隙間からガン見していた記憶がありますよ。
「まあ全部わかるが、俺のイメージは時代劇に出てくる黒装束だな。
俺もそうだがヴィオも闇魔法を使えるだろう? 隠れ身の術なんかやりたい放題だろう?」
キラキラした目で聞かれても……。
魔法と忍者、男子が好きそうなものが二つも合わさったら、そりゃこうなっても仕方がないのかもしれないね。
白雪さんは隣で楽しそうに笑っているけど、あなたの旦那様ですよ? 止めてくださいませ。
「今の修行とはまた違うんか?」
視線で白雪さんに助けを求めたら、思ってたのと違う言葉が……。
まあそれも気になるから良いですけど。
「そうだな、ヴィオがダンジョンで対応するのに困ることは無いだろう? あの水の盾で囲めば考える時間も作れるし、あの砂の鞭があれば大概のものは斬れるだろう。
けど、数の暴力もそうだが、大人の男に抱え上げられたら簡単に運ばれるだろうし、魔封じをされたらそれを壊すまではかなりピンチになるのは間違いない。
それもあって肉体的、精神的に鍛えるのはどうかと思ってな。どうせなら忍者のようにすばしっこく、奇想天外な動きをする事で、敵を翻弄する攻撃も良いと思ってな」
おふざけではなく本気だったようです。
だけど話を聞くと、私には必要な事のように思える。
魔力は多分まだ増えていると感じるけれど、魔人族や竜人族に比べればかなり少ないんだろうし、小柄であるのは言わずもがな。
魔獣は突進してくるくらいしか今のところいないけど、人間は狡賢いからどんな攻撃をしてくるか分からない。
基本的には四六時中結界鎧と【索敵】を使っているけれど、悪意を見せずに近づいてきた人に抱え上げられることは防げそうにない。
相手を殺してもいいのであれば、即座に無力化できそうな気はするけれど、街中でそれをしたら被害者の筈が加害者扱いされそうだもんね。
忍者というのは別として、それに近い修行をするのは私に必要だと思う。
「うんうん、でな、ヴィオの短剣はもう握りが小さくなってるだろう? 双剣を使うのも良いが、これを機に別の武器も使ってみればどうかと思って作ってもらってたんだ」
そう言いながら嬉しそうにテーブルの上に並べられたのは、見覚えのないというかあるというか、漫画や映画で見たことのある忍者道具でした。
「はじめて見る形の物ばっかりじゃな。これが武器なんか? こんな小さな棘で攻撃になるとは思えんが、投げるのか?」
マキビシらしきものを手にとり、しげしげと眺めている白雪さん。それは攻撃というより逃げ場を無くすための道具ですよ。
手裏剣は何種類あるんですか?
まさか、帰ってきてから何かしてたのはこれを作ってもらってたんですか?
「面白いだろう? 俺の記憶にあるやつ以外にも、こんなのはどうだって作ってくれたものも増えてな、実戦で使って良さそうなやつを増やしても良いと思ってるんだ」
楽しそうで何よりですね。
変な武器も出てくるかと思ったけど、説明を聞いているとマキビシ以外は全部手裏剣でした。クナイも剣として使うというよりは、投げる為のようですね。
「手に付ける爪みたいなのとか、吹き矢とか、竹筒とかが出てくると思ったけど、それは無いんですね」
「考えたんだがな、手甲鉤は余程の接近戦だろう? 接近戦になるならあれじゃなくても別の方法もあると思ったから却下した。
吹き矢はヴィオの【エアショット】の方が余程威力があるから止めておいた」
確かにそうだね。
そういう事で、忍者修行の一環として、手裏剣の練習が始まりましたよ。
ベル君は忍者というのは知らないけれど、新しい武器というのに興味津々で、ギルドでの的当て練習は一緒にやってます。
吹き矢の代りに【エアショット】が良いというのであれば、手裏剣の代りに【サンドショット】もあるんだけどな。
いや、手裏剣は男の浪漫らしいですし、魔法が使えなくなった時の為の練習だしね、これも無駄にはならないでしょう。
男子チームとの温度差を感じつつ、自分の身を守るためにと参加するようになったミケさんに癒されながら、手裏剣練習を頑張ってます。
エルフの里に戻った私達だけど、翼人族の人達はヘッジホッグの攻撃を防ぐための水の壁を習得すべく、イブさんを筆頭としたモフッコ討伐隊の皆との練習が始まった。
これまでダンジョンに行くことは許可が出なかった成人未満の子供達も、壁を作れるようになった人から少人数で入ることを検討すると発表されたことで、子供達もこぞって練習するようになった。
お陰で私達と遊んでくれる子は洗礼未満の子供達だけとなり、彼らとてカプラの乳しぼりや、毛刈りのお手伝いなどがあるから遊ぶ時間は減ってしまった。
翼人族の人達で、水魔法があまり得意ではないヒトや、戦闘が苦手というヒトもいる。そういったメンバーはダンジョンで採集出来た様々な素材を、南部のギルドや商会に販売する為の輸送を担当することになった。
これまではモフッコの毛織物だけで出番が少なかったんだけど、南部商会の希望もあって、週に三回は往復することになって忙しくなった。
エルフの戦闘担当の人達も、モフッコの毛刈りやカボスの回収が闇の精霊のお手伝いと水の盾のお陰で簡単になり、若い子達だけでも行けるようになった事でダンジョン担当と分担するようになった。
まあそんなこんなで忙しくなったお里なので、私達は新しいレシピを紹介し、水の盾の見本を見せて、ある程度落ち着いたところでミドウ村に帰ることになった。
村に帰ったところで、ヘッジホッグの素材は勿論、海ダンジョンで大量に仕入れた魚料理はミドウ村の皆にも紹介し、タニアさん達は仲良しの集落へ教えに旅立った。
チアキさんもどこかに出かけたり、鍛冶屋さんに何かを依頼したりと、これまた忙しそうにしていたんだよね。
私はルイスさん指導の元、ベル君と訓練をしたり、白雪さん指導の元、魔法の練習をしたり、ミケさん指導の元、料理や裁縫をして過ごしていた。
春の終わりにフィルさんから手紙が届き、〔土竜の盾〕のメンバーからお守りを受け取ったと感謝の言葉が綴られていた。
そんな感じで一か月くらいは私とベル君以外の人達は結構バタバタしてたんだよね。それがやっと落ち着いた夏のはじめ、朝食の時にチアキさんからこんな提案をされたんだ。
「なあヴィオ、忍者になりたくないか?」
チアキさんが突拍子もないことを言うのは初めてではないんだけど、今度はいったい何をしようと言うのだろうか。
私の記憶にある忍者はテレビの中か、エンターテイメントレストランの店員か、伊賀上野とかの施設にしか存在しない。
「忍者って、エンタメか、ニンニンいうあのアニメか、時代劇に出てくる黒装束か、水戸のご老公様と一緒に行動していたくノ一さんか、どれでしょうか」
由美か〇るさんの入浴シーンは老若男女全員が指の隙間からガン見していた記憶がありますよ。
「まあ全部わかるが、俺のイメージは時代劇に出てくる黒装束だな。
俺もそうだがヴィオも闇魔法を使えるだろう? 隠れ身の術なんかやりたい放題だろう?」
キラキラした目で聞かれても……。
魔法と忍者、男子が好きそうなものが二つも合わさったら、そりゃこうなっても仕方がないのかもしれないね。
白雪さんは隣で楽しそうに笑っているけど、あなたの旦那様ですよ? 止めてくださいませ。
「今の修行とはまた違うんか?」
視線で白雪さんに助けを求めたら、思ってたのと違う言葉が……。
まあそれも気になるから良いですけど。
「そうだな、ヴィオがダンジョンで対応するのに困ることは無いだろう? あの水の盾で囲めば考える時間も作れるし、あの砂の鞭があれば大概のものは斬れるだろう。
けど、数の暴力もそうだが、大人の男に抱え上げられたら簡単に運ばれるだろうし、魔封じをされたらそれを壊すまではかなりピンチになるのは間違いない。
それもあって肉体的、精神的に鍛えるのはどうかと思ってな。どうせなら忍者のようにすばしっこく、奇想天外な動きをする事で、敵を翻弄する攻撃も良いと思ってな」
おふざけではなく本気だったようです。
だけど話を聞くと、私には必要な事のように思える。
魔力は多分まだ増えていると感じるけれど、魔人族や竜人族に比べればかなり少ないんだろうし、小柄であるのは言わずもがな。
魔獣は突進してくるくらいしか今のところいないけど、人間は狡賢いからどんな攻撃をしてくるか分からない。
基本的には四六時中結界鎧と【索敵】を使っているけれど、悪意を見せずに近づいてきた人に抱え上げられることは防げそうにない。
相手を殺してもいいのであれば、即座に無力化できそうな気はするけれど、街中でそれをしたら被害者の筈が加害者扱いされそうだもんね。
忍者というのは別として、それに近い修行をするのは私に必要だと思う。
「うんうん、でな、ヴィオの短剣はもう握りが小さくなってるだろう? 双剣を使うのも良いが、これを機に別の武器も使ってみればどうかと思って作ってもらってたんだ」
そう言いながら嬉しそうにテーブルの上に並べられたのは、見覚えのないというかあるというか、漫画や映画で見たことのある忍者道具でした。
「はじめて見る形の物ばっかりじゃな。これが武器なんか? こんな小さな棘で攻撃になるとは思えんが、投げるのか?」
マキビシらしきものを手にとり、しげしげと眺めている白雪さん。それは攻撃というより逃げ場を無くすための道具ですよ。
手裏剣は何種類あるんですか?
まさか、帰ってきてから何かしてたのはこれを作ってもらってたんですか?
「面白いだろう? 俺の記憶にあるやつ以外にも、こんなのはどうだって作ってくれたものも増えてな、実戦で使って良さそうなやつを増やしても良いと思ってるんだ」
楽しそうで何よりですね。
変な武器も出てくるかと思ったけど、説明を聞いているとマキビシ以外は全部手裏剣でした。クナイも剣として使うというよりは、投げる為のようですね。
「手に付ける爪みたいなのとか、吹き矢とか、竹筒とかが出てくると思ったけど、それは無いんですね」
「考えたんだがな、手甲鉤は余程の接近戦だろう? 接近戦になるならあれじゃなくても別の方法もあると思ったから却下した。
吹き矢はヴィオの【エアショット】の方が余程威力があるから止めておいた」
確かにそうだね。
そういう事で、忍者修行の一環として、手裏剣の練習が始まりましたよ。
ベル君は忍者というのは知らないけれど、新しい武器というのに興味津々で、ギルドでの的当て練習は一緒にやってます。
吹き矢の代りに【エアショット】が良いというのであれば、手裏剣の代りに【サンドショット】もあるんだけどな。
いや、手裏剣は男の浪漫らしいですし、魔法が使えなくなった時の為の練習だしね、これも無駄にはならないでしょう。
男子チームとの温度差を感じつつ、自分の身を守るためにと参加するようになったミケさんに癒されながら、手裏剣練習を頑張ってます。
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