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学び舎での日々
第48話 採集と土魔法
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昨夜はお父さんの練習を見ている途中で寝落ちしたようで、夜中に目を覚ます事もなく朝を迎えた。
ベッドから起き上がれば 既にお父さんの姿はなく、ジュージューという音と パンを焼いた匂いがするから、朝食の準備をしてくれているのだろう。
洗顔用に【クリーン】をして、前の部屋に着替えに戻る。
「お父さん おはよう」
「おはよう、ヴィオ 頭が痛いとか 辛いところはないか?」
食堂でお父さんに挨拶したら、頭痛の心配をされたけど とっても元気なのですが?
不思議に思えば、どうやら昨日は寝落ちではなく 魔力切れで気を失ったのだろうという事だった。空腹感もめまいもなかったんだけど……。
「一般的に言われる症状が 空腹、頭痛、めまいなんかじゃが、無性に眠くて急に倒れるっちゅうのもあるんじゃ。
初めて魔法を使うようになった子供は 魔法が楽しくて集中することが多くてな、空腹なんかにも気付かんと使い続けて 突然倒れるっちゅうのがあるんじゃ」
おっと、子供によくある症状だったようだ。
ということは、ここ最近夜の訓練で寝落ちしてたのは 魔力切れだったのかな?
自分の幼稚さに恥ずかしくもなるけど、魔力切れで回復をしているなら 魔力の総量が増えているかもという期待も少しある。
うん、やっぱり寝る前に使い切る訓練は続けよう。
自室として使っているお部屋も 重たい扉が外されていて、かわりに木のパテーションが用意されていた。
「お父さん、コレって!」
「あぁ、扉が重いじゃろうから外したんじゃが、着替えるのに扉がないのは恥ずかしいじゃろう?
それがあったら目隠しになるかと思ってな。」
お父さんってば、ホント紳士!こんな5歳児が何を言ってるなんて絶対言わないんだよ。トイレ後のクリーンを恥ずかしがった事から、お着替えとか お風呂とかも、心配はしてくれるけど大丈夫だと分かったら一人でやらせてくれる。
本当に アルクお父さんに拾ってもらえてよかった!
朝食後は ストレッチを行ってから サクっと薬草の採集。
納品は5ポイントを目標にしているからカイフク草を30本とマリキ草を20本、今はこれを確実に、丁寧に、できるだけ早く採集できるように練習している。
10本1セットで束ねたら籠に入れて、マジックバッグで保管する。
ギルドに持っていくときは いつもの鞄に入れるけど、少しだけでも時間を止めておけば新鮮だからね。
学び舎の日と同じくらいの時間に起きているから 採集を終えても2時間も経っていない。
お昼まではまだ時間があるから、今日はお父さんの魔力操作の練習も兼ねて 土人形作りの実験をすることになったよ。
「土魔法は盾と落とし穴、土の槍なんかで攻撃するくらいしか使ったことがないんじゃが、ヴィオは面白いことを考えるなぁ」
「うん、大きいのからはじめて 少しずつ小さくて細かい人形を作れるようになったら 魔力操作も上手くなると思うし、危なくないでしょう?
小さい子達との採集でも、ずっと採集だと 多分飽きちゃうでしょう?土人形だと泥遊びみたいで楽しめると思うんだ」
成程なあと感心しながら、畑の一部で土魔法の練習をすることにした。
水やりをしやすい理由から、川の近くから畑を再建してたんだけど、家の近くの畝2列分ぐらいは まだ何も植えてなかったから、土魔法の練習にも丁度良い。
「土魔法はそのままで呪文を唱えるよりは、こうして土に手をついて唱えた方が伝わりやすい。
今まではそういうもんじゃと ただ思っておったが、多分魔力をしっかり流して操作しやすくなっておったんじゃな。〈敵の足止めを【アースホール】〉」
お父さんの手元からほんの少し離れた場所に数センチほどの深さがある穴が出来た。
土の穴で落とし穴か。確かに土に魔力を流して自分の魔力を動かす方が容易だもんね。今まではそんな事を考えなくてやってたんだね。流石感覚で魔法を使っていただけあるね。
お父さんに教えてもらいながら土に魔力を流していく。魔力を流した土の中が手に取るようにわかる不思議。これ、どこまで流せるのかな。
畝の1つ分を魔力で満たしたら、そのまま深く浸透させてみる。ジワジワ水が染み込むみたいに幾らでも入って行くけど、もうちょっと早く流したらもっと奥まで進める?
石ッポイのとか、モグラとかかな?土の中の生き物らしき反応があるところは 魔力が反発するから、レーダーを見ているみたい。
面白くてドンドン流してたら突然手が土から離された。
お父さんに抱え上げられたみたい。抱っこのまま家に帰るみたいだけど、もうちょっとやりたかったんだけどな……。
◆◇◆◇◆◇
どうやら私は調子にのって魔力を流し過ぎ、魔力切れを起こしていたようです。
家に連れて帰られた事は覚えてるけど、その後ちょっとお昼寝してたみたい。目を開けたら寝室でびっくりしたよね。
「儂が途中で止めんかったのが悪かったんじゃが、びっくりしたぞ?」
起きたらお父さんに怒られはしなかったけど、とても心配させていたのが分かったよ。どうやら魔力回復薬まで飲ませてくれていたらしく、1銀貨も使わせてしまった事を知って 超反省したよ。
「いや、金の事などどうでもええんじゃ。まぁ、寝れば回復するから 夜はそのままじゃし、今も症状は殆どなかったからそのまま寝かせておけばよかったんじゃがな」
焦って回復薬を飲ませてくれたらしいお父さんに申し訳なさがこみ上げる。
自分の興味が勝ち過ぎた。というか、推定成人だった筈の私なんだけど、色々自分の行動の迂闊さに驚く。
興味を持ったからといって 人目を気にせずリフレ魔法をやってみたり、他の人が使っている魔法の真似をするのでもなく いきなり色々実験したり、さっきの土魔法も どこまで魔力が流せるかの実験をお父さんに一言相談することもせずに実行したり……。
幼児返りしている気がする。ちょっと気をつけよう。
お父さんに謝った後、さっきの魔力を流しているときに、石とか小さい生き物がいることも分かったと伝えたら、風魔法の中には 同じような方法で 索敵の魔法があると教えてもらった。
おお、ソナー的なやつだね?水とか風とか無属性なんかでよく描かれてた気がするよ。敵とかに色付けが出来ればゲーム的だけど、ステータス画面があるわけではないから無理だね。
うんうん、でも索敵の魔法はダンジョン攻略をするなら持ってる方が安全と言われたので練習するよ。
とりあえず1時間ほど寝てたみたいなので、お昼ご飯を食べて 武術訓練をしてもらえることになった。
お父さんが回復薬を飲ませてくれてなかったら、また今日も訓練できないところだったと気付いて、本当に自分の行動を 気をつけようって思ったよね。
ベッドから起き上がれば 既にお父さんの姿はなく、ジュージューという音と パンを焼いた匂いがするから、朝食の準備をしてくれているのだろう。
洗顔用に【クリーン】をして、前の部屋に着替えに戻る。
「お父さん おはよう」
「おはよう、ヴィオ 頭が痛いとか 辛いところはないか?」
食堂でお父さんに挨拶したら、頭痛の心配をされたけど とっても元気なのですが?
不思議に思えば、どうやら昨日は寝落ちではなく 魔力切れで気を失ったのだろうという事だった。空腹感もめまいもなかったんだけど……。
「一般的に言われる症状が 空腹、頭痛、めまいなんかじゃが、無性に眠くて急に倒れるっちゅうのもあるんじゃ。
初めて魔法を使うようになった子供は 魔法が楽しくて集中することが多くてな、空腹なんかにも気付かんと使い続けて 突然倒れるっちゅうのがあるんじゃ」
おっと、子供によくある症状だったようだ。
ということは、ここ最近夜の訓練で寝落ちしてたのは 魔力切れだったのかな?
自分の幼稚さに恥ずかしくもなるけど、魔力切れで回復をしているなら 魔力の総量が増えているかもという期待も少しある。
うん、やっぱり寝る前に使い切る訓練は続けよう。
自室として使っているお部屋も 重たい扉が外されていて、かわりに木のパテーションが用意されていた。
「お父さん、コレって!」
「あぁ、扉が重いじゃろうから外したんじゃが、着替えるのに扉がないのは恥ずかしいじゃろう?
それがあったら目隠しになるかと思ってな。」
お父さんってば、ホント紳士!こんな5歳児が何を言ってるなんて絶対言わないんだよ。トイレ後のクリーンを恥ずかしがった事から、お着替えとか お風呂とかも、心配はしてくれるけど大丈夫だと分かったら一人でやらせてくれる。
本当に アルクお父さんに拾ってもらえてよかった!
朝食後は ストレッチを行ってから サクっと薬草の採集。
納品は5ポイントを目標にしているからカイフク草を30本とマリキ草を20本、今はこれを確実に、丁寧に、できるだけ早く採集できるように練習している。
10本1セットで束ねたら籠に入れて、マジックバッグで保管する。
ギルドに持っていくときは いつもの鞄に入れるけど、少しだけでも時間を止めておけば新鮮だからね。
学び舎の日と同じくらいの時間に起きているから 採集を終えても2時間も経っていない。
お昼まではまだ時間があるから、今日はお父さんの魔力操作の練習も兼ねて 土人形作りの実験をすることになったよ。
「土魔法は盾と落とし穴、土の槍なんかで攻撃するくらいしか使ったことがないんじゃが、ヴィオは面白いことを考えるなぁ」
「うん、大きいのからはじめて 少しずつ小さくて細かい人形を作れるようになったら 魔力操作も上手くなると思うし、危なくないでしょう?
小さい子達との採集でも、ずっと採集だと 多分飽きちゃうでしょう?土人形だと泥遊びみたいで楽しめると思うんだ」
成程なあと感心しながら、畑の一部で土魔法の練習をすることにした。
水やりをしやすい理由から、川の近くから畑を再建してたんだけど、家の近くの畝2列分ぐらいは まだ何も植えてなかったから、土魔法の練習にも丁度良い。
「土魔法はそのままで呪文を唱えるよりは、こうして土に手をついて唱えた方が伝わりやすい。
今まではそういうもんじゃと ただ思っておったが、多分魔力をしっかり流して操作しやすくなっておったんじゃな。〈敵の足止めを【アースホール】〉」
お父さんの手元からほんの少し離れた場所に数センチほどの深さがある穴が出来た。
土の穴で落とし穴か。確かに土に魔力を流して自分の魔力を動かす方が容易だもんね。今まではそんな事を考えなくてやってたんだね。流石感覚で魔法を使っていただけあるね。
お父さんに教えてもらいながら土に魔力を流していく。魔力を流した土の中が手に取るようにわかる不思議。これ、どこまで流せるのかな。
畝の1つ分を魔力で満たしたら、そのまま深く浸透させてみる。ジワジワ水が染み込むみたいに幾らでも入って行くけど、もうちょっと早く流したらもっと奥まで進める?
石ッポイのとか、モグラとかかな?土の中の生き物らしき反応があるところは 魔力が反発するから、レーダーを見ているみたい。
面白くてドンドン流してたら突然手が土から離された。
お父さんに抱え上げられたみたい。抱っこのまま家に帰るみたいだけど、もうちょっとやりたかったんだけどな……。
◆◇◆◇◆◇
どうやら私は調子にのって魔力を流し過ぎ、魔力切れを起こしていたようです。
家に連れて帰られた事は覚えてるけど、その後ちょっとお昼寝してたみたい。目を開けたら寝室でびっくりしたよね。
「儂が途中で止めんかったのが悪かったんじゃが、びっくりしたぞ?」
起きたらお父さんに怒られはしなかったけど、とても心配させていたのが分かったよ。どうやら魔力回復薬まで飲ませてくれていたらしく、1銀貨も使わせてしまった事を知って 超反省したよ。
「いや、金の事などどうでもええんじゃ。まぁ、寝れば回復するから 夜はそのままじゃし、今も症状は殆どなかったからそのまま寝かせておけばよかったんじゃがな」
焦って回復薬を飲ませてくれたらしいお父さんに申し訳なさがこみ上げる。
自分の興味が勝ち過ぎた。というか、推定成人だった筈の私なんだけど、色々自分の行動の迂闊さに驚く。
興味を持ったからといって 人目を気にせずリフレ魔法をやってみたり、他の人が使っている魔法の真似をするのでもなく いきなり色々実験したり、さっきの土魔法も どこまで魔力が流せるかの実験をお父さんに一言相談することもせずに実行したり……。
幼児返りしている気がする。ちょっと気をつけよう。
お父さんに謝った後、さっきの魔力を流しているときに、石とか小さい生き物がいることも分かったと伝えたら、風魔法の中には 同じような方法で 索敵の魔法があると教えてもらった。
おお、ソナー的なやつだね?水とか風とか無属性なんかでよく描かれてた気がするよ。敵とかに色付けが出来ればゲーム的だけど、ステータス画面があるわけではないから無理だね。
うんうん、でも索敵の魔法はダンジョン攻略をするなら持ってる方が安全と言われたので練習するよ。
とりあえず1時間ほど寝てたみたいなので、お昼ご飯を食べて 武術訓練をしてもらえることになった。
お父さんが回復薬を飲ませてくれてなかったら、また今日も訓練できないところだったと気付いて、本当に自分の行動を 気をつけようって思ったよね。
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