104 / 584
銅ランク冒険者
第92話 日々の訓練
しおりを挟む他の冒険者との関わりをもたないまま銅ランクとして討伐を頑張っているヴィオ5歳です。
週末は 銅ランクの冒険者たちが訓練場で 特訓していると聞いたので参加の是非を聞いたんだけど、お父さんとサブマスから止めておくように言われたんだよね。
銅ランクっていうのは、一番お年頃の人たちが集まっているらしくて、あまりよくないらしい。
まああれですよ、ギルドのお約束的なのをやらかすのが そのランクの人たちなんだって。
銅から銀に上がれる能力がある人、例えばケーテさんのお兄さんなんかは さっさと薬草採取と討伐ポイントを稼いでランクアップをする。
ガルスさんが長く銅ランクでいたのは、妹のケーテさんが産まれて 可愛すぎて引き籠り状態になっていたかららしいからね。
やらかす系の人は、討伐だけに拘っている人に多いらしい。
「冒険者と言えば討伐だぜ!俺TUEEEEEE!」をやりたい人。
そういう人は どこまで行っても自己流になるらしく、討伐をしても素材が駄目になることも多い。
勿論 薬草採取などをすることもなく、ポイントが貯まらない。
悪循環のままにダンジョンに行って 大怪我をしたり、帰ってこなくなることもある。
この村は そういう人が物凄く少ないらしいけど、ゼロではないらしい。
で、そういう人は 週末の訓練場で教育的指導を受けているらしいので、そんな場所に見た目5歳児の私が行ったら確実に絡まれるらしい。ちなみに平日に来るような真面目な冒険者は 直ぐに銀ランクに上がれるような人だから、貸切にしていないという事だった。
うん、止めとこう。
不慮の事故的な巻き込まれでも楽しめると思うけど、初めから絡まれると分かっているところに入りたいと思うほど戦闘狂ではないからね。
という事で、残念ながら他の冒険者との訓練をすることはなく、サブマスが裏の森に来てくれての魔法訓練を行う。
「サブマスさん、少し離れた場所にいる人とお話が出来る魔法ってありますか?」
「伝達魔法ですか?風属性の魔法であると聞いていますが、私には使えないですね。エルフには使う者が多いと聞きますが……」
お父さんと二人で森に入っている時、サイレントで聞こえないようにいしてくれているんだけど、距離が離れると使えなくなる。伝達魔法があれば便利だと思ったけど エルフしか使えないのか。
「来年 ドゥーア先生に聞いてみます」
「私も使えるようになりたいので、来年一緒に勉強しましょう!」
サブマスも使いたいと思ったんだね。あればきっと便利だと思うんだ。
海人族は水魔法で伝達魔法があるらしいけど、それってイルカとかが水の中で会話しているのと同じ感じなのかな?
私は人族だから風魔法が使い勝手も良さそうだよね。
「その小さくする【ファイアボール】は使い勝手が良さそうですね。火の魔法は魔獣討伐に非常に効果的ではありますが、素材を駄目にしてしまうことが多く、使い勝手が良いという事はありませんでした。
しかしヴィオさんの方法でしたら 傷も最小限に抑えられますし、攻撃能力としては通常よりも高い。
ただ、魔力操作に長けていないと攻撃が当たらないという欠点もあります」
確かに【ファイアボール】が大きければ 多少ノーコンでも掠る可能性はあるけれど、この小粒だと ダーツで20のトリプルを狙う勢いで集中する必要があるもんね。
お父さんも土魔法の【アースボール】で同じように出来るよう練習をしている。
サブマスは【ウォーターボール】で使えるように練習をするらしい。あれだけ魔法が得意な人でもまだまだ練習をしたいと思うのは凄いことだよね。
ただの魔法オタクではないという事だ。
風の日は ギルマスや サブマスが来てくれて特別魔法練習を行い、聖の日は 隔週で子供薬草採取体験を行う。
木の日と土の日は常設討伐依頼を受けに森に通い、火の日と水の日の午前中は ギルドの2階でお勉強をしている。水の午後はケーテさん達との特訓だ。
ミミーさんが歴史の勉強を教えてくれて、タキさんをはじめとしたギルドの受付をしている人達が、冒険者として知っておくべき知識を教えてくれる。
時々ポール先生も顔を出し、羊三姉妹が勉強していたような 資料の読み方を教えてくれている。
学び舎は本当に文字を読むためと、冒険者になった時に困らないようにする基本だけを教える場所なのだという事がよく分かった。
まあ、それですら教えてもらえない場所の方が多い事を思えば、凄いんだけどね。
お父さんに買ってもらったノートも、この資料室での勉強会が始まってからどんどん増えている。
「ヴィオちゃんってば、呑み込みが早いんだもの。難しい言葉でもどういう意味か、理解してから次に行くでしょう?
どんどん吸収するから 楽しくなっちゃって、無理しないでね~」
大人たちはそう言いながら、新しい資料を手に教えに来てくれるから 頑張らないとって思っちゃうよね。5歳児だからか、ヴァイオレットの身体能力が凄いのか、スルスルと覚えることが出来るのも面白くて、私も知識欲が湧いてしまっているというのもあるんだけどね。
お父さんも時々一緒に付き合ってくれるんだけど、歴史系と書類系は苦手らしくて、それが始まると 魔獣図鑑と分布図とかを読み込んで、次に行く場所を探してくれている。
浅い森にいる ホーンラビットとウルフ、少し奥にいた グレーウルフは問題なく討伐が出来ている。
更に奥に行けばブラックウルフがいるらしいけど、これは集団になると結構大変という事で、そこまで奥にはいかないようにお父さんが調整してくれている。
今度はどこに行くのかな?
570
あなたにおすすめの小説
私を裏切った夫が、後悔しているようですが知りません
藤原遊
恋愛
政略結婚として、公爵家に嫁いだ私は
愛のない夫婦関係を「仕事」だと思い、正妻の役目を果たしてきた。
夫が愛人を持つことも、
その子を屋敷に迎え入れることも、黙って受け入れてきた。
けれど――
跡取りを、正妻の子ではなく愛人の子にする。
その言葉を、人前で軽く口にした瞬間。
私は悟ったのだ。
この家では、息子を守れないと。
元々、実家との間には
「嫡子以外の子は実家の跡取りにする」という取り決めがあった。
ならば話は簡単だ。
役目を終えた私は、離縁を選ぶ。
息子と共に、この家を去るだけ。
後悔しているようですが――
もう、私の知るところではありません。
【書籍化決定】アシュリーの願いごと
ましろ
恋愛
「まあ、本当に?」
もしかして。そう思うことはありました。
でも、まさか本当だっただなんて。
「…それならもう我慢する必要は無いわね?」
嫁いでから6年。まるで修道女が神に使えるが如くこの家に尽くしてきました。
すべては家の為であり、夫の為であり、義母の為でありました。
愛する息子すら後継者として育てるからと産まれてすぐにとりあげられてしまいました。
「でも、もう変わらなくてはね」
この事を知ったからにはもう何も我慢するつもりはありません。
だって。私には願いがあるのだから。
✻基本ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。
✻1/19、タグを2つ追加しました
✻1/27、短編から長編に変更しました
✻2/2、タグを変更しました
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
婚約者チェンジ? 義理の妹は公爵令嬢の地位もチェンジされました』 ~三日で破談、家ごと褫奪の末路です~
ふわふわ
恋愛
「お姉様の婚約者、私がいただきますわ。だって“公爵令嬢”ですもの」
義理の妹コンキュはそう言って、王太子との婚約を奪いました。
父はそれを容認し、私は静かに受け入れます。
けれど――
公爵令嬢とは“地位”ではなく、“責任”の継承者。
王宮で礼儀も実務も拒み、「未来の王太子妃」を名乗った義妹は、わずか三日で婚約破棄。
さらに王家への不敬と統治能力の欠如が問題視され、父の監督責任が問われます。
そして下されたのは――家ごとの褫奪。
一方で私は、領地を守り、帳簿を整え、静かに家を支え続ける。
欲しがったのは肩書。
継いだのは責任。
正統は叫びません。
ただ、残るだけ。
これは、婚約を奪われた公爵令嬢が
“本当に継がれるべきもの”を証明する物語。
【完結】聖女になり損なった刺繍令嬢は逃亡先で幸福を知る。
みやこ嬢
恋愛
「ルーナ嬢、神聖なる聖女選定の場で不正を働くとは何事だ!」
魔法国アルケイミアでは魔力の多い貴族令嬢の中から聖女を選出し、王子の妃とするという古くからの習わしがある。
ところが、最終試験まで残ったクレモント侯爵家令嬢ルーナは不正を疑われて聖女候補から外されてしまう。聖女になり損なった失意のルーナは義兄から襲われたり高齢宰相の後妻に差し出されそうになるが、身を守るために侍女ティカと共に逃げ出した。
あてのない旅に出たルーナは、身を寄せた隣国シュベルトの街で一人の騎士と運命的な出会いをする。
【2024年3月16日完結、全58話】
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので
モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。
貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。
──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。
……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!?
公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。
(『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)
恋は、母をやめてから始まる――正体を隠したまま、仮の婚約者になりました
あい
恋愛
両親を失ったあの日、
赤子の弟を抱いて家を出た少女がいた。
それが、アリア。
世間からは「若い母」と呼ばれながらも、
彼女は否定しなかった。
十六年間、弟を守るためだけに生きてきたから。
恋も未来も、すべて後回し。
けれど弟は成長し、ついに巣立つ。
「今度は、自分の人生を生きて」
その一言が、
止まっていた時間を動かした。
役目を終えた夜。
アリアは初めて、自分のために扉を開く。
向かった先は、婚姻仲介所。
愛を求めたわけではない。
ただ、このまま立ち止まりたくなかった。
――けれどその名前は、
結婚を急かされていた若き当主のもとへと届く。
これは、
十六年“母”だった女性が、
もう一度“ひとりの女”として歩き出す物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる