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ヴィオの冒険
第138話 村に帰ろう
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洗礼式がある日は、村ごとに予約がされており、神殿は大忙しなのだそうだ。
という事で、洗礼式の予約が入らない聖の日に、お父さんと神殿の見学に行くことにした。
例の水晶玉は 洗礼式の為に用意される特別な魔道具らしく、普段はどこかで保管されているんだって。
外観は白っぽい建物だったけど、中は 椅子や絨毯があるからか、そんなに真っ白という感じはしなかった。
両サイドにお祈りをするためなのか、長い椅子がたくさん並んでいて、入口から真っすぐに、椅子の中央を青い絨毯が敷かれている。
金糸で刺繍が入っているので、結構派手だなぁという印象を受ける。
静かな教会の中では 椅子に座ってお祈りをしている人がチラホラと。
両手を組んでおでこに付けている人もいれば、胸の前で手を組んで 天を見上げている人もいるから、祈り方に決まりはないのかな?
思っていたよりもショボいと思ってしまうのは、ルエメイ遺跡ダンジョンの1階が凄かったからだろう。
あれこそ、私が想像していた海外の教会って感じだったからね。
神様なのか、誰かの石像が沢山あったし、壁画も良く分からない内容だったけど美しかった。
しかも全面真っ白だったから、なんとなく背筋が伸びるというか、神聖な感じだったんだよね。
ここも綺麗だけど、絨毯の金糸と言い、なんとなくお金をかけている感じが俗っぽさを醸し出している。
『お父さん、あれがこの世界の神様?』
『そうじゃな、創造神じゃ』
『創造神なのに3人もいるの?』
『三つ子の神じゃと言われておるぞ』
正面の壁には 3体の神像が祀られていた。
私から見れば天使と思える3体の神は、クルクルカールのくせ毛に、天使のような羽があった。
髪の長さが違うから、それで見分けを付けているのかもしれないけど、皆美形である。
でも、日本での中途半端な知識がある私としては、この姿は天使なんだよね。
天使は 神様の遣いってイメージが強いけど、まあ、それは地球のお話だもんね。
『3人とも創造神なら、誰に何をお祈りしたらいいんだろうね』
『ああ、この創造神しかご神体がないが、この神々の配下に それぞれを司る眷属神がおるんじゃ。
細かいことを祈るには、その眷属神へ。もっと大きな、例えば(世界が平和であるように)なんかの祈りは創造神へ祈る感じじゃな』
水晶ピカーを避けていた事から、教会関係の事は全く教えてもらってなかったけど、そんな感じになってるんですね。
冒険者たちは 幸運の神様と、戦いの神様に祈ることが多いらしいけど、職業別に祈る神が違うんだろうね。
サマニア村に戻ったら、今度はそっちのお勉強も教えてもらおう。
お父さんもそんなに詳しくないっていう事だからね。
お父さんとは入口に近い椅子に並んで座り【サイレント】を使って話していた。
組んだ拳を口元に当てた状態で会話をしていたなんて 周りには気付かれることなく教会の見学は終了した。
創造神という存在は知ってるけど、お父さんも神様の名前を知らなかったから 祈れなかったとも言う。祈る相手の名前も知らず、お願いだけするなんて失礼すぎるもんね。
トニー君は ギルドの学び舎で 魔力操作の練習をしているから問題ないらしいんだけど、教室に参加していていなかった3人は 水晶玉に魔力をしっかり流せるように お宿で練習をしているんだって。
生活魔法が使えるから 然程難しいことではないと思うんだけど、緊張と気合が入り過ぎて 上手く流せなくなる子が毎年一定数出るらしい。
私とお父さんは 人も多いのでお宿で魔力操作と スパイスの整理をして過ごした。
翌朝、最後の屋台朝食を頂いた後、トニー君たちが洗礼式を受けに行っている間に、私とお父さんは 街の入り口近くにある馬車置き場に移動した。
普段は街の中まで馬車が入るけど、この洗礼式の時期は 出入りが多すぎるため こうして専用の馬車置き場を使うことになっていて、街の中まで馬車が入ることは出来ないらしい。
「お店の仕入れがある人達は大変じゃない?」
「ははっ、よく分かるね。だけどお店の仕入れなんかは もっと早い時間だからね、1の鐘から1時間くらいまでは街中に馬車が入る事が出来るんだよ。
2の鐘以降は 立ち入り禁止だけどね」
馬車置き場のお兄さんが教えてくれた。
そっか、昼とか夜の屋台の人でも、仕入れは早朝にしているから馬車が入れるんだね。
朝市が開くのは1と2の鐘の間くらい、つまり6時頃からだ。
私とお父さんが朝市に行くのは7時過ぎなので、早朝から行動する人たちは既に食べ終えていることもあるくらい。
2の鐘が鳴る8時過ぎには 早朝の屋台は店じまいをはじめて、ブランチにもなるサンドイッチなどを売るお店だけが残る。
その店も10時には昼の屋台と交代しているから、結構目まぐるしいのだ。
洗礼式は2の鐘から始まったようで、4人しかいないサマニア村の子供たちは30分ほどで儀式が終了したらしい。
たったこれだけの儀式の為に 前日からおよそ半日かけて馬車に乗り、お宿で出費してって大変じゃない? ひえ~、受けないって言っておいて本当に良かったよ。マジ勘弁ですわ。
「俺、得意属性3つもあったんだぜ!」
帰りの馬車の中、トニー君が嬉しそうに結果を報告してくれた。
どうやら火と風の2つだと思っていた属性が、土も得意属性だったらしく 3つだったらしい。
全属性持ちの私としては それがどれくらい凄い事なのかがよく分からない。
「私は水と木だけだったの。やっぱり教室に通ってた方が良かったんじゃないかなぁ。弟は今年から一緒に通えるようにお父さんにお願いしようかな」
「僕も木と風だけだった。冒険者になる訳じゃないし、今年からで良いって思ってたけど、トニーを見てたら通っておけばよかったと思った」
どういうことかと思えば、産まれた時点である程度の得意属性は決まっているというのが常識で、この時の得意属性は 両親の遺伝が大きな影響らしい。
ただ、トニー君の家庭環境的に土が得意属性である可能性は低かったみたい。
でも今回入っていたというのは、武術訓練で散々使っていたことが理由だろうという事だった。
「この子は元々風属性は持ってたはずだから分からないけどね、レンとハチに風属性が付くようなら 教室での練習が得意属性に関係するって事が分かるね」
皆はじめは上手くできなかったし、土壁も小さなものしか作れなかったもんね。
だけど、私が卒業する頃には 無詠唱で複数の土嚢が作れるようになってたし、トニー君が作る土壁も大きくなってた。あれは魔力操作が上手くなったという事だけではなく、得意属性になったからだったんだろうか。
そもそも得意属性って何だろうね。
はじめて使う時でも 比較的簡単にできるという事だったら、練習を重ねればいいだけだもんね。これもドゥーア先生案件かな?
一緒に馬車に乗っている子供たちは 2属性だったらしく、3属性以上は結構珍しいんだって。
学び舎に通えば、風と土は確実に得意属性となるんだったら、早めに通うのもアリだよね。3人は7歳になったから 来週から通い始めるみたいだけどね。
「早く冒険者登録して、銅ランクになって、ヴィオの事も追い抜くからな!」
「登録できるのは明日だからね。学び舎が終わってからだよ」
帰ったらスグに登録するというトニー君に、エリア先生がツッコむ。
明日の午前中はエリア先生の算術の授業だしね。ソワソワしすぎて お仕置きされているトニー君が容易に想像つくね。
サマニア村を出てからは、お父さんと二人で歩いた街道。
メリテントとサマニア村を繋ぐ道は よく使う道だから、他の道より整備されているし 魔獣除けの魔道具も多めに立っている。
「お父さん、馬車で走ってたら あの魔道具に魔力注ぐ人がいないね。
よく使う道なのに 魔道具が動かなくなったら困らない?」
「ほぉ~、ヴィオはよく勉強しているね」
「なんだ? 魔道具ってどれだ?」
ギルドの馬車だけど、以前ギルマスたちが会議で王都に向かうのに使っていたのは箱馬車と言われる 中が見えないタイプのもの。
今回私たちが乗っているのは 幌馬車と言われるタイプ、まだ寒い時期だから 幌をかけているけど、後ろはオープンだから 通り過ぎていく魔道具が見えているのだ。
私がお父さんに聞いていたら、エリア先生が感心したように褒めてくれる。
この旅の道中では よく魔力を込めてたからね。トニー君たちも後ろに移動してきて 身を乗り出してみようとして、大人たちに抱きかかえられている。
「道の両側にね、時々立っている柱がそうだよ。あっ、あれがそうだよ」
「へぇ~、あれが魔道具?普通の柱じゃねえんだ」
「ヴィオちゃん、あれはどんな意味があるの?」
ガラガラと馬車が走っていれば、等間隔に立っている魔道具が見えてくる。そのタイミングで皆に声をかければ 嬉しそうに覗き込んでいる。
確かに、村から出なければ気付かないし、知る必要もないのかも。
だけど聞いてくれたから、お父さんから教えてもらった魔道具の意味を皆に伝える。
「まじか、じゃあすげえ大事じゃねえか。ばあちゃん、魔力入れなくても大丈夫なのか?馬車からじゃ入れらんねぇじゃん」
そうそう、間隔は狭くても、魔力が足りなければ動かなくて魔獣が来る可能性があるもんね。私も気になってるからエリア先生を見つめる。
「ははっ、あの魔道具には 周囲の魔素を少しずつ吸収して 動くようにもなっておるから、完全に止まるっちゅうことはないよ。
ただ、冒険者たちが通る時に魔力補充をしている方が よりその威力が安定するっちゅうことだね。
この道だって、馬車でしか通らない訳じゃない。
商人の護衛として 歩く冒険者もいるし、他の町まで馬車の金を使いたくない冒険者もいるからね、大丈夫なんだよ」
「儂らが通ってきたような道は 元々利用者が少ない道じゃからな。ああして魔力を入れておいてやるのが大切なんじゃよ」
自家発電もあるけど、ガソリンがある方が良いよって事?
何だっけ、車でそんなのあったよね。EV? HV? AV? PV?
略語が多すぎて どれが何で、どんな意味なのか覚えてないけど、なんかあった気がする。それと一緒って事ね?
子供達は魔道具という事で興奮し、村の外壁にも設置されていると 付き添いの大人から聞いて さらに大興奮。早く帰ろう!となったのも仕方がないね。
という事で、洗礼式の予約が入らない聖の日に、お父さんと神殿の見学に行くことにした。
例の水晶玉は 洗礼式の為に用意される特別な魔道具らしく、普段はどこかで保管されているんだって。
外観は白っぽい建物だったけど、中は 椅子や絨毯があるからか、そんなに真っ白という感じはしなかった。
両サイドにお祈りをするためなのか、長い椅子がたくさん並んでいて、入口から真っすぐに、椅子の中央を青い絨毯が敷かれている。
金糸で刺繍が入っているので、結構派手だなぁという印象を受ける。
静かな教会の中では 椅子に座ってお祈りをしている人がチラホラと。
両手を組んでおでこに付けている人もいれば、胸の前で手を組んで 天を見上げている人もいるから、祈り方に決まりはないのかな?
思っていたよりもショボいと思ってしまうのは、ルエメイ遺跡ダンジョンの1階が凄かったからだろう。
あれこそ、私が想像していた海外の教会って感じだったからね。
神様なのか、誰かの石像が沢山あったし、壁画も良く分からない内容だったけど美しかった。
しかも全面真っ白だったから、なんとなく背筋が伸びるというか、神聖な感じだったんだよね。
ここも綺麗だけど、絨毯の金糸と言い、なんとなくお金をかけている感じが俗っぽさを醸し出している。
『お父さん、あれがこの世界の神様?』
『そうじゃな、創造神じゃ』
『創造神なのに3人もいるの?』
『三つ子の神じゃと言われておるぞ』
正面の壁には 3体の神像が祀られていた。
私から見れば天使と思える3体の神は、クルクルカールのくせ毛に、天使のような羽があった。
髪の長さが違うから、それで見分けを付けているのかもしれないけど、皆美形である。
でも、日本での中途半端な知識がある私としては、この姿は天使なんだよね。
天使は 神様の遣いってイメージが強いけど、まあ、それは地球のお話だもんね。
『3人とも創造神なら、誰に何をお祈りしたらいいんだろうね』
『ああ、この創造神しかご神体がないが、この神々の配下に それぞれを司る眷属神がおるんじゃ。
細かいことを祈るには、その眷属神へ。もっと大きな、例えば(世界が平和であるように)なんかの祈りは創造神へ祈る感じじゃな』
水晶ピカーを避けていた事から、教会関係の事は全く教えてもらってなかったけど、そんな感じになってるんですね。
冒険者たちは 幸運の神様と、戦いの神様に祈ることが多いらしいけど、職業別に祈る神が違うんだろうね。
サマニア村に戻ったら、今度はそっちのお勉強も教えてもらおう。
お父さんもそんなに詳しくないっていう事だからね。
お父さんとは入口に近い椅子に並んで座り【サイレント】を使って話していた。
組んだ拳を口元に当てた状態で会話をしていたなんて 周りには気付かれることなく教会の見学は終了した。
創造神という存在は知ってるけど、お父さんも神様の名前を知らなかったから 祈れなかったとも言う。祈る相手の名前も知らず、お願いだけするなんて失礼すぎるもんね。
トニー君は ギルドの学び舎で 魔力操作の練習をしているから問題ないらしいんだけど、教室に参加していていなかった3人は 水晶玉に魔力をしっかり流せるように お宿で練習をしているんだって。
生活魔法が使えるから 然程難しいことではないと思うんだけど、緊張と気合が入り過ぎて 上手く流せなくなる子が毎年一定数出るらしい。
私とお父さんは 人も多いのでお宿で魔力操作と スパイスの整理をして過ごした。
翌朝、最後の屋台朝食を頂いた後、トニー君たちが洗礼式を受けに行っている間に、私とお父さんは 街の入り口近くにある馬車置き場に移動した。
普段は街の中まで馬車が入るけど、この洗礼式の時期は 出入りが多すぎるため こうして専用の馬車置き場を使うことになっていて、街の中まで馬車が入ることは出来ないらしい。
「お店の仕入れがある人達は大変じゃない?」
「ははっ、よく分かるね。だけどお店の仕入れなんかは もっと早い時間だからね、1の鐘から1時間くらいまでは街中に馬車が入る事が出来るんだよ。
2の鐘以降は 立ち入り禁止だけどね」
馬車置き場のお兄さんが教えてくれた。
そっか、昼とか夜の屋台の人でも、仕入れは早朝にしているから馬車が入れるんだね。
朝市が開くのは1と2の鐘の間くらい、つまり6時頃からだ。
私とお父さんが朝市に行くのは7時過ぎなので、早朝から行動する人たちは既に食べ終えていることもあるくらい。
2の鐘が鳴る8時過ぎには 早朝の屋台は店じまいをはじめて、ブランチにもなるサンドイッチなどを売るお店だけが残る。
その店も10時には昼の屋台と交代しているから、結構目まぐるしいのだ。
洗礼式は2の鐘から始まったようで、4人しかいないサマニア村の子供たちは30分ほどで儀式が終了したらしい。
たったこれだけの儀式の為に 前日からおよそ半日かけて馬車に乗り、お宿で出費してって大変じゃない? ひえ~、受けないって言っておいて本当に良かったよ。マジ勘弁ですわ。
「俺、得意属性3つもあったんだぜ!」
帰りの馬車の中、トニー君が嬉しそうに結果を報告してくれた。
どうやら火と風の2つだと思っていた属性が、土も得意属性だったらしく 3つだったらしい。
全属性持ちの私としては それがどれくらい凄い事なのかがよく分からない。
「私は水と木だけだったの。やっぱり教室に通ってた方が良かったんじゃないかなぁ。弟は今年から一緒に通えるようにお父さんにお願いしようかな」
「僕も木と風だけだった。冒険者になる訳じゃないし、今年からで良いって思ってたけど、トニーを見てたら通っておけばよかったと思った」
どういうことかと思えば、産まれた時点である程度の得意属性は決まっているというのが常識で、この時の得意属性は 両親の遺伝が大きな影響らしい。
ただ、トニー君の家庭環境的に土が得意属性である可能性は低かったみたい。
でも今回入っていたというのは、武術訓練で散々使っていたことが理由だろうという事だった。
「この子は元々風属性は持ってたはずだから分からないけどね、レンとハチに風属性が付くようなら 教室での練習が得意属性に関係するって事が分かるね」
皆はじめは上手くできなかったし、土壁も小さなものしか作れなかったもんね。
だけど、私が卒業する頃には 無詠唱で複数の土嚢が作れるようになってたし、トニー君が作る土壁も大きくなってた。あれは魔力操作が上手くなったという事だけではなく、得意属性になったからだったんだろうか。
そもそも得意属性って何だろうね。
はじめて使う時でも 比較的簡単にできるという事だったら、練習を重ねればいいだけだもんね。これもドゥーア先生案件かな?
一緒に馬車に乗っている子供たちは 2属性だったらしく、3属性以上は結構珍しいんだって。
学び舎に通えば、風と土は確実に得意属性となるんだったら、早めに通うのもアリだよね。3人は7歳になったから 来週から通い始めるみたいだけどね。
「早く冒険者登録して、銅ランクになって、ヴィオの事も追い抜くからな!」
「登録できるのは明日だからね。学び舎が終わってからだよ」
帰ったらスグに登録するというトニー君に、エリア先生がツッコむ。
明日の午前中はエリア先生の算術の授業だしね。ソワソワしすぎて お仕置きされているトニー君が容易に想像つくね。
サマニア村を出てからは、お父さんと二人で歩いた街道。
メリテントとサマニア村を繋ぐ道は よく使う道だから、他の道より整備されているし 魔獣除けの魔道具も多めに立っている。
「お父さん、馬車で走ってたら あの魔道具に魔力注ぐ人がいないね。
よく使う道なのに 魔道具が動かなくなったら困らない?」
「ほぉ~、ヴィオはよく勉強しているね」
「なんだ? 魔道具ってどれだ?」
ギルドの馬車だけど、以前ギルマスたちが会議で王都に向かうのに使っていたのは箱馬車と言われる 中が見えないタイプのもの。
今回私たちが乗っているのは 幌馬車と言われるタイプ、まだ寒い時期だから 幌をかけているけど、後ろはオープンだから 通り過ぎていく魔道具が見えているのだ。
私がお父さんに聞いていたら、エリア先生が感心したように褒めてくれる。
この旅の道中では よく魔力を込めてたからね。トニー君たちも後ろに移動してきて 身を乗り出してみようとして、大人たちに抱きかかえられている。
「道の両側にね、時々立っている柱がそうだよ。あっ、あれがそうだよ」
「へぇ~、あれが魔道具?普通の柱じゃねえんだ」
「ヴィオちゃん、あれはどんな意味があるの?」
ガラガラと馬車が走っていれば、等間隔に立っている魔道具が見えてくる。そのタイミングで皆に声をかければ 嬉しそうに覗き込んでいる。
確かに、村から出なければ気付かないし、知る必要もないのかも。
だけど聞いてくれたから、お父さんから教えてもらった魔道具の意味を皆に伝える。
「まじか、じゃあすげえ大事じゃねえか。ばあちゃん、魔力入れなくても大丈夫なのか?馬車からじゃ入れらんねぇじゃん」
そうそう、間隔は狭くても、魔力が足りなければ動かなくて魔獣が来る可能性があるもんね。私も気になってるからエリア先生を見つめる。
「ははっ、あの魔道具には 周囲の魔素を少しずつ吸収して 動くようにもなっておるから、完全に止まるっちゅうことはないよ。
ただ、冒険者たちが通る時に魔力補充をしている方が よりその威力が安定するっちゅうことだね。
この道だって、馬車でしか通らない訳じゃない。
商人の護衛として 歩く冒険者もいるし、他の町まで馬車の金を使いたくない冒険者もいるからね、大丈夫なんだよ」
「儂らが通ってきたような道は 元々利用者が少ない道じゃからな。ああして魔力を入れておいてやるのが大切なんじゃよ」
自家発電もあるけど、ガソリンがある方が良いよって事?
何だっけ、車でそんなのあったよね。EV? HV? AV? PV?
略語が多すぎて どれが何で、どんな意味なのか覚えてないけど、なんかあった気がする。それと一緒って事ね?
子供達は魔道具という事で興奮し、村の外壁にも設置されていると 付き添いの大人から聞いて さらに大興奮。早く帰ろう!となったのも仕方がないね。
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