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お兄ちゃんたちとの旅
第165話 はじめての護衛依頼(付き添い)
しおりを挟む「僕も 一緒に買い物に行けばよかった! ヴィオに可愛いもの買ってあげたかったのに。明日もう一回お買い物行こっか」
夕食は屋台で購入して お宿で食べるようにしてたんだけど、お兄ちゃんたちのお部屋で一緒に食べてるときに 今日は何してたかって報告をしてたら トンガお兄ちゃんが悔しがってる。
「明日出発するんでしょ? お買い物する時間ないよ?」
「そうだけど~、そうだけどさぁ~」
「ははっ、トンガ 何か買うてやるつもりなら 王都で探せばええ。
流石にあの店でも 装飾品は 種類が少なかったからな、このネックレスも 守りの効果を期待してというよりは 可愛らしさで買うたようなもんじゃ。
ヴィオは 結界鎧があるし、そもそも 冒険者装備が リリウムと ミリーナの 渾身の作じゃからな。強化魔法も使えるし、魔法はそもそも 加減をせんと危ないくらいじゃ。買えるもんを探すのが大変じゃった」
あ~、悩んでたのは 使えそうなものが無いって事で悩んでたんだね。
トンガお兄ちゃんも お父さんの言葉に納得したらしく 王都では一緒にお買い物に行く約束をしました。鑑定眼鏡を買ったし 特に欲しい物はないんだけど、お兄ちゃんとのお出かけは楽しいから それを楽しみにしよう。
「ほへへ はひひはんが むがむんぐ」
「ああ 俺たちは 挨拶回りに行ってたんだけど 偶々サッサさんに会ってさ、明日 町に帰るって言うから 護衛依頼受けてきた。
父さんは明日の朝 ギルドで受領してきてね。ヴィオは 小さいから荷台に乗せて良いってさ」
何故 トンガお兄ちゃんは ルンガお兄ちゃんの フンガフフで 何を言っているのか分かるのだろうか。謎過ぎる。
「おぉ サッサか。久しぶりに聞くが ノハシムで活躍しておるとは聞いておったが、こっちに来ておったんじゃな」
聞けば サッサさんは サマニア村出身の犬獣人さんで、司書のミミーさんの親戚なんだって。
商人になりたい夢をかなえるのに 冒険者で力をつけて、銀ランクの上級になって 貴族と渡りをつけて 商会で修行を始めたらしい。なんか サマニア村の人って凄い人しかいなくないか……?
今は 次に行く予定の ノハシムの町で商会を経営しているらしく、主に鉱石の取り扱いをしているんだって。
今回は 鉱石を 領都で取引しているお店に売りに来たところだったらしい。
領都で 必要なモノを沢山買って それを ノハシムの町で 販売するのも仕事らしい。
で、行き先が同じだから お兄ちゃんが護衛依頼を受けたんだって。
「でも サッサさんも銀ランク冒険者なんでしょう? だったら護衛とか要らなさそうだけど」
「馬鹿だなぁヴィオ、サッサさん自身が強いから 馬車を一人で操って往復すんだよ。だけど 荷車を盗賊に狙われたら ひとりじゃ守り切れねーだろ? だから護衛を依頼すんだよ」
確かに。そりゃそうだね。空馬車で帰るならまだしも、町の為に色々購入した物を乗せた馬車だもの、狙われたらえらいこっちゃだね。
トンガお兄ちゃんは 偶々 再会した サッサさんが 明日出発すると聞いて 護衛を受ける約束をしたらしい。
サッサさんも ギルドに依頼をだしに行くところだったらしくて、両方の利害が一致したという事だね。
お兄ちゃんたちのパーティーは サッサさんと ギルドに行ったことで すでにお仕事依頼を受領したことになってるけど、お父さんは まだ受けてないことになっているので、明日の朝 ギルドに寄ってから 行くことになったよ。
護衛依頼! 冒険者の必須の依頼だよね。
まあ 私はおまけ扱いだけど、どんな感じなのか じっくり見れそうで楽しみです!
◆◇◆◇◆◇
翌朝、お宿をチェックアウトして 南の通常門を目指す。まだ朝の6時前だから 人通りは少ない。
この時間でも西門は 田畑のお手入れに出入りする人が多いらしいけどね。
中央広場で軽食を買って、食べながら道を歩いている現在。ちなみに私はお父さんの腕に抱っこされた状態なので ある意味座って食べてます。
同じ様な状態の通行人は 皆冒険者なんだろうね、若い人たちが多いのは ランクが低くて 朝イチに張り出される依頼書争奪戦に勝ち抜く為らしい。
高ランクの人たちが受ける様な討伐系は 然程焦って探しに行かなくても 残っているから 7時くらいにギルドに行くんだって。
私たちが早いのは 護衛依頼だから。
商人さん達にとって 移動はお金にならないからね、できるだけ早朝から動いて 早く目的地に到着するようにしているから その護衛を受ける冒険者の朝は早い。
ギルド前に到着した時点で 私はルンガお兄ちゃんと手を繋ぐ。クルトさんは一緒にここで待ってくれるんだって。
合同依頼になるから リーダー同士で 依頼を受ける必要があるんだって(報酬の揉め事がないようにって誓約書があるらしい)
うちは既に話し合っているので 然程時間もかからず 二人がギルドから出てきた。
5人で待ち合わせ場所に向かえば 2頭の馬にお水を上げている おじさんが居た。短い髪だから 耳のフワフワが目立ってて可愛い。
私たちに気付いたらしい その男性が 片手をあげて笑いかけてくれる。
「おお!アルク 久しぶりだな。息子たちも大きくなったもんだ、今日は頼むぞ。
って その子が トンガが言ってた娘か? こりゃまた 可愛らしいな。お前らに似なくて良かったなぁ」
「ああ 久しぶりだ。 娘のヴィオという、6歳じゃが 銅ランク冒険者じゃから 自衛力は十分にある。今日はよろしく頼む」
「はじめまして ヴィオです。6歳の銅ランク冒険者です、よろしくお願いします」
冒険者だというのも お兄ちゃんから聞いていたのか 驚きはなく受け入れてもらったよ。
荷台は既に荷物が沢山あって 準備は万端らしい。
私はサッサさんに ひょいと抱き上げられて 御者台へ乗せられた。これを使えと クッションまで渡されたけど 良いのでしょうか? 特等席ですよ?
「ヴィオ 見晴らしが良い場所に座れてよかったね、もし魔獣が来た時は 直ぐに荷台に逃げるんだよ」
トンガお兄ちゃんが楽しそうに言うから ここで良いらしいです。
2頭の馬にハーネスが取り付けられ、サッサさんも御者台に座った。
お兄ちゃんたちは左右に二人ずつ護衛として立つみたい。
私を乗せたまま 馬車は通常門に差し掛かる。出る時は タグを見せるだけで良いらしく、サッサさんは商人専用の札を見せていた。
私にタグの確認が無かったのは サッサさんの娘だと思われたのだろうという事だった。
商人が 留守番させることができない子供を連れて同行するのはよくある事だそうで、怪しい場合は 誘拐の可能性を考えて 調べられるみたいだけど、護衛の冒険者も連れているし よく来る商人という信頼があるから 顔パスだったんだろうってさ。
ガラガラ ガラガラ
ノハシムという町自体は そう大きくはない町だけど、その先にあるグーダンが 豊作ダンジョンと呼ばれるダンジョンがある町なので、そこまでの街道は かなり通行量が多く 道も整っている。
つまり 普段から人が沢山通るから 魔獣が寄り付かない。
つまり 暇だという事だ。
馬車は楽だけど スプリングが入っていないため揺れる。
クッションをもらったけど尻が痛い。
馬車の速度は2頭引きだから 早く走ろうと思えば 早く走れるけど、荷物もあるし 護衛が居るから 1頭引きと変わらないくらいのスピードで走っている。
予定では 街道で2泊する予定だというので この尻の痛みが そんなに長く続くのかと泣きたくなった。
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