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魔導学園へ
第252話 お屋敷での日々 その7
しおりを挟むおはようございます、昨日は夕食を食べている途中から記憶がございません。
気が付いたらフカフカベッドで寝てました。
ドレスから寝衣に着替えてたので 多分エミリンさんが着替えさせてくれたのだと思いますが、それすら気付かないとか……不覚。
トイレに行こうとベッドから下りれば 人の動く気配で起きるお父さん、ダンジョンじゃなくても気配察知が常に働いてるんですね?流石です。
「おはようヴィオ、随分早いな」
「ん、おはよ。お花摘み行ってくるね」
行先を告げれば 問題ないと思ったのか 普通に起きる準備を始め出すので リビングスペースを通って バスルームへ。
そういえば昨日は食事中に寝たから お風呂に入ってないんだよね。
このままお風呂に入っても良いけど、お父さんも起きたならストレッチの後ランニングをしに行くよね。
そしたらその後にお風呂でいいかな。
トイレを済ませて 洗顔などの朝の準備を整えれば 冒険者装備にお着替えをする。
ドレスに関しては メイドさんたちが洗ってくれているんだけど、冒険者装備は 特殊素材でもある為 自分で洗浄している。
いうて脱いだ後に【クリーン】してるだけだけどね。
だって ドレスもシーツも 手洗いしているって聞いたら 申し訳なさ過ぎるもん。
プレーサマ領都で洗濯の魔道具があったのを思い出したよね。
洗濯自体は魔道具を使うみたいだけど、すすぎ以降は 柔らかくするためとか 色んな理由で手洗いらしい。シーツが大量に天日干しされている風景は 柔軟剤のCMみたいで素敵だったけど 大変すぎる。
私は断然クリーン派です。
装備に着替えてお父さんとストレッチ。
「ヴィオ、今日からは 朝のランニングをしてから 朝食、その後座学をしてから 騎士と一緒に訓練をする。その後 早めに昼食にしてから 騎士たちの回復魔法の練習をしよう。
お昼寝を1時間取ってから 午後は魔道具の勉強じゃ。土の日と聖の日は休みでもええと思うが、先生の所に居れる時間はそう長い訳じゃないからな、そこはヴィオの疲れ具合を見て調整しようと思っとる」
ふむふむ、夕食時に寝ちゃったからだね。
でもお昼寝大事、魔道具の勉強中も 途中で一回は休憩しようとブン先生とも決めたしね、大丈夫だと思う。
「うん、お休みの日はいらないけど、その日は 訓練だけ中止にしようかな。
魔法陣のお勉強ね、思ったより大変そうで まだ記号を覚えるところなの。だから作れるようになるまでは頑張りたいんだ。魔道具はここでしか勉強できそうにないから」
訓練はダンジョンで実地訓練もできるし、それこそ野営中にもお父さんと二人で組手は出来る。
だけど、魔法陣の勉強は教師がいないと手探りにもならない。
基本を覚えて一つでも作れるようになれば アレンジができるだろうけど、まだまだ道のりは遠いのだ。
お父さんも訓練の休みを作ることには賛成のようで、その予定で考えようと言ってくれた。
ランニングだけなので お庭の訓練場でお父さんと並んで走る。
昨日は地下訓練場にしたけど こっちの方が朝の空気がキリッとしてて気持ちが良い。
走っていたら 途中で少しずつ騎士の人たちが参加してきて 5周を終える時には 10人以上参加してたよ。
「いつもこんなに早くからやってるんですか?」
「そうじゃな、ダンジョンでは時間が分からんことが多い、出来るだけ体内リズムを変えんように行動することを心掛けておるから、必然的に朝は早くなるな」
「へぇ、ダンジョンだと行動食だけでしょ? これくらいの時間から散策を始めてるって事っすか?」
「セフティーゾーンに他の冒険者がおらんかったら 結構しっかり調理をしておるな、食事が充実しておると 体力、気力共に回復するから ダンジョン攻略速度も上がるんじゃ。
それでもダンジョン中は もう少し早起きしとるから、この時間には散策開始しとるな」
ランニングしながら お父さんに質問をしている騎士さん達、私はお父さんの速度で走ろうと思うと真剣に走る必要があるから お喋りする余裕はない。
何となくそれは気付いてくれているようで 質問はされない。
5周終えたところで エミリンさんが待ってました。
「お嬢様、アルク様、おはようございます」
「エミリンさんおはようございます。昨日は夕食中に寝てしまったようで、お世話をおかけしてごめんなさい、お着替えありがとうございました」
お父さんに確認したら、やっぱりエミリンさんが食堂から抱っこで連れて行ってくれてお着替えまでさせてくれたと教えてくれたのだ。
お礼を言えば そんな事は気にする必要が無いと言ってくれるけど、お礼は大事です。
「朝食まで30分ほどございますからね、アルク様 お嬢様のご準備をさせて頂いても?」
「あ、ああ、ではお願いする」
起き抜けはランニング後のお風呂を考えたけど、お昼前にもう一度訓練する事を思えば その後のお風呂で良いんじゃない?って思ってたんですが、入る感じです?ふやけちゃいません?
「確かにそうですわね。ふやけることはございませんが あまり刺激を与えすぎるのも 玉のようなお肌には良くない可能性はありますわ。
でしたら 今は軽く汗を流すだけにして 室内着にお着替えいたしましょう。
旦那様との朝食に 冒険者装備は勇ましすぎますからね」
そう言いながら 素早く素っ裸にひん剥かれてクリーン浴。新しいワンピースに着替えたけど 訓練前にまた着替えるんですよね?とは言えない。
ルンルンのメイドさんたちがブラッシングをしながら 今日の髪型を話し合っている。
「そうだわ、お嬢様、訓練の際には 冒険者装備をお召しでいらっしゃいますが、お嬢様はお洋服の上から更に身を護るすべをお持ちだと伺いました。
でしたら 動きやすいお洋服でしたら 装備でなくても良いのかと思い こちらをご用意させていただきましたの」
そいう言いながら エミリンさんが見せてくれたのは 乗馬服のようなお洋服。
白いパンツはぴったりするタイプのもので キュロットスカートにするつもりだった人たちとの戦いがあったらしい。
「ですが お嬢様の訓練は 武術が主だったとお聞きしましたからね、でしたら 飛んだり跳ねたり 足蹴にしても 素足が見えない方がよろしいでしょう?」
確かにキュロットタイプだとタイツを履かないと色々見えちゃうもんね。
でもどうしても可愛いを着せたい人たちは考えたらしい。
「ですので、わたくし達はこちらを用意させていただきましたの」
見せられたのは所謂オーバースカートというやつだろうか、スパッツやパンツの上から履く巻きスカートのようなアレです。
登山ガールなんかがお洒落の為に履いてるのを見た事があります。
あとは 冬の女子高生かな?
腹巻くらい短いスカートの下に 学校指定のジャージを履いているのも ある意味オーバースカートだよね? あれを見て 『だったらもうジャージだけでよくない?』と思うのは年寄り臭いのだろうか。
パンツは白のシンプルなものだからか、スカートが数枚 色んな柄やレースが付いているのまである。上衣も数枚、白いシンプルなシャツ、ハイネックタイプのシャツで襟がフリフリのもの、肩からふんわり膨らんだ袖のシャツなど……。
「エミリンさん、昨日まで このお洋服を見た覚えがないんですが……」
「ええ、お嬢様の訓練について 騎士達から話を聞きましてから 皆が手分けして作りましたからね、今朝までに間に合ったのはこれだけしかないのですが、まだまだ届きますからね」
いやいやいや、え?
騎士との訓練は昨日したばっかりですよ?というか この屋敷に来て今日で3日目ですよ?
そんなに洋服って早く作れるものなんですか?
そんなわけないですよね? 寝てます? 皆さん夜なべとかしてません?
確かに訓練では武器を使ってやる訳じゃないし、もし使ったところで 結界鎧を破られることもないだろう。なので普通の服でも大丈夫なんだけど、まさかこんなに用意してくれるとは……。
訓練服すら日替わりになりそうで とんだお洒落ガールになりそうだ。
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