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魔導学園へ
第255話 学園の見学 本館
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魔導学園の見学に来ておりますが 広い、全てが広いです。
大昔の記憶の隅っこにある自分の通っていた学校は 小学校から始まり全ての校舎がこんなに広かった覚えはない。
日本の学校で一番印象に残るのは 廊下全面の窓じゃないだろうか。
忍び込んだ夜の学校で窓ガラス割っちゃうような歌が出来るほどである。窓ふき掃除とか冬は嫌だった思い出。
だけどこの学園の廊下に窓は少ない。ガラスが高額だし 魔虫の羽だって学校の窓として使うなら恐ろしい額になるだろうしね。
壁の上の方に 光源確保と風通りの為に小さな窓が点々とあるくらい。
窓は小さいけど 廊下を含め 全ての壁が白っぽい石壁だから 暗いとは思わない。汚れが気になりそうだと思うけど 【クリーン】があるからかとても綺麗。
「教室などの扉は全て 引きドアになっているのですわ」
空き教室の扉を開けながらエミリンさんが教えてくれる。私にとって引きドアは珍しいものではないけど、この世界に来てからは初めて見た。
何故かと聞けば 様々な種族が居るということは 身長差もある。ドアノブにしていれば 背の高い人、低い人で扱いにくい。だから引きドアが採用されたのだという。
「天井が高いのも それが理由ですか? 巨人族みたいな人もいる?」
「巨人は私が知る限り入学した記録はないが この学園を建設した初代学長が 翼人族が入学しても大丈夫なようにと天井が高くなったらしいよ」
翼人族!?
初めて聞く種族だけど 鳥獣人とは違うの?
「ははっ、私もまだお会いしたことはないんだけどね、この大陸ではない大陸がこの世界には存在し、その大陸には 獣人族の始祖と呼ばれる人たちが住んでいるという。翼人族は翼を持ち 自由に空を羽ばたくことができるらしい」
なんと!
他の大陸の話は聞いたことがあったけど、翼人族なる人がいるのは初耳だよ。
「でも飛べるなら自由にこっちの大陸と行き来してそうなのに なんでいないんだろうね」
海は危険な魔魚がいるから船は 陸から離れすぎることができないとは聞いた。
海人族の人達も 海中に住まいがある人、水陸両用で 海岸線に住まいがある人がいるとは習ったけど、それでも海の安全な場所だって事だったもんね。
先生に聞けば 少し悲しい顔をして 昔話を教えてくれた。
「勇者が現れるより前、その頃は翼人族も大陸に訪れていたらしい。
だが 非常に美しいその姿は 人々を魅了し、彼らをこの大陸に留めたいと思った者たちによって ひどい目にあった人たちが多くいたそうだ。当時は同じような理由でエルフも 多く捕まえられていた。
それらを救出してくれたのは勇者だった。
そして エルフの、特にハイエルフの多くは隠れ里から出てこなくなり、翼人族もこの大陸を去ってしまったんだ」
自分のような研究肌な人や 戦うことが好きで冒険者をしているエルフもいるけど、30歳くらいまでは隠れ里で育てられるエルフが多いんだって。
獣人族の子供といい、エルフといい、美しい、可愛い人を愛でたいというのは理解できるけど、それを攫って奴隷にしてっていうのは理解できん。
仲良くなって時々遊びに来てくれる関係性を築けばいいのに。
「お嬢様のようなお考えの人が多ければ平和なのですがね、他者から奪う、他者の自由や尊厳を奪うことに喜びを持つという者は一定数いるのですわ」
エミリンさんが悲し気な顔で頭を撫でてくれる。
うん、私も攫われかけたし、お母さんはそんな貴族のせいで死んだから そいういう奴らがいるのは知ってる。
「お待たせしました!ヴィオ嬢 楽しんでいただけていますか?」
ちょっと暗い雰囲気になりかけたけど ブン先生が現れてくれたことで霧散した。
「楽しんでます、建物自体がとっても素敵で ご家族を見学のために連れてきたいって理由も良く分かります」
「そう言ってもらえると卒業生としても嬉しいね」
そう言いながら見学の再開です。この学校の成り立ち、大陸の外向きではない歴史書は学園の図書館でしか読めない持ち出し禁止書らしい。
確かに外向きの歴史書があるなら そうじゃない記録の本は持ち出し禁止だろうね。
というか持ち出しが出来ないだけで読めることが驚きですけど、大抵そういうのってお城の禁書庫とかに封じられているものじゃないの?
そう聞いたら、図書館の本も誰でも読める訳ではないという。今回はドゥーア先生と一緒に行動することで 個室でのみ閲覧可能という事だったので、やっぱり禁書なんだと思った。
本館は1階から2階までの教室が階段教室だった。然程段差はないけど、テーブルの高さが違うのも階段状になっているから気にならない。
正面には壁の半分くらいを黒板が占めており 学校って感じがした。
3人掛けの長いテーブルが横に3列、階段も10段ほどある事を思えば100人弱が受講するのだろうか。
「そんなに多くの生徒、先生たちが把握できませんわ。
テーブルは1人から2人で使うことが多かったですわね。
身長差がある生徒たちの為に階段状になっているのです」
「ええ、あとは海人族が水桶を持ち込めるように 前列の奥は机が無いんですよ」
よく見れば 確かに前列の一角には 非常に低いテーブルだけしかない。
海人族の人によっては 水に浸かっている状態が至高という人もいるらしく、水桶に半身使った状態で授業に出られるように あんな風になってるらしい。
自由度が思った以上に高い。
「後で庭園も案内しよう、この学園内には 様々な場所に水場もある。海人族は 自分の気に入った水場で過ごすことが多いからね。
私を含めたエルフ族の多くは 大樹の近くにいると 非常に心が落ち着く。大樹も其処此処にあるからね」
そういえば先生のお屋敷にも 3階まで届くような大きな木があった。
窓にかかるのは暗くないのかな?と思ったけど、あの窓がある場所が 先生の執務室か寝室なのかもしれないね。
「エミリンさんとブン先生は どんなところが落ち着くんですか?お父さんは森?」
「いや、森は確かに落ち着くが 家のあれは仕事を兼ねとるからな。エルフや海人のように それが無いとというようなもんはないな。
冒険者でもエルフは洞窟しかないダンジョンはあまり入りたがらんと聞く。豊作ダンジョンをはじめとした森ダンジョンでは よく見かけるな」
ああ、緑が無いと無理なのかな。
ブン先生とエミリンさんも 特にないらしい。
ドワーフは 鉱山や鉄鋼関係の仕事をする人が多く そういった事柄に関われる場所に定住することが多いらしい。
一部獣人も種族特性で特殊地域に住む人がいるらしいけど、そういう人たちは地元から出ることが少ないから 分からないことが多いみたいだ。
ヒト族はそういう事が全くなく、どこでも住める。ただ 平均寿命が海人族の次に短いのが特徴だろうという事だった。
まあどこでも住めちゃうヒトが長寿だったら 他の種族が駆逐されちゃいそうだし 短命でちょうどいいのではないだろうか。
大昔の記憶の隅っこにある自分の通っていた学校は 小学校から始まり全ての校舎がこんなに広かった覚えはない。
日本の学校で一番印象に残るのは 廊下全面の窓じゃないだろうか。
忍び込んだ夜の学校で窓ガラス割っちゃうような歌が出来るほどである。窓ふき掃除とか冬は嫌だった思い出。
だけどこの学園の廊下に窓は少ない。ガラスが高額だし 魔虫の羽だって学校の窓として使うなら恐ろしい額になるだろうしね。
壁の上の方に 光源確保と風通りの為に小さな窓が点々とあるくらい。
窓は小さいけど 廊下を含め 全ての壁が白っぽい石壁だから 暗いとは思わない。汚れが気になりそうだと思うけど 【クリーン】があるからかとても綺麗。
「教室などの扉は全て 引きドアになっているのですわ」
空き教室の扉を開けながらエミリンさんが教えてくれる。私にとって引きドアは珍しいものではないけど、この世界に来てからは初めて見た。
何故かと聞けば 様々な種族が居るということは 身長差もある。ドアノブにしていれば 背の高い人、低い人で扱いにくい。だから引きドアが採用されたのだという。
「天井が高いのも それが理由ですか? 巨人族みたいな人もいる?」
「巨人は私が知る限り入学した記録はないが この学園を建設した初代学長が 翼人族が入学しても大丈夫なようにと天井が高くなったらしいよ」
翼人族!?
初めて聞く種族だけど 鳥獣人とは違うの?
「ははっ、私もまだお会いしたことはないんだけどね、この大陸ではない大陸がこの世界には存在し、その大陸には 獣人族の始祖と呼ばれる人たちが住んでいるという。翼人族は翼を持ち 自由に空を羽ばたくことができるらしい」
なんと!
他の大陸の話は聞いたことがあったけど、翼人族なる人がいるのは初耳だよ。
「でも飛べるなら自由にこっちの大陸と行き来してそうなのに なんでいないんだろうね」
海は危険な魔魚がいるから船は 陸から離れすぎることができないとは聞いた。
海人族の人達も 海中に住まいがある人、水陸両用で 海岸線に住まいがある人がいるとは習ったけど、それでも海の安全な場所だって事だったもんね。
先生に聞けば 少し悲しい顔をして 昔話を教えてくれた。
「勇者が現れるより前、その頃は翼人族も大陸に訪れていたらしい。
だが 非常に美しいその姿は 人々を魅了し、彼らをこの大陸に留めたいと思った者たちによって ひどい目にあった人たちが多くいたそうだ。当時は同じような理由でエルフも 多く捕まえられていた。
それらを救出してくれたのは勇者だった。
そして エルフの、特にハイエルフの多くは隠れ里から出てこなくなり、翼人族もこの大陸を去ってしまったんだ」
自分のような研究肌な人や 戦うことが好きで冒険者をしているエルフもいるけど、30歳くらいまでは隠れ里で育てられるエルフが多いんだって。
獣人族の子供といい、エルフといい、美しい、可愛い人を愛でたいというのは理解できるけど、それを攫って奴隷にしてっていうのは理解できん。
仲良くなって時々遊びに来てくれる関係性を築けばいいのに。
「お嬢様のようなお考えの人が多ければ平和なのですがね、他者から奪う、他者の自由や尊厳を奪うことに喜びを持つという者は一定数いるのですわ」
エミリンさんが悲し気な顔で頭を撫でてくれる。
うん、私も攫われかけたし、お母さんはそんな貴族のせいで死んだから そいういう奴らがいるのは知ってる。
「お待たせしました!ヴィオ嬢 楽しんでいただけていますか?」
ちょっと暗い雰囲気になりかけたけど ブン先生が現れてくれたことで霧散した。
「楽しんでます、建物自体がとっても素敵で ご家族を見学のために連れてきたいって理由も良く分かります」
「そう言ってもらえると卒業生としても嬉しいね」
そう言いながら見学の再開です。この学校の成り立ち、大陸の外向きではない歴史書は学園の図書館でしか読めない持ち出し禁止書らしい。
確かに外向きの歴史書があるなら そうじゃない記録の本は持ち出し禁止だろうね。
というか持ち出しが出来ないだけで読めることが驚きですけど、大抵そういうのってお城の禁書庫とかに封じられているものじゃないの?
そう聞いたら、図書館の本も誰でも読める訳ではないという。今回はドゥーア先生と一緒に行動することで 個室でのみ閲覧可能という事だったので、やっぱり禁書なんだと思った。
本館は1階から2階までの教室が階段教室だった。然程段差はないけど、テーブルの高さが違うのも階段状になっているから気にならない。
正面には壁の半分くらいを黒板が占めており 学校って感じがした。
3人掛けの長いテーブルが横に3列、階段も10段ほどある事を思えば100人弱が受講するのだろうか。
「そんなに多くの生徒、先生たちが把握できませんわ。
テーブルは1人から2人で使うことが多かったですわね。
身長差がある生徒たちの為に階段状になっているのです」
「ええ、あとは海人族が水桶を持ち込めるように 前列の奥は机が無いんですよ」
よく見れば 確かに前列の一角には 非常に低いテーブルだけしかない。
海人族の人によっては 水に浸かっている状態が至高という人もいるらしく、水桶に半身使った状態で授業に出られるように あんな風になってるらしい。
自由度が思った以上に高い。
「後で庭園も案内しよう、この学園内には 様々な場所に水場もある。海人族は 自分の気に入った水場で過ごすことが多いからね。
私を含めたエルフ族の多くは 大樹の近くにいると 非常に心が落ち着く。大樹も其処此処にあるからね」
そういえば先生のお屋敷にも 3階まで届くような大きな木があった。
窓にかかるのは暗くないのかな?と思ったけど、あの窓がある場所が 先生の執務室か寝室なのかもしれないね。
「エミリンさんとブン先生は どんなところが落ち着くんですか?お父さんは森?」
「いや、森は確かに落ち着くが 家のあれは仕事を兼ねとるからな。エルフや海人のように それが無いとというようなもんはないな。
冒険者でもエルフは洞窟しかないダンジョンはあまり入りたがらんと聞く。豊作ダンジョンをはじめとした森ダンジョンでは よく見かけるな」
ああ、緑が無いと無理なのかな。
ブン先生とエミリンさんも 特にないらしい。
ドワーフは 鉱山や鉄鋼関係の仕事をする人が多く そういった事柄に関われる場所に定住することが多いらしい。
一部獣人も種族特性で特殊地域に住む人がいるらしいけど、そういう人たちは地元から出ることが少ないから 分からないことが多いみたいだ。
ヒト族はそういう事が全くなく、どこでも住める。ただ 平均寿命が海人族の次に短いのが特徴だろうという事だった。
まあどこでも住めちゃうヒトが長寿だったら 他の種族が駆逐されちゃいそうだし 短命でちょうどいいのではないだろうか。
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