ヒロインは始まる前に退場していました

サクラ マチコ

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村でのひととき

第286話 出発準備

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サマニア村に戻ってきて2か月弱、アランさんからの依頼を受けて 森での狩りが少し多くなったけど、ギルドでの手合せも、魔法陣の練習も、回復魔法の練習もできて良かったと思う。
あの森にいたヒュージボアは ほぼ全滅したのではないかと思うくらい サマニア村の有志によって狩り尽された(かもしれない)

村でお仕事をしている大人たちが裏山の森に通っていたので、自由時間しかない私たちは ちょっとアンナープ村方面まで移動しながら ボア狩りを致しましたよ。
遠出をするという事で アランさんが冒険者時代に使っていたという 時間停止つきのマジックバッグまで貸し出してもらって行ってきました。
私の鞄が時間停止というのを知っている人はいないから ダブルの収納力ですからね ガンガン狩りましたよ。

お陰様で ギルドの貯肉室(肉だけじゃないけど 時間停止機能がついた冷蔵庫みたいな部屋)は凄いことになってるみたいです。
風の季節がもうすぐだし、そうすれば冒険者が大量に来るから 肉串が大量に売れるようになる。
毎年その時期には肉が足りなくて狩りに行く必要があって、だけど子供達の誘拐の危険性も高いから一度に沢山の人を出せないっていうジレンマがあったらしいんだけど、今年はその心配が無くて良い事だって笑ってた。

「こんなにボアを狩りまくったら 絶滅しちゃうんじゃないの?」

「まあ1か月もすれば 今ビッグボアの奴らが成長するじゃろう。次に帰ってきた時には戻っとると思うぞ。あいつらはある程度の数が決まっとるんか 全部がヒュージやギガントになってもおかしくない場所でも そうはならんからな」

「そうだぜ、じゃねえと 裏の森はギガントしか居ねえことになっちまうだろ。
普通のボアなんかは直ぐにビッグになるが ビッグからヒュージになるのは一定数って感じだな。
またしばらく旅に出んだろ? 戻ってきたら また頼むぜ。
他の奴らより ヴィオが狩ってくるボアが一番傷が少ねえからな」

上機嫌のアランさんに ワシワシと頭を撫でられる。
ヒュージの皮はハンモック風呂に加工されている。
口コミで村人からも購入希望が殺到しているらしいけど、マニーさんからせっつかれていることもあり まずは 高値で販売できる商業ギルドに販売をすることになっている。

なので、ギルマス、サブマス、アランさんの試作用ハンモック風呂がレンタル品として回っているらしい。
一度入ると病みつきになると広場で噂をする人たちが後を絶たず、レンタル品は順番待ちが凄いみたい。
早くお兄ちゃんたちにも使わせてあげたいね。



魔道具作りだけど、神代文字の実験は不発に終わってしまった。
やはり頭文字2文字だけで良いらしい、不思議だよね。
錬成陣も七属性しかないのも不思議なんだよね。この世界ではギルドカードも水晶も全属性=七属性といってるけど、無属性と光属性があるのはぜったいなのに。
だから正式なのは九属性が入った九芒星・エニアグラムなんじゃないかなって思ってる。
だけど流石に錬成陣を作るのは難しいから これで練習ですよ。

今は魔法陣を2種組み合わせることが出来るかを実験中。
髪色と瞳の色 両方を変化させるなら、水の瞳の色を変える魔法陣と、同じく水の髪の色を変える魔法陣の二つあればいいんだけど これが難しくてね。
旅の間も構想は出来るように練習ノートと筆記用具は持ち歩きます。
インクと錬成陣は置いていくけどね。


お肉は大量に手に入れたから、干し肉も前回の倍以上ある。
しかもありがたいことに アランさんがあの時間停止マジックバッグをお父さんに貸し出ししてくれたことで 非常に荷物が減った。いや、持ち歩く量は増えていると言えるのか?

「でもアランさん、マジックバッグいいの?」

「おお、暇が過ぎて 木工の仕事をしてたから 大量の木材を持ち運ぶのに使ってただけだしな、お前のお陰でしばらくは忙しくなる。
木工の方は別の奴らでも出来るが、この作業は出来る奴が居ねえからな。
容量は部屋二つ分くらいしかねえけど、時間停止があったら食材は腐らねえだろ? ダンジョン潜るんだったら持ってた方がいい。
礼は帰ってきた後 またボア狩り行ってくれりゃあいいぞ」

そんな事を言ってくれたのだ。
だけどこれで誤魔化しやすくなったとお父さんも喜んでいる。
お兄ちゃんたちはダンジョンでマジックバッグ手に入れられたかな?

「お父さん、お兄ちゃんたちとはゲルシイで待ち合わせなんだよね?」

「そうじゃな、2か月ほどゲルシイに潜って一度上がってきた時に手紙を送ってきたようじゃったが、他のダンジョンに行ってくると書いとったな。
鞄の事は書いてなかったが イマイチじゃったんかもしれんな」

そうか、マジックバッグが出る可能性は高いけど、その性能は分かんないんだもんね。
時間停止の大容量を目指しているって言ってたから、そうじゃなかったのか 数が足りなかったかかな。
だけど おかげでお兄ちゃんたちと一緒にダンジョンに行ける!
お出かけ準備は万全に整ってるし、初めての上級ダンジョン とっても楽しみだ。
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