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はじめての上級ダンジョン
第315話 ゲルシイの森ダンジョン その21
しおりを挟む19階の時は セフティーゾーンで沢山のパーティーが待っているという体験をしたけど、流石に29階にはいなかった。
私たちを抜いた数組も、〔草原の牙爪〕も既にボス戦を終えているのだろう。
昨日もしっかりお風呂に入り ゆっくり眠ったお陰で魔力、体力共に満タンです。
ボス部屋の扉も見慣れた扉で 壁に書かれた絵の状態ではない。
ああ、そうそう。
20階のボス戦を終えた後 入ってきた入口扉を見てみたら 扉は絵の状態になってました。
一方通行という事なんだね。
ボス戦を終えて 準備が整えば 外側と同じように扉に戻るんだろうけど それは私たちに確認することは出来ないのだろうと思う。
「さて、ラスボスは四腕熊とビッグベアだ。
多分今回は 父さんとヴィオがいる分 ビッグベアの数が2体以上になってると思う。上位種にまでなることはないと思うけど、20階の変異種って事があったから油断はしないでおこう。
今回の四腕熊は 僕とクルトで、ビッグベアはルンガとヴィオで大丈夫?」
「はい、大丈夫です」
お兄ちゃん達は頷いて返答。
今回の四腕熊は 【ウォーターバインド】を使ってみたいというトンガお兄ちゃんの希望があるので そちらはお任せです。
ビッグベアはお兄ちゃんたち3人の時には2体だったらしいけど、私とお父さん分1~2体増える可能性があると考えている。
その場合は 壁で分断して1体ずつ倒すことにしている。
「ヴィオ 頑張ろうな」
「うん、ルンガお兄ちゃんよろしくね」
二人で拳をごっつんして気合を入れる。
5人で扉に手を当てて ボス部屋が開くのを待つ。
ギギ ギギギ ギギギギッ バタン!
薄暗い中で見えるのは5体の影。
全部普通の熊に見えるけど、四腕はいないのかな?
やっぱりビッグベアは4体いたので 1体ずつを分断できるように水の壁を準備しておく。
「グオォォォォォォ!」
明るくなったと同時に咆哮を上げた後ろの個体。
吠えると同時に背中から2本の腕がニョキっと出てきた。まさかの後から生えてくるタイプ!
「【ウォーターウォール】」
ちょっと感動してたせいで発動が遅れたけど 準備してたから 熊がばらける前にちゃんと囲えました。
「【ウォーターバインド】」
トンガお兄ちゃんは右腕と左腕、其々を背中に生えた1本ずつと纏めてしまってます。
バンザイするように4本の腕を振り上げた時に発動させたから 2本ずつが綺麗にまとめ上げられて無抵抗状態。
阿修羅みたく横並びの腕ならまだしも、背中と肩から生える2本だから 二の腕から肘まで固定されたらもう動かせないんだろう。
そうこうしているうちに 私たちの獲物も仕留めないとね。
ルンガお兄ちゃんは左から攻めているので 私は右から。ガリガリと水の壁を引っ搔いているけど 傷つくことはない。
すでにビッグベアは森ゾーンで色々試しているので ここで時間をかける必要はない。
砂の鞭に魔力をしっかり流して一閃。
2体を倒した時には ルンガお兄ちゃんも終わってた。
四腕熊も お手上げ状態だったからすでに終了してました。
「20階のボスの方がやばかったな」
「まあ変異種だったしね。四腕は 腕の固定が出来たら楽勝だったね。ヴィオ、良い魔法教えてくれてありがとうね」
私は口を塞ぐ事しか考えてなかったけどね。お兄ちゃんの使い方は私も参考にさせてもらいます。
「さて、じゃあ宝箱開けよっか。もう目的は達成されてるし、ヴィオが開けていいよ」
そっか、何が出ても良いなら気が楽だね。
ではでは遠慮なく開けちゃいますよ。
「宝箱 オ~プン!」
ガチャリ
開けた箱に入っていたのは グーダンの時と同じく 気に入ってた食材たちとウエストポーチが一つ。
鞄率60%という事は確実にマジックバッグなんだろう。
容量にもよるけど これはお父さんが使う事で良いのかな?
「おっ、鞄は一つか。けど その分容量が大きいかもね。父さん 確認してみてよ」
「ほんまに儂が貰ってええのか?ポーチじゃったらヴィオも使えるじゃろう?」
「そうだけど お父さんの鞄はアランさんに返さないとだもん。一つは持っておこうよ」
トンガお兄ちゃんの言葉に遠慮しそうになってたけど、ルンガお兄ちゃんもクルトさんも反対しないので お父さんが確認。
容量はお兄ちゃんたちが20階で貰ったのとほとんど同じだろうという事。あとは時間停止の確認だけど これは後でも良いだろう。
食材はダンジョン様が覗いていたのでは!?と思うしかないラインナップ。
ポアレス、ハズレ袋各種、肉は葉に包まれているから謎肉だけど 鑑定の結果 ココッコと ラビットの肉だと判明。この2種は炊き込みご飯とパエリア、親子丼などで大活躍だったからかもしれない。
「ダンジョン様、とっても素敵なプレゼントを沢山ありがとうございました」
その場で跪き、両手を組んで虚空を見上げてお礼を告げる。
「あ、俺も言っとく」
「「「ダンジョン様、ありがとうございました」」」
お父さんがクツクツ笑う中、お兄ちゃんたちも私の隣に跪いてお礼を告げる。
いや、ダンジョン様がいるのか知らんよ?
けど この宝箱のセレクト具合といい いそうじゃない?
ちなみに前回のお兄ちゃんたちは ラスボスの宝箱に鞄が3つだけ入ってたというので 毎回違うことがよく分かったよね。
そう思うと やっぱりダンジョンの神様がいるんだと思うんだよね。
本当に ありがとうございました。
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