桜に集う龍と獅子【完結】

Lynx🐈‍⬛

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プロローグ

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「どう………かな……?」

 結婚式場で、ウエディングドレスの試着する女。その姿を見ている男は照れていた。

「櫻~…………めっちゃ綺麗!!惚れ直すよ!」
「ホント?………じゃ、コレにしようかな?」

 一見、結婚式を控えたカップルの微笑ましい光景だ。プランナーもこのカップルの式に携われる事に嬉しそうにしている。2人は苦労して苦労して、やっと結婚が出来るのだ、とプランナーは聞いていたからだ。
 出会いから付き合って、どう結婚に至るのかを、プランナーは聞く事が多い。このカップルはどちらも両親は居らず、孤児院で育った2人だ。質素な式にはなる2人だが、新婦の勤め先の保育園の園児達がお祝いに駆け付けるという。

 .•*¨*•.¸¸♬.•*¨*•.¸¸♬

「あ、マナーにしてなかった!すいません!ちょっと失礼します!」
「はい、新婦様の事はお任せ下さい」
「すいません!!」

 男のスマホが鳴り、マナーにしていなかった事を侘び、試着室から出て行った。

「大和ってば、慌ただしいんだから…………もう……」
「本当にお似合いのお2人ですわ」
「やだ、照れます!」

 暫くして、新郎の大和が戻ってくる。

「ごめん、職場でトラブったみたいだ………俺が関わってた案件らしくて、先輩から呼び出されちゃったよ」
「え!?」
「行ってきていいか?」
「う、うん………このドレスで大和が良いなら、後はもうそんなにこっちは决め事ないから………ですよね?」
「はい、大丈夫です」
「櫻!!ドレスはソレ!!絶対にソレ!!」

 力いっぱい、大和は櫻のドレスを推す。その満面の笑顔で言う大和に微笑み返した櫻は、とても嬉しそうだった。

「分かったから………先輩待たせちゃ駄目じゃん、ほら行った行った!」
「ごめん!!今度メシ奢る!!」
「はいはい………出世払いでいいよ」

 式場の打合せを終えた櫻。

「暇になったな………この後デートの予定だったのに……アパート帰って掃除でもしようかな」

 大和の車で来ていた事を思い出した櫻。式場前にあるバス停で駅行きの運行情報を見る。

「歩くか…………太ると大和怒るし……」

 だが、それが大和との結婚式が取り止めになる事等思ってもいなかった。
 女の名は松本櫻子。平凡だった生活は一変する。
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