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集会
しおりを挟む櫻子は別室に待たされた。その別室から離れた場所に居る極道の面々が見えている。わざとなのか、応接室らしき櫻子が居る部屋へ怒号が聞こえた。
『頭!!獅子王組から襲撃受けて、何故直ぐにこっちに来ねぇんですか!!』
『女と一緒だったらしいじゃねぇか!そんな女の方が組より大事ですかい!連絡も取れねぇし!』
『……………』
幹部達なのだろう、怒鳴り声の側で桜也はしれっとしていた。
「すまないな………スマホの充電切れてたのも忘れてたんだよ」
「頭~~!!いいんですか!獅子王組を付け上がらせるんですよ!!」
「まぁ、とりあえず俺が被害あった店の顧問弁護士になってやるから、金はぶん取ってやるよ」
「何一般的な方法取ろうとしてるんですか!!」
「お嬢と一緒だったんだよ」
「「「「「お嬢!?」」」」」
桜也は櫻子の祖父の龍崎を見る。龍崎の意見を求めようと見たが、黙って見ていた。
「頭、雪お嬢見つかったんですかい」
「頭はまだ小さかった筈だ……雪お嬢探してたなんて……健気だったんですなぁ」
「見つかったんだよ………雪の娘がな……」
「「「「「!!」」」」」
「親父!!」
「マジですかい!!」
「一体何処に!!」
龍崎が口を割る。そして、集まっている部屋から見える応接室に目線を送った。それに合わせ一同が目線を向けた。櫻子もざわざわと怒号から野次馬的な話しになり、応接室からの中庭を挟み幹部達と対峙する。
「………え?………え?………如何すれば……」
櫻子に付いていた坂本に振り向く櫻子。
.•*¨*•.¸¸♬.•*¨*•.¸¸♬
坂本のスマホが鳴る。
「はい…………分かりました、お連れします」
「?」
「お嬢、親父がお呼びです」
「…………こ、怖いんですけど……あの中」
「………まぁ、頭居るので大丈夫かと」
応接室のソファから立ちあがり坂本の案内で大部屋に移動する。
「お連れしました」
「………おぉ、入れ」
龍崎の少し離れた上座の部屋隅に座布団が置かれており、そこに座るように坂本に促された。
「孫娘の櫻子だ」
「…………さくら子………まさか、雪お嬢と高嶺の若頭の子じゃねぇんですか?」
「そうだ………雪お嬢は桜太に惚れていた……」
「生憎だが、親父が死んでから4年後に櫻子お嬢は産まれている………父親は俺の親父じゃねぇよ」
「DNA鑑定しているが、桜也とは関係ねぇよ」
煙管を吸い胡座をかく龍崎。
「雪に似て美人だろ?ん?」
「……………へ、へい……」
「ただ、父親は分からねぇ……幹部達は雪の事をよく面倒見ていた奴等だ。家出するきっかけは桜太の死だが、そんな事は関係ねぇ……櫻子は産まれて直ぐに孤児院で育った。雪が預けたのかは分からんが、先に獅子王か櫻子を10年前から見つけていた…………そうだな?桜也」
「はい…………そして、獅子王大和………獅子王組若頭が同じ孤児院で生活し、櫻子お嬢と結婚式を挙げようとしていた……お前達……本気で雪お嬢を探していたのか?」
「獅子王………の倅と結婚………ですと?」
「お嬢!!いけませんぞ!!獅子王組の倅と結婚なんて!!」
幹部達が、櫻子に詰め寄っていく。
「やめねぇか!!」
空気がピリッと張り詰める程、桜也が声を張り上げた。幹部達が一斉に止まる。
「お嬢は極道を知らねぇ!てめぇらは詰め寄るな!…………結婚は阻止してある………だが、まだ獅子王組はお嬢を諦めてねぇ……いいか、動向を調べろ……まだ奴は切り札がありそうな気配がある」
「分かりました」
「俺達からはまだ仕掛けねぇ………いいな」
「親父はそれでいいんですかい」
「……………何か他にいい案あるなら聞くが?
」
「仕掛けねぇ、て頭は言うがお嬢がこっちに居るなら、仕掛けてもいい気もしますが」
龍崎は桜也を見る。
「どうだ?桜也」
「街中で襲撃してきたのは獅子王側からですからね……こっちが報復して乗り込んだ所で、血の海になるだけです………察も監視始めたでしょうしね………今日明日当たり、龍虎会頭ではなく、龍虎会顧問弁護士の俺に事情聴取来るでしょうから、どっちを監視するかなんて、火を見るよりも明らかです………わざわざ、火に油を注ぐ必要ないんだよ」
「…………分かりました」
「じゃ、解散…………動向監視しとけよ」
「「「「「へい!」」」」」
幹部達は解散すると、残っていた龍崎と桜也。櫻子は如何していいか分からずそのまま座っていた。
「櫻子………」
「は、はい」
「すまんな………早く雪を見つけられていたら、お前を孤児院等に入れて苦労等させんかったのに……」
「……………いえ……私にしたら、それが普通でしたから……」
「…………紅子にも見せてやりたかったな……お前を……」
「お祖母さんですよ」
「線香でもあげてくれや、櫻子」
「はい」
仏間に案内された櫻子。遺影はどことなく櫻子に似ていた。
「桜也、お前………櫻子を貰ってくれるんだろうな……」
「…………い、いきなり何を……」
「……………」
「俺は、桜太と雪が龍虎会を継いでくれるのを望んどった……だが、桜太が死に雪は極道を心底嫌がっていった………極道っても桜太が死んで犯罪ってのもしておらん……血の気の多い奴は多い最終就職場所みたいなもんだ……お前も表は弁護士だしな」
「それは、親父が学を持て、と言ったからで、育てて戴いた恩もありますし……」
「そりゃ、お前に才があるからよ、お前の力だ…………獅子王に櫻子が嫁いだら、櫻子は極道に戻っちまう………せっかく保育士になれたんなら、その道を外しちゃいけねぇ……お前達が、その気なら早くひ孫でも見せてくれや…………ははははははっ!」
「…………あ、あの……お母さんは探さないんですか?」
勝手に自分の望む道を桜也に薦める龍崎に、櫻子は話を逸らす。龍崎は押し黙ってしまった。
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