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判明した事実
しおりを挟む「過去25年から30年前に失踪し、その後身元不明の遺体から、あるDNAと血縁関係があるか調べて頂きたいんですよ」
「25から30年前?………名前は?」
「龍崎 雪…………龍虎会会長の一人娘……で、この隣に居る彼女が、雪の娘だと近頃判明しましてね」
刑事達が一斉に櫻子を見る。ざわざわと慌てている。
「龍崎 雪………お、おい!今すぐ確認出来る物はあるのか!鑑定書とか!」
「今は………事務所には保管してますが」
「み…………見つかった……」
「教えて下さい、何が見つかったんですか!」
「……………あ、あぁ……お嬢さんが、だよ……25年前、外交官をしていた両親が中国滞在中に、産まれて半年の娘が誘拐されたんだ。身代金要求も無いから、人身売買の可能性が濃厚で、任期満了に伴い両親は帰国しなければならなくなってな、日本でも捜索願いが出された………それが一般的家庭の事なら俺らも覚えてねぇ……」
「ま、まさかその母親が、雪お嬢だと?」
「…………マル暴担当の刑事に、直に捜索願を出して来たのが、龍崎雪と名乗る夫人だった」
桜也は固まる。生きている可能性もあるからだ。櫻子も誘拐されて日本に戻ってきたとは全く想像もついていない。
「な、何故………捜索依頼なら管轄は違う筈ですよね?」
「…………龍虎会と敵対する組織が関係してんじゃないか、て見ているらしい……一昨日も獅子王組が龍虎会に牙向けたろ?奥様から連絡入ったばっかりだ」
「わ………私……捨てられた子じゃなかった………んだ………」
「会えますよ、ご両親は健在です」
櫻子は顔を覆う。両親に捨てられた訳じゃない、と分かっただけでもホッとした。
「戸籍迄調べたのに……」
「…………あぁ……籍はまだ龍崎のままなんだそうだ……龍虎会からは立場を憚って、捜索願も出してないだろ?夫婦別姓…………お嬢さんは父親の性だった筈だ………えっと何だったっけ…………」
「高嶺ですよ」
「あ、そうそう、高嶺」
ガタッ!
桜也は立ち上がる。その拍子に椅子を倒した。
「た、高嶺だと?」
「桜也………」
「雪お嬢と親父からは櫻は産まれてない筈だ…………」
「…………えっと……父親の名前は高嶺蒼太……だな」
「…………蒼太……?」
桜也は知らない名前らしく、首を傾げた。
「で?情報を一人教えましたが、先生の方から何が戴けるんで?」
「…………私達には母親情報が聞け、貴方達には娘情報が聞けたじゃないですか……あとはお任しますよ」
「………ズルいですなぁ……獅子王組と龍虎会………長年の小競り合いを終止符を打ちませんか……」
「獅子王組側に言ってもらえます?龍虎会からは手を出してる訳ではないんですよ?だから、銃撃事件も被害届出すだけで済ますつもりですから」
刑事は桜也にゾッとする。何故なら殺気めいた目線を向けたからだ。
「いい情報聞けましたし、私達はそろそろ失礼しますよ」
「まだ、事情聴取済んどらん!」
「他の方達からも聞いたんでしょう?龍虎会の組員かも………同じですよ……獅子王組は龍虎会のシマが欲しいだけです。その為に手っ取り早く、龍虎会の令嬢、櫻子お嬢さんを欲しがっている。龍虎会は獅子王に雪お嬢さんの娘を渡したくないんですよ」
「なる程ね………お嬢さんが鍵な訳だ」
「そういう事です………お嬢、行きましょう」
「…………失礼します」
警察署を出て来た櫻子と桜也。桜也は直ぐにスマホを取り出し連絡を入れる。恐らく祖父だろう。車の助手席のドアを開けて、櫻子を乗せると、そのドアに凭れ話始めた。
「親父、雪お嬢存命してます………今警察署に弁護士として来てまして櫻子お嬢と話を…………詳しい話はまた後程行きます………はい………その前に父親も分かりましたので、役所行った後に……」
スマホを切って直ぐ、また検索し、電話を掛けた桜也。
「坂本、今から役所に向かう、そこで合流する」
それだけ言うと、桜也も車に乗り込み、車を発進させた。
「同じ高嶺だったんですね」
「…………櫻と俺は血縁関係じゃない……ただ、親しいという結果ではあったんだ」
「それはどういう?」
「従兄妹、若しくははとこ……第五等親以上の身内………て事は、本当の親父の血縁関係が父親、という事になる……高嶺、というなら
親父の兄弟………俺の戸籍なんて親父迄ぐらいしか見た事なかった……」
役所に着き、坂本達と合流した櫻子と桜也。駐車場に停めて坂本だけ連れて3人で役所に入る。今時、コンビニでも戸籍は取れるが、過去のを知るには役所しかない。戸籍を確認すると、桜也はやはり、と呟いた。
「…………あった……親父の弟……高嶺蒼太……養子………櫻子……」
「お母さんは籍を入れてない、て言ってたから、私だけ高嶺籍に………」
「…………龍崎家に戻るぞ」
龍虎会本部、龍崎家に戻った桜也は、龍崎に戸籍謄本を見せた。
「……………桜太の弟の娘だと?……雪はその男と居るのか!」
「はい、先日の銃撃事件の後も、被害確認をしてきた、と」
「………雪………雪が生きて………」
涙を流す龍崎。極道でもやはり人の子、人の親だった。
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