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お行儀見習い【リュカリオン】①
しおりを挟む皇子達に会ったラメイラは翌日から、【お行儀見習い】という勉強が始まった。
何をさせられるんだ、と初日からうんざりする。
王城の図書館で勉強をすると言うので、やって来たラメイラ。
「で?何をするんだ?」
「お前は淑女らしくなろうとは思わないんだろ?」
リュカリオンから始まった【お行儀見習い】は、国交に対する勉強だった。
リュカリオンは皇太子で皇帝の代理で外国に行き来する事もあるらしい。
今は結婚式が近い為、外国には行かないが、リュカリオンの知識はトーマスの上を行く。
「何でそんな事をするんだ?」
「皇子妃になるなら、皇子のサポートが必要になる。皇太子の俺の代行で弟の誰かが行く事もあるんだ。皇子妃も同行を余儀なくされる事もあるから、俺が知識を教える。」
「私は勉強が苦手なんだが……。」
「知ってる、だが教え方が下手な奴が教えても時間の無駄だ。タイタスがナターシャに地理と歴史を教えたが、タイタスは教え方が下手過ぎて、ナターシャが予習してまで覚えてたぐらいだ。」
リュカリオンが何か苛々しているのが気になったのだが、タイタスの話をした事の方が気になったラメイラは、リュカリオンにタイタスとナターシャの事を聞いた。
「タイタスは、教え方が下手過ぎて、ナターシャに迷惑掛けてたのか?」
「迷惑、という訳ではなかったが、困ってたようだ。ナターシャはタイタスに気遣ってたな。予習したいから、と言って、図書館で勉強してたし。」
「ナターシャは勉強出来るんだな……。」
ラメイラは、ナターシャが勉強熱心なのを感心すると、リュカリオンは嬉しそうに自慢する。
「当たり前だ、ナターシャは5歳で俺の許嫁になり、父上の宰相が皇太子妃になるべく教育された令嬢だからな。」
「え!?そんなに前から許嫁だったのか!……そっか、リュカはナターシャが好きで結婚する訳ではないんだな………。」
「は?………ナターシャは俺が望んだ相手だし愛しているが?」
皇帝からも少し聞いてはいたが、リュカリオンがラメイラに言った事は本当なんだろう。
何よりも語る目が冷たくないから……。
「なぁ、聞いていいか?」
「何だ?」
「ナターシャを好きな所はなんだ?」
「な!!何でお前に言わなきゃならないんだ!!」
「リュカが照れてる!!」
ラメイラはこれには驚きを隠せない。
(………お、驚いた……こんな顔をするんだ………リュカがっ!)
「も、もうナターシャとの話はいいだろ!勉強始めるぞ!!」
と、無理矢理話を切り上げられ、ラメイラの苦手な勉強が始まった。
リュカリオンの教え方は、ラメイラの興味が湧いた。
先ず、ラメイラの自国、トリスタン公国とレングストンとの国交の話だ。
トリスタンとレングストンの貿易で何が輸出入され、何が名産なのか、産業等を教えられ、自国の良さを改めて知ったぐらい、リュカリオンの教え方が面白かったのだ。
「リュカ、ありがとう、教えてくれて。知らなかった事がこんなにあるなんて、面白かったよ。」
「お前の為になったのならそれでいい。俺は結婚後は、なかなか教えてやれないかもしれん。その代わり、国交についてトーマスかナターシャに頼んである。教え方は俺とは違うかもしれないが、ラメイラには適任だろう。」
ラメイラの記憶のリュカリオンは違っていた。
闇を抱え、女を嫌い、大人に対しても目は冷たかったリュカリオン。
弟皇子達に見せる姿をナターシャに向けている事に安堵したのだった。
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