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お行儀見習い【トーマス】①
しおりを挟むお行儀見習いが始まり2日目、トーマスと王城の図書館で待ち合わせたラメイラ。
「リュカと国交の事を話たが、トーマスは何だ?」
「俺?俺はコレ!」
バンッ!
ラメイラの前に辞書や分厚い本か置かれた。
「な、何だこの本!辞書もあるけど………?」
「公用語の勉強。トリスタンとレングストンは公用語を話すが、お前の公用語は雑だ。こっちの本は公用語を話さない他国の本、コレを訳して朗読。辞書は分からない単語を調べる為に用意した。」
「…………え、やだよ!」
断固拒否、と言わんばかりのラメイラに、トーマスは眼鏡を掛け直して冷ややかに言い放つ。
「………お前………タイタスを狙いに来たんだろ?」
「ぐっ………。」
「タイタスは見た目も中身も豪快な奴だが、あいつは外交や、来賓の前では兄上より、猫を被れるぞ?ここぞ、と言う時のタイタスは公用語も綺麗に話す………さぁ、お前はその横で、タイタスに恥をかかすのか?」
「わ、分かったよ!!やるよ!!」
ブツブツと不貞腐れ、本を開くとラメイラはまた顔が強張る。
「何だよ!コレ!経済………こっちは古代文学……恋愛小説…………はぁ!か、官能!!普通の無いのか!!普通の!!」
「先ず経済は兄上が教える国交に大事な要素、何処と何処がどれだけ金を落とし貰うか……経済の知識が必要になる。古代文学は妃になる上で、世代様々な方と交流する時に…………。」
「分かった!!うるさい!!だが、頼む、もう少し簡単なものに………。」
トーマスはニタリ、と笑うと、我慢出来ずに腹を抱え笑い始めた。
「ははははははははは!!」
「?ト、トーマス………?」
「お前が嫌な物ばかりだって分かってるさ、本当はこっち………プッ。初歩的な児童書から少し難度を上げたものだ……。だが少しずつ難しくしていくから覚悟しとけ?妃になりたいならな。」
「…………だ、騙したな………。」
「ムキになって、やってくれたら良かったけど?」
笑い過ぎて、目尻を指で拭くトーマス。
ラメイラは全く面白くない。
「…………ナターシャもこんなにやったのか?」
「ナターシャ?………いや。」
「じゃあ、何を?」
「ナターシャに俺達が教えたのは兄上はピアノ、ヴァイオリン、ダンス、俺は文学、タイタスは地理と歴史、コリンは……マナーとか。」
「な、何でそんなに差が………。」
「ナターシャは幼少期から宰相が学ばせていたからな。びっくりしたのは、貴族全員の顔と名前を覚えてる。公用語も立ち居振る舞いも、品位も美貌も記憶力もいいから、妃として恥ずかしくない。」
「何だよ…………それ………。」
「比べるつもりは俺達にはないが、妃になれば自ずと比べまくる貴族もいるだろうから、出来ない妃は、蔑まれるんじゃないか、と兄上の見解なんだ。ナターシャが比べる人じゃない分、心配してるのが他の妃のプライドが傷付く事。妃が出来ないと夫の立場も無くなり、公爵として政治的地位も弱くなるんだよ。それなら少しでも出来た妃の方がいいんだ。」
「…………。」
何もやってこなかったラメイラ。
やってきた事と言えば剣を振り回していただけ………。
それが今後悔するなんて……。
落ち込むラメイラの頭をポンポンと叩いたトーマス。
「何も全部覚える必要はない。得意不得意を先ずは見たいだけだ。一日二日で覚えろとも言ってないしな……ただ、好きなだけで妃になりたい、て言うラメイラは、底力があるから、その意地でやってみろ。」
「う、うん……。」
「教えてやるから、な。………さぁ、始めるぞ。」
トーマスが準備した本は有名な児童書の外国語。
これを、公用語に訳して読むという。
その外国語が何処の国なのかにも難易度が変わり、ラメイラの頭を悩ました。
しかし、その外国語は全て同じ話なのが、3冊目で分かった。
「何で同じ話の本?」
「3冊目でやっと気が付いたか……。同じ本でも外国語の文法も違うから、その分辞書を見るだろ?本題は辞書の文字。」
「は?」
「辞書で公用語の単語を覚える為に他国の本を読ませ、辞書で知らない言葉を知り知識を入れるんだよ、ただ辞書で単語見るより面白いだろ?」
「…………確かに新鮮で頭に入ってた感じたけど……。」
「暫くこの方法で公用語の勉強な。」
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