私が欲しいのはこの皇子!【完結】

Lynx🐈‍⬛

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お行儀見習い【コリン】①

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 ラメイラが不思議だった事がある。
 リュカリオンからコリンとの勉強だ。
 何故年下の弟のような皇子に教わらなければならないのか、と。
 だが、それはラメイラの弟、レックスと同じような感覚だったからだ。
 コリンに厩舎に呼び寄せられて、馬に乗る事になったラメイラ。

「馬に乗せてくれるのか、コリン。」
「勉強、て言っても僕はおまけみたいなものだし、たまには息抜きを、てリュカ兄上がね。ラメイラは馬乗れるんだったよね?」
「あぁ、乗馬は好きだ。毎日乗れたら乗りたいけど。」
「それは無理だね、ラメイラはだって妃候補だろ?勉強しなきゃ。」
「間違ってもコリンの妃にはならんから安心しろ。」
「僕だってごめんだね!ナターシャだったら今からでもリュカ兄上から奪おう、て思うけど。」

 厩舎から馬を連れ出し、準備をしながら話すラメイラとコリン。

「何だ、コリンもナターシャが好きなのか。」
「僕はもう引きずってないけど、タイタス兄上がなぁ……。」
「…………そうみたいだな。」
「トーマス兄上は、よく分かんないけどね……。」
「トーマスもまだ好きそうだぞ。」
「ラメイラ、前途多難だね。だって、ナターシャだよ?何を勉強しても記憶力良いから直ぐに覚えるし、15歳であの落ち着きとあの教養…………僕も自分の妃には、ナターシャを見習ってもらえる子がいいなぁ……。」
「コリン、もうお前にそんな相手居るのか?」

 ラメイラが驚く。
 コリンはまだ12歳だった筈。

「僕?居ないけど、リュカ兄上の結婚式後にもう1人アードラから王女が来るよ。アードラの王子が僕と親しくて、その妹姫はどうか、て打診あったんだ。」
「コリンのくせに生意気だなぁ。」
「生意気と許嫁は関係ないだろ!」
「はははっ!」

 乗馬が出来る嬉しさと、気兼ねしないコリンとの時間は楽しくて、直ぐに時間が経ってしまう。
 暫く乗っていると、教会らしき建物の方から、リュカリオンとナターシャが会話しながら歩いて来る。

「リュカ兄上とナターシャの結婚式のリハーサルかな?」
「あそこにある教会で行うのか?小さくないか?」
「あそこではやらないよ、王都の大聖堂で結婚式。」
「へぇ~、ナターシャはウェディングドレス似合うだろうなぁ。」

 ラメイラは自分も着ているのを想像してしまう。
 相手はタイタスで………。

(…………いやいや、まだ決まってないし!)
「ナターシャと馬乗れないかな、聞いてこよ。」
「え!待って!ナターシャは馬は………。」

 コリンがラメイラを止めようと声を掛けたが、間に合わず馬を走らせてしまった。

「リュカ!ナターシャ!………どうどう。」
「ラメイラ様、馬に乗れるのですか?」
「うん、乗れるよ?ナターシャは乗れないの?」

 女性で乗れない人も居るのはラメイラもしっている。

「以前、殿下の愛馬のフェデラーには乗った事はありますけど、最近は結婚式の準備で忙しく。」
「そうだよなぁ、リュカ………今からナターシャを馬に乗せていいか?」
「やめろ、ラメイラ。ナターシャが落ちたらどうする。ナターシャは元々、馬が苦手でやっと少し慣れた所なんだ。」
「じゃあ、リュカが教えればいいじゃん。」

 ラメイラは気軽に言ったつもりだったのだが、リュカリオンに叱咤されたような口調で言い返された。

「結婚式前に大怪我したらどうするんだ、来賓もこちらに向かってるんだぞ?」
「過保護だな、リュカ。」
「結婚式前で危ない事はさせられないだけだ。」
「走らせたりはしないぞ?」
「お前の事だから、やりかねん。コリンに乗馬を教えた頃、やっと指示を出せ動かせるようになったコリンに走り方や障害物回避の仕方を教えてコリンが落馬したのを忘れたか?」
「…………あ、そんな事あったっけ?」
「だから駄目だ。」
「あの頃より、私は大人になったぞ?」
「でも駄目だ。」

 このやり取りが聞いていて面白かったのか、くすくすと笑い出したナターシャ。

「リュカ殿下はラメイラ様にだけ扱いが違いますのね。」
「は?」
「だって、レングストンの令嬢方には冷たいではないですか。」
「ナターシャ………俺は君に対しても扱い方が違うよね?」

 リュカリオンがナターシャに腰に手を添えていたのだが、力を込めて更に抱き寄せる。

「!!」

 ナターシャは急に密着させられびっくりしていた。 

「俺がナターシャにしかこういう事をしない、て知ってるよね?」
「リュカ、進歩したなぁ………。」
「ナターシャだけ、な。」

 そう言ったリュカリオンは、ナターシャの額にキスを落とし、ナターシャも嫌そうに等していないイチャイチャぶりを見たラメイラは呆れ気味に言い放った。

「まぁ、いいや、結婚式終わる迄待ってるよ。」

 ラメイラはナターシャと乗馬が出来なかったのは残念だったが、リュカリオンがナターシャを大事にしている事が分かり安心した。

(タイタスがナターシャに想いを告げた所で、タイタスはアレじゃ入れないな。)
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