私が欲しいのはこの皇子!【完結】

Lynx🐈‍⬛

文字の大きさ
13 / 100

四角?関係勃発①

しおりを挟む

 ラメイラはナターシャの刺繍指導を嫌々ながら頑張って、2週間程経っていた。
 ナターシャが美しい花の刺繍をし、それをラメイラは見ながら縫うのだが、岩のようなゴツゴツした仕上がりになっている。

「ラメイラ様、淑女らしい事お嫌いですよね……。」

 岩仕上がりの刺繍を見て、ポソッとナターシャは言った。

「私はこういう細かい作業が嫌いなんだよ。」
「それでは何がお好きなんですの?」
「乗馬や、武術かなぁ。」

 あぐらをし、頭を掻き毟るラメイラにナターシャはしみじみと返す。

「乗馬はともかく、武術は妃になるには必要ないですわね。」
「私は、女の遊びなんてした事がないの。母は幼い時に亡くなって、兄と弟に囲まれてたから、遊びも男の遊びばかり。木登りとか、落とし穴作ったり……。で、外交で初めてレングストンに来たら、皇子4人でしょ?男の遊びばっかりしてたよ。」

 ラメイラは淑女らしい座り方もしないのは、男兄弟の影響だと言うが、ナターシャも兄が2人居るが女らしい。

「伺って宜しいですか?ラメイラ様。」
「何?」
「タイタス殿下をお好きになったのはその頃ですの?」
「!!………な、何でそれを……。」
「タイタス殿下に触れられた時、顔が赤くなってましたから。」

 ラメイラは頭を更に掻き毟る。

「あぁ……誰にも知られてない、て思ってた。」
「リュカ殿下は知りませんでしたわ。」
「リュカはなぁ………女嫌いだったし、私を女と見てないし。」
「好きな人に、女らしさを見せるつもりはないのですか?」
「ナターシャみたいな喋り方は無理だ。気持ち悪い、て言われる。」
「タイタス殿下が仰ったのですか?」

 ナターシャに聞かれたラメイラは悲しそうな顔を見せる。

「それでも好きなんだ……。勇ましくて男らしいタイタスが……レングストンで皇子達の結婚相手を探している、て聞いて父上に脅しや泣きつたりして迄頼み込んでやっと………。」
「ラメイラ様………。」
「トリスタンはそういう男が好まれるんだ。だけど、女はやはりナターシャみたいな、男を立てるタイプの女性が好まれ、私は誰にも相手をされない………レングストンに来て、女扱いをしてくれたのがタイタスで………さ。」

 しょんぼりしているラメイラにナターシャは提案する。

「ラメイラ様、服装ですけどトリスタンの女性はそういう服装が多いのですか?」
「いや、ナターシャの様な服装だ。私は乗馬が好きだから、ドレスでも跨ぎやすいようにしたくて、前開きの足元から胸迄開けるようにして、細いズボンを履いている。一応見られたくないからな。」
「ラメイラ様、殿下とわたくしの結婚式は我慢して、着飾りません?」
「え!?」
「着飾ってタイタス殿下とお会いになればいいのです!」

 ラメイラに無理難題を提案し、ナターシャは嬉しそうにワクワクし始める。
 すると、侍女達にラメイラ用にドレスとメイクをさせられた。

「ラメイラ様、当日そのお姿楽しみにしておりますね。刺繍は今度のお勉強の時間迄布いっぱいに縫っておいて下さい。何事にも練習あるのみです!」

 ウキウキとしているナターシャを見ると、ラメイラも嫌だ、とは言いにくい。
 ナターシャの結婚式であるし、喜ばせたいと思ったラメイラ。
 渋々、頷くとナターシャは満足そうに、皇女宮を出て行った。

(………この姿でナターシャの結婚式………か……ん?)

 ラメイラが窓の外の景色を見て耽っていると、外から話声が聞こえ、部屋から覗く。
 すると、明らかに敵意を感じる言葉をナターシャが言い放たれているのだ。

「確かにわたくしは王族ではありません。しかし、わたくしも公爵家。血脈は薄れてもこの事実は覆せません。」
「嘆かわしいと思いません?ナターシャ様。血脈が薄れても公爵家を名乗れる浅ましさを。」
「そこまでわたくしに仰られても、父は公爵ですから。」
(………刺々しい女だな……2人でナターシャを詰って…………よし!)

 ラメイラは先程着替えさせられたドレスを脱ぎ、普段の姿に着替える。

「ラメイラ様!!」
「ちょっと下行ってくる!!」
「ラ、ラメイラ様!!」

 侍女の静止も聞かず、ラメイラは駆け出していた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

菱沼あゆ
恋愛
念願のランプのショップを開いた鞠宮あかり。 だが、開店早々、植え込みに猫とおばあさんを避けた車が突っ込んでくる。 車に乗っていたイケメン、木南青葉はインテリアや雑貨などを輸入している会社の社長で、あかりの店に出入りするようになるが。 あかりには実は、年の離れた弟ということになっている息子がいて――。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜

瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。 まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。 息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。 あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。 夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで…… 夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない

彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。 酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。 「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」 そんなことを、言い出した。

【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。 働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。 早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。 そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。 大丈夫なのかなぁ?

距離感ゼロ〜副社長と私の恋の攻防戦〜

葉月 まい
恋愛
「どうするつもりだ?」 そう言ってグッと肩を抱いてくる 「人肌が心地良くてよく眠れた」 いやいや、私は抱き枕ですか!? 近い、とにかく近いんですって! グイグイ迫ってくる副社長と 仕事一筋の秘書の 恋の攻防戦、スタート! ✼••┈•• ♡ 登場人物 ♡••┈••✼ 里見 芹奈(27歳) …神蔵不動産 社長秘書 神蔵 翔(32歳) …神蔵不動産 副社長 社長秘書の芹奈は、パーティーで社長をかばい ドレスにワインをかけられる。 それに気づいた副社長の翔は 芹奈の肩を抱き寄せてホテルの部屋へ。 海外から帰国したばかりの翔は 何をするにもとにかく近い! 仕事一筋の芹奈は そんな翔に戸惑うばかりで……

子持ち愛妻家の極悪上司にアタックしてもいいですか?天国の奥様には申し訳ないですが

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
胸がきゅんと、甘い音を立てる。 相手は、妻子持ちだというのに。 入社して配属一日目。 直属の上司で教育係だって紹介された人は、酷く人相の悪い人でした。 中高大と女子校育ちで男性慣れしてない私にとって、それだけでも恐怖なのに。 彼はちかよんなオーラバリバリで、仕事の質問すらする隙がない。 それでもどうにか仕事をこなしていたがとうとう、大きなミスを犯してしまう。 「俺が、悪いのか」 人のせいにするのかと叱責されるのかと思った。 けれど。 「俺の顔と、理由があって避け気味なせいだよな、すまん」 あやまってくれた彼に、胸がきゅんと甘い音を立てる。 相手は、妻子持ちなのに。 星谷桐子 22歳 システム開発会社営業事務 中高大女子校育ちで、ちょっぴり男性が苦手 自分の非はちゃんと認める子 頑張り屋さん × 京塚大介 32歳 システム開発会社営業事務 主任 ツンツンあたまで目つき悪い 態度もでかくて人に恐怖を与えがち 5歳の娘にデレデレな愛妻家 いまでも亡くなった妻を愛している 私は京塚主任を、好きになってもいいのかな……?

処理中です...