私が欲しいのはこの皇子!【完結】

Lynx🐈‍⬛

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四角?関係勃発②

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 ドカドカドカドカ!!

「ナターシャ!!」

 勢いよく、皇女宮から飛び出すラメイラに驚く事もなく平静なナターシャ。

(ナターシャは驚きもしないのか?こんなに私が慌てて来たのに……。)
「ラメイラ様、如何されました?」
「如何もどうもない!!さっきから会話聞いてりゃ、気になって降りてくるよ!ナターシャ、大丈夫か?」
「まぁ、なんてはしたない女性なんでしょう………。しかも何故皇女宮からこんな方が……。」
(………こっちも平静……。)
「ロレイラ様、彼女はトリスタン公国のラメイラ公女ですわ。現在、来賓として皇女宮の一角に身を寄せてらっしゃるんです。」
「こ、公女………ですって?」

 声を押し殺しているが、扇の中では笑っているのが分かる。
 他国の公女に対し失礼極まりない態度のロレイラとレーチェ。

「ロレイラ?約束の時間に来ないから探してたん…………ナ、ナターシャ!!……ラメイラも、何で一緒に……。」
「タイタス!」
「タイタス殿下……。」

 ロレイラが笑うのを止め、タイタスに寄り添うように腕を掴むと、タイタスに微笑んだ。

「タイタス殿下、ナターシャ様にご結婚おめでとうございます、と祝辞を申し上げていたところですの。」

 言った者勝ち、と言わんばかりの勝ち誇るロレイラ。
 今更『違う』と言っても水掛け論。
 
「そうなのか?ナターシャ。」
「えぇ、まぁ……多分その様に仰りたかったのだろうと解釈致しますが。」
「ナターシャ!!違うだろ!!コイツは…………!!」
「ラメイラ様、行きましょう。」
「ナターシャ!!………タイタス!絶対に違うから!!」
「タイタス様、あの様な公女様も居られるのですね、わたくし怖かったですわ。」
「ロレイラ……後で彼女にはキツく言っておくから………。」

 ラメイラは見てしまった。
 ロレイラの言った事に文句を言おうと振り向いた瞬間、タイタスはロレイラを抱き締めた事を……。
 その瞬間、ラメイラは青褪め涙を堪えてるとナターシャに連れ戻された皇女宮に入ると、叫び声の様な泣きじゃくった。

「ラ、ラメイラ様!!」

 先程は落ち着いていたのに、ラメイラが泣く事に驚く。

「ラメイラ様…………どうしましょう、泣いてばかりでは理由が分かりませんわ。」
「ひっく………うわぁぁぁん!!」
「執務室に行く予定だったのだけど、放っておけないし………ごめんなさい、皇太子邸へ行って、セリナかライアを呼んで来てもらえるかしら?」

 ラメイラの侍女達は、トリスタン公国から連れて来ている侍女達。
 ナターシャに頼まれたが、ラメイラの為に動く。

「了解致しました、ナターシャ様。」
「お願いしますね。」

 暫くするとナターシャの侍女セリナがやって来る。

「ナターシャ様、何故まだこちらに……ラメイラ様!」
「セリナ……ラメイラ様が心配なの、殿下の執務室に行き、付いてて差し上げたいから、殿下にその様に伝えてもらえる?」
「はい!」
「ラメイラ様………何故急に泣かれてらっしゃるの?」
「ナターシャ……………あなただけに話す。」

 ナターシャはラメイラの侍女に目配せし、人払いをする。

「居なくなったわ。」
「タイタスが…………あの女を……抱き締めて…………ひっく……うぅ……。」
「え?まさか………。」
「だって見たんだもん!!タイタスがあんな失礼な女が好きなんて………。」
「違うな、タイタスが好きな女はロレイラじゃない。」
「え?」

 人払いしたのに、聞き覚えのある声がして振り向いた先にはトーマス。

「トーマス殿下、何故こちらに。」
「さっき、そこで慌てるセリナとすれ違って、ラメイラが泣いてる、と聞いたから………ラメイラが泣くのはたいていタイタスの事だからな。」
「トーマス………ふぇ~~ん!!」

 ラメイラはトーマスに抱き着いて泣きじゃくる。

「昔からこうなんだ。タイタスと張り合って喧嘩して、泣くのはラメイラなのに………で、何故ロレイラが出て来た?」

 落ち着かせようとトーマスはラメイラの頭を撫でている。
 ナターシャはロレイラと会った所から説明をする。

「なる程ね………さっきも言ったように、タイタスはロレイラを好きな訳じゃない。忘れようとして、ロレイラを求めてるだけだと思う。」
「どうして分かるのです?」
「だって、タイタスが好きなのは今もナターシャだから。」
「!!」

 ラメイラがナターシャを見る。

「わたくし…………確かに許婚でしたものね……。」
「ナターシャの許婚はリュカじゃないのか?」
「皇子4人だよ。ナターシャを射止めたのが兄上。3人は負けたの。それを未だに引きづってるんだよ、俺もタイタスも。」
「でも、何故ロレイラ様を?」
「喋り口調だよ。彼女はナターシャが俺達の許婚になる前、兄上の許婚だった。」
「そういえばその様な事を仰ってましたわ。」
「ナターシャに出会わなければ、多分………いや、ロレイラ無いな……あの性格じゃ……。」

 トーマスはロレイラの事をよく知るようで、気になったのか、ラメイラはトーマスから離れ、落ち着きを取り戻し質問する。

「何を知ってるんだ、トーマス。」
「ナターシャ、兄上に絶対にロレイラの話はするなよ………。」
「え?」

 真剣な眼差しをするトーマスは念を再度押す。

「ナターシャ、絶対に。」
「分かりましたわ。」
「ロレイラは兄上が一番恨んでいる女だ。」
「!!」
「タイタスに近付いたのは、兄上の婚約式からだ。何を企んでるか、調べてみる。」

 ナターシャは再度頷いていた。

「でも、何故ロレイラ様は許婚では無くなったのでしょう……。わたくしがリュカ殿下に気に入られたから、ではないような気も……。」
「兄上が、何故女嫌いになったか、俺なりに調べた事がある。」

 そう、リュカリオンにはナターシャではなければ駄目だ、と言うウィンストン公爵の言葉から調べた事。

「ロレイラは兄上の許婚になった事をいい事に、兄上を犯した初めての女だったんだ。」
「よく、調べたなトーマス。」
「当たり前だ。ナターシャの父上の宰相の密偵を使わせてもらった。宰相も俺が疑り深いから渋々以前調べ上げた事を教えてくれた。」
「お父様、そんな事迄……。」
「ナターシャ、絶対にロレイラの企みは阻止するから、君は結婚式の事だけ考えろ。」
「タイタス殿下の事は………。」
「それも、何とかするから。」
「ナターシャ、トーマス……。」
「何だ?ラメイラ。」

 ラメイラはひと呼吸して涙を拭うと、

「私はもう落ち着いた。2人は仕事に戻ってくれ、もう大丈夫だから。」
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