私が欲しいのはこの皇子!【完結】

Lynx🐈‍⬛

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公表時期

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「本当に懐妊していたら国上げてお祝いだな、リュカ。」
「……………。」
「リュカ?」

 リュカリオンは顎に手を添え考えている。

「殿下、まだ内密の方が宜しいのですね?」

 ナターシャはリュカリオンの表情を察したようだ。

「何故だ!ナターシャ!めでたい事なのに!」
「…………少し心配なのです。ロレイラ様の事やレーチェ様の事もありますのよ?解決したとは思えてないので………。」
「………あ…………そうか……。」
「糠喜びになる事もある………父上と母上、あと宰相にだけには報告するが、暫く内密で頼む………セリナ、ライア侍女達にも箝口令を。」
「畏まりました。他の侍女達にもその様に。」
「ヴァン子爵。」

 医師にも爵位が与えられているレングストン。
 医者の彼をリュカリオンは呼んだ。

「はい。」
「あなたも暫く内密にしていて欲しい。」
「それが皇太子殿下が望むのであれば。」
「では、すまないが今から皇帝と皇妃、妃の父上のウィンストン公爵にも説明するので、少し付き合ってくれ。」
「はい。」

 リュカリオンはソファに横になるナターシャの傍に戻り、頭を撫でる。

「ナターシャ、無理しては駄目だからな。なるべく早く帰るから。」
「お仕事はして下さいね、また兄に嫌味言われてしまいますから。」
「あいつの嫌味は聞き流すよ。行ってくる。」
「行ってらっしゃいませ。」

 リュカリオンとヴァン子爵を見送った後、ラメイラはナターシャに改めて祝辞を言う。

「ナターシャ、もし本当に懐妊ならおめでとう。」
「……………ラメイラ……。」

 しかし、ナターシャはあまり嬉しそうにはしていない様子。

「どうした?嬉しくないのか?」
「………殿下はあまり嬉しそうにはしていなかった………。」
「照れてるんじゃないか?」
「………まだ2人での時間を大事にしたい、とも仰っていたの………。」
「ナターシャ………わ、私は嬉しいぞ!!」

 夫ではないラメイラの精一杯の言葉をナターシャに掛けたものの、ナターシャには響かない。

「ナターシャ様、リュカ殿下はナターシャ様だけを愛していらっしゃいます!」
「ですから、絶対に嬉しくない訳ありません!!」
「セリナ………ライア……ありがとう。」

✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧

 その頃のリュカリオン。

「な、なぁ、ヴァン子爵。」
「何でしょうか、殿下。」

 顔を赤らめたリュカリオンは、口元を隠しながら、医者であるヴァン子爵に聞いた。

「に、妊娠したら………出来ないの……だろうか………その………ね、閨……を……。」
「激しい事は控えて頂いた方が宜しいかと。腹部が出てくると、お子への危険度は少なくなりますが。妃殿下の嘔吐や気だるさが酷い場合は控えられた方が良いかと思います。」
「そ、そうか………。私も父になるのか………。」

 真っ赤になり照れているリュカリオンは喜びを隠せなかった。

「殿下……糠喜びは………。」
「!!わ、分かってる!!だ、だが本当だったら嬉しくてだな……。今も、抱き潰しそうで大変だったんだ。」
「妃殿下もその殿下のお顔を見れば、嬉しいでしょうな。」
「…………しまった……。」
「殿下?」
「い、いや何でもない……。」
(…………ロレイラ達の事を気にして、労いの言葉も掛けていなかった!)

 リュカリオンは、皇帝と皇妃、ウィンストン公爵の間で、公表はナターシャの体調が安定する迄は非公開にすると決まった。
 
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